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「ねぇねえそこで何してるの?そんな所にいたら危ないよ〜だからこっち来て一旦ウチとお話ししよ❗️」
たったその一言で、僕は君に救われたんだ。
中学2年の時、僕は一度自殺を考えた。理由はクラスメイトからの過剰なイジメが原因だった。「気に食わないから」たったそれだけの理由で、僕はイジメられたんだ。最初はそんなに酷くなかった。物を隠されたり、陰口を言われたりなどだけだったが何も反抗しない僕を見てつまらなくなったのか、日に日にエスカレートしていった。教科書・机への落書き、私物をゴミ箱に捨てられるなど…酷い時は体育館倉庫に閉じ込められたこともあった。暗くて、とてと怖かった。その後、見回りの警備員さんに偶然見つけて貰えたから良かったが、きっとあのままだったら、得体の知れない恐怖心が僕の心を支配し、狂っていた事だろう。だが、しかし僕は犯人を言う事は出来なかった。何故なら、スマホに…「今日の事や今までの事を言いふらしたら今度は居場所が無くなると思え」と書いてあったから。それはつまり僕を退学まで追い詰めると言う事だろうか?それだけはやめてほしい、だからこの事は心の奥深くに閉まって鍵をかけておこう。…どうせ…誰も気づきはしないのだから。
そんな僕の生活に転機が訪れたのは中学2年の時、この学校の屋上から飛び降りて自殺しようしていた時だった。ここで冒頭に戻る。
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「へぇ〜君は雪兎(ゆきと)って言うんだ〜。私の名前は陽菜乃(ひなの)だよ❗️。早速だけどさ、どうして雪兎はあんな事しようとしたの?」あんな事…飛び降りの事だろう「あ……っっ……。何でもないよちょっと血迷った?だけで…s」「嘘つかなくて良いよ」「え?」「だから嘘はつかなくて良いんだよ。見てればわかる。手、震えてるし何か言いかけてやめたよね。あらかた、イジメてる人たちから脅されてるんじゃないの?」「………。」「沈黙は肯定と受け取って良いのかな?」「うん…」「雪兎は今、どうして欲しい?何を望む?」「……た…助けて…もう嫌だよ。怖い、ニンゲンが怖いっ!」本当はそんな事言うつもりは無かった。いつも通り適当に流して誤魔化そうとしたのに…彼女の優しさは、ボロボロになった僕の心を包み込んでくれるようで、気が付けば言いたい事…本音を話してしまっていた。「そっかわかった雪兎。雪兎の願い私が叶えてあげる。雪兎が、また笑顔で日常生活を過ごせるようにしてみせるよ!」そう言うと彼女はダッシュで屋上を出て行ってしまった。「あっ!待って……」そう言ったけれど彼女の耳には届いていなかったようで帰って来なかった。でもそう簡単にこの問題が解決するとは思えなかったし、今日会ったばかりのニンゲンだ。もしかしたら、周りに言いふらされるかも知れない。ああ、やっぱり信用できない、怖い…。その日僕はまともに一睡する事が出来なかった。
次の日、僕は朝から衝撃のニュースを耳にした。それは、僕の通っている学校で生徒同士の喧嘩がありその末に、死亡者が出たと言うニュースだった。僕は慌てて準備をして家を出た。通り慣れた通学路を全力ダッシュで駆け抜けて学校へ向かう。学校に着けば、校門にはマスコミが押し寄せていた。そして、ちょうど救急車に乗せられて1人の子が運ばれていった。その顔には見覚えがあった。昨日、僕の話を聞いてくれた子…陽菜乃だった。「陽菜乃っ!嘘だろ陽菜乃っ!!!!!嫌だ目を覚ましてくれ、、、」その後、誰が僕を取り押さえようとしていたが、僕には叫んだ後の記憶は無かった。
気がつくと、そこは病室だった。時刻は夕陽が見えるので夕方だろう。そういえば、彼女は…陽菜乃は…「気が付きましたか?」「?どちら様で?」「ああ、失礼しました。私は石野と申します。ここでは医者をやっております。」「はぁ、お医者様でしたか。」「実は、遺言を陽菜乃様から預かっておりましてね。」「はっ?遺言?って陽菜乃は陽菜乃は死んだんですか?」「そうでしたね、貴方様はまだ事件の全容を知りませんでしたね。陽菜乃さんは、貴方をイジメていた人達と喧嘩になりその争いの末に、鉄パイプで殴られたのが致命傷でお亡くなりになられました…。」僕はしばらく石野さんが言った事が受け入れられなかった。陽菜乃が僕のせいで死んだ?嘘だ、僕があの時相談しなければ彼女は死ななかったんじゃ無いか?そんな考えだけが僕の思考を支配していた」「……ゆき……とさん……雪兎さん!!!」「はっ、はい!?」「陽菜乃さんは死ぬ間際まで貴方を心配していられたんです。陽菜乃さんは最後に『これで、少しは誰かの役に立てたかなぁ…あのね、私、雪兎には生きていて欲しいの。きっと今回の件を彼は気に病んでしまうと思うから…雪兎に伝えて、『生きて』って。これは私のエゴだけど、私を覚えてくれているのは、きっと雪兎だけだろうから。』これが彼女からの遺告です。私はしっかりと伝えましたよ。これから貴方がどうするかは貴方次第です。では……」そう言って、石野さんは退出した。『生きて』か……確かにこの言葉は彼女のエゴかも知れない。でも、君は僕の願いを叶えてくれた。思いもよらぬ形でね…だから僕は………
君のエゴを叶えよう、、、
そして僕は今日も『生きて』という彼女のエゴに縛られる。