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「…ねぇ、もしかして流星も、銀河のことを気にかけてるの?」


言葉の端々に、彼なりの思いやりが伝わるような気がしたのだけれど、


「……ふん、そんなワケねぇだろ」


と、流星は私の言ったことを軽く一蹴した。


「……あいつは、臆病者なんだよ。昔の女に囚われていて一歩も踏み出せない、ただの臆病な男なんだって」


「違う……そんなんじゃない」


毒づく流星に、思わず反論をする。


「そんなんじゃないもの。銀河は、やさしくて、いいひとで……臆病者なんかじゃないから……」


「やさしくて、いいひとね……何それ? あいつへの愛の告白とか?」


軽く笑みを浮かべたにやけ顔から目を逸らして、唇をぐっと噛んで黙り込む私に、


「……そうだ、いいこと思いついた…」


と、流星がふいに口にした。


なんとなく嫌な予感がして、「いいことって、何よ?」と、聞き返すと、


「ふふん、まぁ、見てろって…」


流星はどこか面白そうにも口にして、グラスの中身をひと息に飲み干した──。

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