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特別な13月は、君色で。
「あ、!! そのコスメ可愛くない!?」
「どのコスメよぉ〜?」
「それそれ、っ!! やばぁ…、どタイプなんだが!?」
「そうかい、そうかい、、。」
「自分で買いなされ。」
「わかってるって。 ぁ、じゃあ1月!!一緒行こ!!」
「え〜…、めんど。」
消える予定の13月は、みんなが知らない筈の月。
ずっとずっと前に決めた。十年前のあの日、提案してくれた彼と。
今の月日は、12月。13月まであと一月。
だから、学校も頑張れる。まあ、学校に来たって、空気以下の存在なんだろうけど。
「はい、ホームルームはこれで終わりです。」
「気をつけて帰って下さいね。」
「…っ、はぁ。」
学校の終了の時間の放課後。クラスで1人の私からしたら、一緒に帰ろ〜、とか言われなくて済むから気が楽。
早く家に帰ったって、親がいちいちうるさく、私に対して八つ当たりをしてくるので、学校図書館へ行く。
そこで、ある程度課題を進めていた時、ふと、私の名前を呼ぶ声がした。
「アンタ、黄口黈?」
「へっ、?」
髪はクリーム色の髪に、緑がグラデーションされた髪の子。
この子の雰囲気を感じたことがあるな、と思う自分を切り離し、貴方は誰ですか?と聞こうとする前に、彼が口を開く。
「コレ、落とし物。」
「ぁ、ありがとう…。」
彼は、私が落としたであろう物を届けるためにここまで来てくれたのかな、と考えることにした。理由はわからないけれども。
「えっとぉ…、お名前は?」
とりあえず、彼の名前がわからないので、聞くことにした。
礼儀としても。失礼ではない範囲に。
「ははっ、!」
突然、彼が狂ったように笑い出した。
「アンタ、問題児のクラスメイトの名前も覚えてないの、?」
笑いながら訪ねてくる彼が、どこか懐かしく感じる。多分気のせいだろうけれど。
「ごめん、なさい…?」
「疑問系…、」
こんな私なんかと話してくれる男子が2人目で、よく私と話してくれるなと、少し不思議に思う。
「わりぃわりぃ、ちょっと意地悪だったな。」
「俺、龍崎翆。」
「りゅうざき、ぷり…。」
そういえば、よく彼が授業中に学校に来たり、家に帰ったり、寝ていたりして先生に怒られていたのを覚えてる。
さらに、よくよく見れば彼の服は少し不規則に着られていて、いかにも、不良、という感じだった。
「なぁ、何で同級生と話そうとしねぇの?」
彼が興味本位なのかなんなのかわからないが、尋ねてくる。不思議と嫌ではなかった。
「それは、ッ…。」
嫌ではないけれど答えにくい質問。だって、死ぬ予定だから、なんて言って、相手に気を遣わせてしまったら面倒だからだ。
「…、答えにくい質問しちまったな。」
私の心情を読み取っとのかはわからないが、多分そうなのだろうと思い、彼の口が再び開くのをじっと、待つ。
「ならさ。何で毎日放課後、図書館にいるんだ?」
「家に帰りたくないの。」
我ながらぶっきらぼうに返した。でも、彼はしっかりと聞いてくれた。
「そっか。」
何で嫌なのかを聞かないで。
それが私には、ちょうど良いくらいに良かった。
「ならさ。」
「、?」
「俺と一緒に公園で話さねぇ?」
微笑みながら、私の席に座り、上目遣いで聞いてくる。
不良のくせに、ッ。顔が良すぎて断れない、ッ。
「わかった、よ。」
我ながら、一生の不覚かもしれない。
「ぁ、ここの公園寄らね?」
2人で、ごくごく普通の会話をしながら、私の帰宅通路を歩いていたら、ふと、彼がそう聞いた。
「ぁ、いい…けど。」
返し方があまりわかっていなく、曖昧な返事になってしまったけれど、彼は微笑みながら返してくれる。
「サンキュっ。」
この笑顔。何処かで見たことがある気がする。
「俺なぁ〜、ここの公園で運命の子に出会ってん。」
彼がブランコに座り、私をブランコに座るように促す。
「へぇ〜、?」
運命の子…、?それは、誰のことなのだろうとはならないが、昔、ここの公園に来たとき、同じことを私に向かって言っていた子がいた気がする。
