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「…涼太」
「ん…?」
「…結婚しよ」
「…」
「結婚して…遠くに行こう」
「誰からも干渉されない…ただただ静かな場所で…俺は涼太と暮らしたい」
俺の本音。はたから見たら俺の我儘。でももう俺の心はズタズタだった。
やっと気づいて、やっと傍にいられて…なのに、もう手放したくなくて…
「…阿部は?目黒は?オレの病院はどうにでもなるけど、大切な友達は一回失ったらそう簡単にもとに戻らないんだよ…?」
「…っ…わかって、る…」
「…翔太の気持ち、尊重してあげたい。でもこればかりは…すぐに「うん」って言ってあげられない」
「ギュッ………、ぅん…」
「…」
「んっ……ゲホッ……ケホッ…はぁ…」
何で…今なの?ついてないな…笑
「しょうた……すき、…だ……、よっ……」
「翔太くん、おはようございます」
「おはよー!翔太!」
「…はよ、ニコッ」
『阿部は?目黒は?___大切な友達は一度失ったらそう簡単に戻らないんだよ__。』
分かってるよ。…解ってる。
阿部も、目黒も大切な友達。仲間。
でも俺は…俺の一番は“涼太”なんだよ。
俺の大切な…“恋人”で、大切な“幼なじみ”…
「ポロポロッ…」
「え……翔太くん‥?」
「しょう…た??」
“恋心”に気づくのが遅くってごめんね?
何年も…何十年も待たせたよね
俺が素直になれないから…
貴方を見れなかったから…
俺はどうしたら貴方の笑顔を守れるの?
病気を代わってはあげられない
狙われてる貴方に代わってあげられない
じゃあ俺は…貴方のために何が出来るの?
「俺は……涼太を、守ってあげられなかったね…」
風に吹かれ
淡い黄が俺の目の前を通り過ぎる
金木犀は何年経っても俺の大切な花
「謙虚」で大切だった貴方と、
「初恋」にやっと気づいた俺。
「今年も…金木犀が綺麗だよ…涼太。」
守れなかった。
俺は、
何を生きがいに頑張れっての?
ごめんね…
ずっとまたせてごめんね、
早くそっちにいきたいよ。
この指輪をはめて‥
一緒に金木犀を見よう
君の寿命を削った…“病の金木犀”を…
終
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