テラーノベル
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『…あの、これどこに向かってるの?』
日が暮れていきだんだんと暗くなっていく空に私は不安でたまらず向かっているところを聞くと
「あぁ…言ってなかったな。僕の家だ」
(ここに家があるんだ…確かにさっき管理者って言ってたし、もしかしたら山を買い取ってるのかな)
待って…だとしたら私不法侵入してない?
(も…申し訳なくなってきた…)
「もう日が暮れるから今夜は僕の家で過ごす。もちろん部屋も分けるから心配しなくていいぞ」
『ありがとうございます…不法侵入してたみたいで申し訳ないです。』
「…?、不法侵入…?」
なぜか、こちらを疑問の目でみつめている。
『ここって、貴方の所有地じゃないんですか?』
「もしかしてだが…この雪山を僕の所有地だと思ってたりするか?」
『え…はい』
「あー…勘違いさせてたみたいですまん。僕はここの山の地形に詳しいのと、ゴミ拾いをしてるだけで所有地ではないぞ。」
『えっ、そうなんですか?』
「嗚呼、たまに迷子になるやつがいるからボランティア感覚で見回りをしている。」
「元々善意で人里まで案内していたんだが、そうすると調子を乗ってここの山に遊びに来て迷子になるやつがいるからな。」
案内有料の理由がそれだ、と言いながら歩きずらい雪をかき分けて進んでいく。
(初回無料っていうのもそれが理由だったりして…)
「話してるうちに着いたぞ。料理作っとくから先に風呂に入ってきてくれ」
家に入れば温かい色をした暖炉に温暖色のカーペット、ハシゴがある場所の上を見てみればロフトのようなものがあり、そこに扉が三つほどある。
(そういえば…)
『あの…服って』
「あー…男性用は合わない…よな。すまんが下着はそのまま使ってくれ、服はこっちで作っておく」
(ん…作る、?……器用な人なのかな)
『わかりました。』
「じゃ、軽くサイズ測らせてもらうぞ」
サイズを測った後、入浴を促され先に入ることに。
(…なんか流れに流れてこんな状況だけど)
よくよく考えたら意味わかんないよね…もしかしたら夢だったりして
そう思い、片方の頬を叩いてみるもただ痛みがくるだけ。
(これからどうすればいいんだろう。そもそも私のところに猫耳とか尻尾の生えた男性なんて居なかったし…人里に案内されたとしても知らない場所なら帰り方も知らないし…)
次々に浮かぶネガティブな思考にだんだんと私はうんざりしていた。
(今日はシャワーだけでいいや…考えてるだけで頭痛くなってきたし…)
冷えた体が温まり、お風呂から出るとそこには新しくてシンプルな服。
(長袖長ズボンで暖かい…)
「お、出てきたか。着心地はどうだ?」
『違和感がなくて暖かいです…すごいですね。どうやって作ったんですか?』
「元々裁縫が得意でな。ちょうど最近買った布があったから試しに作っただけだ。」
(えぇ…なにそれ私よりも女子力高い)
「飯できてるから、髪乾かして食べるぞ」
『ありがとうございます。』
「…髪乾かしてもいいか?」
『…え、』
「あ、すまん…元々幼馴染がいて、そいつの世話してたから多分…癖だ。嫌なら断ってもいい」
『いえ…構いませんよ』
見ず知らずの男性に髪を乾かせるという行為は聞いてるだけでも少し警戒するものだろう。
だがこの男、髪を乾かすのが超絶上手い。先ほどの言葉は事実と思えるくらいだ
そこからはドライヤーの音以外何も聞こえず、共に無言だったが気まずくはなかった。なんならこの空間が気持ち良すぎて寝かけている。
「終わったぞー、ヘアオイルとか使う派か?…あ、ドライヤー前に聞けばよかったな…これ」
(ヘアオイ…なにそれ?)
多分髪を守ってくれるものなんだろうけど、残念なことに使ったことがない。
『いえ、使わない派なので大丈夫ですよ。あ、ブラシってありますか?』
「嗚呼、あるぞ」
どこからともなく出してきたブラシを受け取り感謝を伝える。
(それにしても…)
『美容液がこんなにもたくさん…』
「これか?この辺迷う人が多くてな。」
「今みたいに夜が近ければやむを得ずこうやって家に上げている、まぁ来客用とでも思ってくれ」
(おもてなし精神たっっっか…)
家なんだよね?ちゃんっと家なんだよね?
(お店にいる気分になっちゃうなぁ…)
「ブラシが終わったらダイニングに来てくれ、今日の飯はシチューとパンだ。」
『ありがとうございます。すぐ向かいますね』
「了解、先行っとくぞ」
『はい』
(なにあのハイスペ男子)
イケメン、女子力、気遣い…加えてあの破壊力のある猫耳と尻尾。
久しぶりに肝を冷やしたよ…大丈夫?ファンたちに刺されない?
『今日は震えて眠りそうですね。』
寒さ的にも精神的にも
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