「その子、なんか生きるの諦めててな?」
「なんでかわからないんやけど、俺も生きるの嫌になってて…。」
何で彼が、生きることに対して嫌と語っているのかは分からないが、共感してくれているのかもしれないと、思ってしまった。
「でも、俺。その子に生きろ!!って、言うてもうてん。」
「っ、。」
「そしたら、その子。じゃあ大人になったら私に会いに来てって、言い始めて…、っ。」
笑いながら語っている彼に、私は質問をする。
「その子の、名前って…、わかる?」
多分、私が求めていた答えを、彼が言ってくれることを祈って、聞いた。
「奇跡かもしれんけど、アンタと同じ名前。」
「黄口黈。」
「ぁ、。」
「なぁ…、?もしかしてさ。」
私が少し、確信を持ったとき、彼が再び、質問を私にする。
「俺が会ったのってお前よな?」
「そう、かもね…。」
「13月に、死のうとしてる…?」
「…、答えは、分かってるんじゃないの。」
少しだけ、ぶっきらぼうに答えた。
多分、彼と会ったことがあるから。
昔、6歳の時…。
家では、父親と母親が喧嘩ばかりで、物が私に飛んでくる毎日。小学校でも、何故かイジメの標的。そんな日々でしかなかった。
だから、少し。少しだけ…。この生活から逃げ出したい、、。死にたい、って思ってきた。
小学生なのに、生意気な考えだったって思う。
でも、それ以上に辛かった。
公園についた。よく、来ていた公園だった。
ここの近くに、海があるので、そこに飛び込む前に、少し、思い入れのある場所で遊ぼうと思った。
『コレが最後の遊びかなぁ ~ 。』
そう呟いて、ブランコを漕いでいた時。
ふと、後ろから声がした。
『なんで最後なん?』
そこに立っていたのは、クリーム色の髪に、緑がグラデーションされた髪の少年。
『だ、だって…。』
多分、あの時の私は誰かに、自分の気持ちを知って欲しかった、んだと思う。
『もう、しにたいんだもん。』
『なんで?』
思ったよりも、ぶっきらぼうに返ってきた言葉は、私の心が傷ついた。
『、何でも何もないよ!!』
『だって、家では物が飛んできて、私の身体にはあざだらけ!! おまけに、学校ではいじめの標的なんだよ!? これで、死にたいって思って、何で、疑問に思われなきゃいけないの!?』
『…、わからん。』
『なに、それ…。』
少し、私がバカバカしくなってきたのと、同時に、彼が口を再び開く。
『でも、生きろ!!』
『俺やって、家では、殴られてばっかやけど…、多分、生きてていいことなんて、たくさんあんで!?』
『…、あるわけ、ッ ないじゃん…。』
『じゃあ、いいこと、作ろうや。』
我儘な私に対して、彼は自分のペースを崩さずに話してくれた。
『…、例えば、なに。』
『十年後の13月に、この公園で会う。』
『そんで、一緒に死ぬ。』
『は、っ…?』
今思えば、彼なりに、私を助けてくれていたのだと思う。
自分の気持ちと、私の気持ち。それを繋ぎ合わせた答えだったんだと思う。
『突然やけど、俺。お前に一目惚れしてもーて。』
『は、い…/ !?』
子供ながらに、めっちゃ照れた。
突然の告白…。というか、私のことを好きになってくれる人なんて居るんだ…、っていう感覚。
『その答え合わせも込みで、13月にあおーな!!』
『…、全部よくわかんないんだけど、ッ。』
『てゆーか。13月って何よ、』
照れ隠しで、別の質問を繰り出す。
『12月と、1月の間。』
『んん、?』
『12月31日と、1月1日の間。つまり、年が変わるときってこと!!』
『よく、わかんない…。』
笑い合いながら、あの日、彼に互いの名前を教え合って、約束を果たすまで生きる、と2人で決めた。
「俺、さ。」
「黈に会えて、同じ高校で、嬉しかった。」
「そっか…。」
「でも、黈は…。」
彼に、会えて嬉しかった、と言ってもらえて、内心、気が上がっているのを少し隠して、話を聞く。
「なんか、疲れ切ってる感じ、して…。」
「話しかけるタイミングなんて、なくって。」
