テラーノベル
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母さんとの最後の面会だと知ってから今までずっと心臓の音が鳴りやまなかった
落ち着かせようとすればするほど心臓の音は大きくなっていくばかりだ
そんな状態なのにただでさえ、病院は遠いのに、渋滞で車は進まず、最悪な状態だった
もうその時は…時間を止めざる得なかった
ごめんなさいぼん先生…
俺は車から降り、何度も見慣れた人も鳥も機械も全てが止まっている世界を走り続けた
息が切れていようが、足が疲れていようが走るという行為だけはやめなかった
「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…か…母さん」
ドアを勢いよく開けると、そこにはベッドにいる母さんが目の前に居た
俺は時を動かした
すると、
「あら、おんりー居たのね」
俺を見るなり、嬉しそうな顔をする母さんが昔から好きで仕方なかった
「不思議ねおんりー、あなたは昔から気づいたら私のすぐ隣に居る、今だってそう…学校だったんでしょう?」
「うん…急いで来た」
「ふふっ、ありがとう」
「母さん…大好き」
「私もよ、自分の息子のことが大好きじゃないわけないじゃない」
「っ、…、…っ、…」
母さんのベッドに落ちていく水滴が水玉模様のようになっていった…それは誰のせいなのだろうか
「後ね、おんりーが勘違いしないように言っておくわね」
「?、…っ…」
「お父さんはね、とっても優しい人なのだからね、決しておんりー…あなたを責めたりなんかしてないわよ」
「ぅッ、…ありッ…がとッ…母さんッ」
そう言いながらそっと俺の頭を撫でてくれた。
父さんが亡くなってから俺を縛り付けていたものが、簡単に母さんは壊してくれた
表情を見なくても、母さんは笑顔だってことはわかっていた。
そして、俺を撫でていた母さんの手がベッドに落ちた
❤️1000
コメント
2件
おんりーのお母さん…( > <。) あっちに…行っちゃいましたよね…
おんりーの母ちゃん、、、 続き楽しみです♪