蓮が亡くなった。まだ24歳だった。
ほんの少し前まで、カラオケに集っては過ぎた青春を無邪気に追いかけていた。
高校のとき、蓮はクラスで浮いていた。自分の言えることじゃないが、彼はクラスメートに恵まれなかったのだ。
俺たちは都市部の、わりと出来の良い進学校に通学していた。田舎じみた地元の中学から逃げ出すように2人で進学した。
合格したときの彼は、期待に満ちた顔だった。今でも瞳の奥に蘇る。
3年を耐えて、わりと良い大学に入った。
蓮は大学時代、文化系サークルのメンバーとしてこの上なく幸せな時間を過ごしていた。
ただ、就職だけは最後の最後まで悩んでいた。
「妹のために」
「彼女のために」
あいつには恋人がいた。そして、シスコンと思うほど妹思いだった。
就職前、あいつは容姿端麗な女性と来た。
彼女は美咲と名乗った。この女性が恋人だと、一目みて判った。
「美咲は年上の彼女。大学でメンタルヘルス の研究をしていたらしい。」
「メンタルヘルス?少し珍しい。メンタル系 のお仕事ですか?」
「そうです。スクールカウンセラーを主にし ています。たいしてカウンセリングもない ですけど。」
このときが、あいつとの最後だったろうか。
彼の死因は聞かされていないが、見当は容易だ。そして、あいつの性格がトリガーであるということも。
親友であるのに、友の死を止められなかった。後悔などという言葉で表せないほど、彼の死を信じられない気持ちでいっぱいだ。
あれほど多才で優しい友人はもういないだろう。
彼の死は、惜しまれるべきだ。
心から思った。
原稿です!今回は結構変えました。内容は同じですが、言い回しとか。
P.S.最近更新なくてすみません
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