「なんせ俺、不良みたい、やし?」
「まぁ、アンタの気を引きたくて、やっとったんやけど…。」
彼が、私に生きろ!!、と言った時と同じような表情で、私に笑いかける。
この笑顔…。好きだなぁ…。
「それで…。今日やっと、話しかけることができて…。」
「あの時、の。俺が惚れた時の笑顔と同じ顔してくれて、嬉しかった。」
「…、そっ、か。」
「…、なぁ。まだ、死にたい?」
「…。わかんない、かな。」
多分、今迄の私は、彼と死ぬためだけに、生きてきた。その気持ちに蓋をする必要はない。
けれど、彼と死ぬ前に出会ってしまった今、多分…、洗濯をしなければならないと思う。
「翆くん、は…。」
「翆でええよ。」
「じゃあ、翆ーのすけ、で…。」
「ははっ、!! 初めて呼ばれるわ。」
「翆ーのすけ、は…。」
「うん。」
「今、死にたい…?」
「…、今は。黈に会えて、嬉しいから…。死にたない。」
「そう。…そっか、。」
「黈は…。」
「死にたい?」
多分、私は、彼のことが好き。
いきなりだけど、いきなりじゃない。
ずっと前から。あの時から、好き。大好き。
でも、彼が違うのならば、その気持ちに蓋をする。
「…翆ーのすけは、私に一目惚れをしたんでしょう?」
「せや、な…。」
それ今??と言いたげな表情で照れている彼に、また、質問を投げかける。
「今も、そう…?」
「…、そうやで。」
「っ、!!」
「そうじゃなかったら、今、ここに連れて来ないやろ…、?/」
そういいながら、彼はブランコから降り、私の前に立って、私を抱きしめる。
あの時と変わらない彼の、美しい髪色が私の頬にかかる。
「翆ーのすけが、その気持ちなら…。」
「私は、死にたくないかも…。」
「そっか。」
安心したように微笑みかけてくれる。
授業中の彼とは、全く別人かのように。
私だけに向けられる笑顔。
これだけ、いいことはない。
「じゃあ…。消える予定の13月はなし。」
「…そうだね。」
「…、一緒にいる予定の13月にせぇへん? 」
耳元で話されると、少し、というか…。結構照れてしまうので、彼を少し引き剥がす。
少し、彼が不貞腐れていた…。
「一緒にいるなら、私を…。」
「独り占めする権利、得ないとじゃない?」
昔からの友達の、彼には。多分、素の私、というか、言いたいことを言える私でいられる気がするから。
「っ…/」
照れすぎている彼に、本当に不良くん、?と笑いかけて、彼の言葉を待つ。もちろん、ブランコに座りながら。
「ずっと、好きやった。」
彼が、先程の様子とは全く違うような様子で言う。
「高校で、会えて…。めっちゃ可愛くなってる黈に、めっちゃ惚れた。」
彼が、意を決して口を再び開く。
「あなたのことが、大好きです。」
「付き合ってくれませんか?」
迷いのない言葉。シンプルで、良くある言葉。
それは、多分。いや、絶対に。普通じゃなかった私たちからしたら、まさに、
シンプルイズベスト。
この言葉通りなのだろう。
「もちろん…っ。」
ブランコから立ち上がり、彼を抱きしめる。
すると、彼の匂いが私を包む。
「はぁ~、。やっぱ好きだわぁ〜…。」
「な、ななな…。なにを、/!!」
「ええやん。俺、黈の彼氏なんやから〜♡」
「はーと付いてる、!?恥ずかしいんだよぉ、っ…。」
ここまでの導きは、神様のおかげだと思う。
神様が、私たちに、生きる希望を無くしてくれたから。だから、巡り会えた。
「黈。死なないで、待っててくれてありがとう。」
「翆ーのすけ、だって。待っててくれて、ありがと。」
互いの唇が触れ合う。
それは、甘い香りがする予感がした。
唇が離れる時、互いの顔が、空に浮かぶ夕焼けより、真っ赤になっていた。
END
~
がんばり ましたっ、!!
( 5572 文字 )
この お話、読んで くださり 有難う 御座い ます!!
ぜひ、 💬 と ハート 下さい ね ‼️
※このお話は読切です※
~
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