桜、薔薇、百合を書きます

-BL注意-

ヤンデレっぽい人が出てきます。

意味不です（）

周りの友人が不審な素振りを見せていたらどうする？

俺には沢山の知人がいるが、その中でも特に仲の良い２人の様子がおかしい。

その２人の友人を紹介しよう。

１人は優しいモテそうな男子、綾瀬遥斗。

もう１人は人を笑わせる天才男子、二水蒼人。

あぁ、名乗り遅れた。

俺は柿原英都。

その２人の友人には最近恋人が出来たらしい。

遊びに誘っても「ごめん、デート」などと返ってくることが多くなった。

もし友人に春が来たのならば祝福してやりたい所だが、正直怪しい点が幾つかある。

２人を疑う訳ではないが、好奇心とやらには逆らえないのが人間の性だ。

まず怪しい所の１つ目としては、

・遥斗の恋人は独占欲が強いのにも関わらず、遥斗と蒼人の距離が近い

遥斗の恋人、まぁこの場においては”Ａさん”としよう。

Ａさんは鈍感な遥斗が気付くほどに独占欲が強い。

なのにも関わらず、遥斗は蒼人との距離感を離そうとしない。

Ａさんに相談してのこの距離感ならまだしも、そのことを話してはいないそうだ。

同性だから、という点で許されているのかもしれないが、ジェンダーレスの世の中。

鈍感な遥斗を落としたのだから、Ａさんはそんなにバカだとは思えない。

遥斗と蒼人の距離感が近いのは前からのことだが、

恋人が出来てからは尚更近づいたように思える。

普通恋人が居るならば、同性の友達と言えど手を繋ぐか？

間接キスをするか？抱きついたりするか？

答えは全てNOだろう。

次の怪しい点は

・蒼人の「俺の恋人は偉い」自慢

蒼人が恋人が出来たら自慢するのは目に見えていたが、ここまで露骨だとは思わなかった。

そもそも蒼人は独占欲が強い方なので、少し束縛している…らしい。

少しとは思えないが。

例えば俺が蒼人と遊びに行った時、何故かわからないがペットショップに寄った。

そこで首輪をプレゼントするとかいう意味のわからない言葉を吐いていた。

怖すぎるだろ、独占欲の塊だろ。

さて続いては

・遥斗の顔色問題

綾瀬遥斗という男は常にまるで春のような笑みを浮かべている男なのだが、

最近は３人、というか蒼人と一緒にいる時は少し怯えたような顔をしている。

俺といるときはそんな事はないのに。

一体なぜだろうか。

さて、ここで状況を整理しよう。

蒼人と遥斗は最近恋人が出来た。

遥斗の恋人は独占欲が強い。

蒼人は恋人へ少し（仮）の束縛している。

遥斗は蒼人がいると怯えたような顔をする。

可能性が見えただろうか。

にわかには信じがたいが、

蒼「おい、英都！！」

遥「英都ー？」

…そうか、そうだったか。

久々に今日は２人と遊べるんだ。

折角の珍しい日なんだから気にしたくない。

『はいはい、今行く』

蒼「いくぞ遥斗ー！？」

遥「あっ、うん！」

遥斗の首元に赤い線、噛み跡のような物が見えたのは気の所為にしておこう。

俺だって疲れてるはずだ。

そう思った時に、スマホが鳴った。

と言っても、メッセージが送信されただけだが。

確認してみると、どうやら蒼人からの連絡のようだった。

今一緒に居るんだから直接言えば良いのに。

不審に思いながらもそのメッセージを見た。

「「気付いても言うなよ？」」

なんのことだろうか。

ととぼけることが出来たら良かったけれど、今の俺にそんな事は言えない。

蒼人の顔を見れば、冷徹な、まるで友達を見る目はしていなかった。

最初からそうだったのかもしれない。

…まぁなんだって良いが。

俺は蒼人からのメッセージをトークから削除し、蒼人と遥斗に追いつくために少し走った。

２人はきっと気付かないのだろう。

俺が手綱を握っていることに。

可哀想は可愛い。

最初に言い出した人には感謝しかない。

俺は蒼人のことを独占欲の塊、と言ったが本当の独占欲の塊は俺かもしれない。

全ては蓋を開ければ分かるだろう。

俺は本当に２人の手綱を握っているのか？

遥斗は本当に蒼人のに束縛されているのか？

ある種、シュレディンガーの猫とも言えるし、パンドラの箱とも言えるだろう。

真実は愛さえも知らない。

まぁ俺自身も知らないが。