テラーノベル
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慶応3年(1867年)
11月19日
夜…
新選組屯所にて
原田と永倉が土方の部屋の前にいた…
原田左之助「土方さん、ちょっと…いいですか?」
襖越しに原田のその言葉に耳を傾ける土方
土方歳三「何だ?」
その言葉に原田達は部屋へ入り土方へ向かい座る
原田左之助「……坂本龍馬が襲われてます」
土方歳三「は?」
一瞬だけ驚き、原田の目を見つめたがその目を逸らすように下を向いた
土方歳三「そうか…俺には関係ない、俺に言うな。お前らが助ければいいだろ?」
原田左之助「俺は新選組です、そんな事はしません」
土方歳三「…は?」
原田左之助「俺はただ、坂本龍馬が襲われたと報告をしたまで…」
土方歳三「じゃあ…俺が助けに行く必要もないだろう、俺も新選組だ」
少し言葉を詰まらせ
土方歳三「個人の事情を新選組に持ち込むな、それが俺らの掟だからな」
原田左之助「それは俺ら隊士を使うことでしょ?あなた一人で行けば、新選組の掟とは異なります」
土方歳三「っ!」
何も言葉に出来ずに舌打ちだけをして立ち上がる
土方歳三「坂本龍馬はどこにいる?」
原田左之助「寺田屋です」
言い終わる前に原田の横を通り過ぎた
その背を見届けながら原田は横にいた永倉と目を合わせニヤッと笑った…
原田左之助「やっぱりな…wどうだ?平助、俺らの勝ちだ」
隠れていた藤堂へ話しかける
藤堂平助「はぁ?!いや…そういう意味で好きじゃねぇかもだろ?」
永倉新八「お前も往生技が悪いな!w」
藤堂平助「るっせぇ!」
一方土方歳三は…
土方歳三(間に合え…!)
土方は寺田屋へ走り、寺田屋の前まで来ると息が上がっていた
土方歳三「はぁ…はぁ…」
唾を飲み、止まる暇もなく階段へと駆け上る…
バン!というすごい音と共に襖が開いた…
土方歳三「はぁ…はぁ…龍…馬…はぁ…はぁ」
坂本龍馬「なんぜよ!いきなり!…っ!土方、は…ん…?」
龍馬は驚きと共に土方の名を呼ぶ声は震えていた
土方歳三「は…?龍馬!襲われてるって…」
坂本龍馬「そんな事なかぜよ」
土方歳三「はぁ?あいつ…嘘ついたな!」
坂本龍馬「土方はん…?」
土方歳三「あ…いや…何でもねぇよ!くっ!」
なぜか土方の瞳には涙が浮かんでいた、安堵なのか…何なのか…その涙を必死に拭う
土方歳三「何でもねぇよ!見るな…」
龍馬は静かに土方に近づき、優しく強く抱きしめた
坂本龍馬「何があったか知らんけんど…もう…大丈夫じゃき」
土方歳三「うるっせぇ!てめぇのせいだ!」
坂本龍馬「どいて、わしじゃ!」
土方歳三「お前のせいだ!お前の…せいなんだよ…」
坂本龍馬「ほうかほうか、ええぜよ、わしのせいじゃ、おまんがそう言うならそれでええがぜよ、もう大丈夫きに」
そう言って土方の頭を優しく撫でた
土方歳三「うるっせぇ…」
坂本龍馬「………あ…!」
何かに気付いたように口を開く
坂本龍馬「どいてわしが襲われてるって…言うとんじゃ?もしかして…それでわしの所に来てくれたんか?!」
土方歳三「…っ!……ちげぇよ!」
坂本龍馬「何じゃ…図星かえ?」
土方歳三「うるっせぇ…黙れ」
龍馬の顔は明るくなり、犬の様な元気さがあった…
坂本龍馬「図星か!図星ぜよ!わしの為に来てくれたんがか?!嬉しいのう…!」
土方歳三「うるせぇって!ちげぇよ!黙れ…」
坂本龍馬「………どっちなんじゃ?え…?分からんくなって来たぜよ」
土方歳三「………」
坂本龍馬「…?…どいた?」
土方歳三「何でもねぇよ…お前が勝手にそう思うならそれでいいんじゃねぇの?俺は帰る!」
土方の腕を掴み引き止めた
坂本龍馬「っ!…ちょ…ちょいまち!何じゃ…合っとるんか?合っとるんか?!おまん!あ…」
ここで口を閉じた…
コメント
1件
いやあ、これ…めちゃくちゃ良かったです。土方が「俺には関係ない」って言いながら、結局龍馬のところに走っていく切なさ。龍馬に抱きしめられて「お前のせいだ」って言い返すけど、震える声に全部の感情が詰まってる。原田たちのニヤリがまた憎いですね。あの嘘、土方の本心を確かめるための計略だったんだなって胸熱でした。