テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
58,401
800
🦍(独身)↔🍆
御本人様とは関係しません。
あくまでもフィクションです。
ご了承下さい。
「ゴホッゴホッ…」
乾いた咳が、胸を締め付ける。
あぁ…ヤバい。本格的に風邪こじらしたみたいだ。
起きからずっと喉がヒリヒリと焼ける様な感じがして痛いし、 咳がとまらない…。
でも、これから収録だし…休む訳にはいかない…困ったな。
「とりあえず薬飲んで、様子見るか…」
俺は寝ていたベットから身体を起こし、リビングへ薬を取りに行こうと思ったが…、もしドズルさんがリビングに居たら伝染してはいけないと思い、用心の為マスクしてリビングへ向かった。
「ゴホッ…風邪薬はどこだっけ?あ、これだ…ゴホッゴホッ…」
薬箱の中から市販の風邪薬を見つけ出し、箱の中から錠剤が入っているシートを出す。
アルミのシートを弾くパチリという乾いた音が、静かな部屋に響いた。
藁にも縋る思いで、掌に乗せた白い錠剤を飲み干し、 即効性を期待して数分後の『マシになる自分』を願いながら寝室に戻ろうとした時…
「ぼんさん?」
と部屋から出てきたドズルさんに声掛けられる。
「…ゴホッ…ゔん?」
「…大丈夫ですか?」
「…ゔん…今風邪薬飲んだ」
「熱は?」
「測ってない…」
「もー、今測りましょう。体温計持ってきますから…」
「…いいって。大丈夫だから…ゴホッ」
「ダメです。僕が心配ですから…」
「…えーー…測らなきゃダメ?」
「ダメ!ほらそこに座って」
「…はぃ…ゴホッゴホッ」
俺は言われるままソファに座り、ドズルさんが持ってきた体温計で測る…
『ピピッ♪』
体温計を見たら、37.6°C
『…ちょっと熱出てきた…か?』
心配かけまいと体温計の電源を消そうとしたら、すかさずドズルさんが体温計を取り上げる。
「あっ…」
「ほら、ぼんさん…十分熱あるじゃないですか」
「…いや…ゴホッゴホッ…大丈夫だから…」
「ダメ!すぐ寝て下さい」
「でも…配信が…」
「休んで下さい!」
「……ぃゃ」
「はい?」
「イヤ!皆んなに迷惑かけたくない…ゴホッ」
「はぁ?!こんな体調で仕事する方が迷惑でしょうが!」
「…ゔゔっ…ゴホッゴホッ…はぁ…」
「ほらぁ…寝る寝る!ちなみに…熱と咳だけですか?」
「…ちょっと喉も痛い…」
「もう!診せて下さい。はい、マスクとって口を大きく開けて下さい」
ドズルさんが俺の口腔内を診る。
扁桃腺を診て…耳の下にあるリンパ節を触診する。さすが元医大生…病院実習もしていたらしいから慣れたもんだ。
なんだか患者になった気分…ってか今、俺患者か…。
なんだか…俺だけのドクターって感じがして…ちょっと嬉しいかも。
それに…俺を診るドズルさんがカッコ良すぎて…余計熱が上がりそう…
「んー…やっぱり腫れてますね…ハイ、マスクしてイイですよ。呼吸は辛くないですか?」
「……///」
「ぼんさん?」
見惚れていた俺を心配そうに覗き込むドズルさん。我に返り、急いでマスクをして答える。
「あ、あぁ…少し違和感がありますドズル先生///」
「フフッ…。ぼんさん、この調子だと…これからもっと熱が出ると予想されます。ドクタードズゥからの忠告です。今日1日安静にして下さい」
「……はぃ///」
「素直な患者で嬉しいです」
と言って笑顔を向ける。貴方の笑顔に心が鷲掴みされる…
「……///」
「ぼんさん、ベットへ行って休んで下さい。入院ですw」
「…ゴホッ…はぃ先生///」
「さぁ行きましょう。立てますか?」
「大丈夫。あ!飲み物…」
「僕が後から持っていきますね」
「ゴメン…じゃあ寝とく…」
俺は自分の部屋へ帰り、マスクを外してベットに身体を沈める。
ドズルさんカッコ良かったな…
もしYouTuberになっていなかったら…立派な医者になってたんだろうなぁ。
医者になってたら…俺達どうなってたんだろう。まぁ…出会ってないよな…
色々考えていたら、ドズルさんが俺の部屋に入ってきて、氷枕を頭の下に敷き、熱冷シートを額に貼って、スポドリをベットサイドに置いてくれた。
「これで暫く様子をみましょう。キツくなったら、すぐ教えて下さいね」
優しく伝えるドクタードズゥ。
俺はコクリと頷く。
「皆んなには僕から伝えておきますので、ゆっくり休んで下さい」
と布団の上から俺の胸をトントンと軽く叩きながら心配そうに見つめる。
「…迷惑かけて…ゴメン」
「大丈夫ですよ。お休みなさいぼんさん」
「うん……ありがと…ドズさ…ん…」
ドズルさんの心地よい規則的なリズムに誘われ、ウトウトしながら眠りにつく…
あれからどれぐらい経っただろう…
辺りは暗くなり…夜の帳に閉じ込められた狭い空間の中で、俺の咳だけが空虚に空回りを続けている。
「ゴホッ…ゴホッ…」
窓の外から聞こえる雑踏が煩わしい。
肌に張り付くシーツの冷たさが、逆に背中を伝う熱を際立たせる。指一本動かす気力はなく、ただ 身体だけが泥のように重かった。背骨に沿って熱が駆け上がり、呼吸をするたび、喉の奥から乾いた煙のような熱気が漏れる…。
「ゴホッ…熱い…苦しい…」
ドズルさんの言うとおりになり、前より熱が上がり…呼吸するのも苦しくなって…意識が混濁する。
「はぁ…はぁ…ド…ズさ……ん…」
携帯でドズルさんに連絡しようと思ったが…ダメだ… 身体が拒否して動けない。…キツいよぉ ……ドズルさん…
『トントン…ガチャ』
部屋の外からノックする音が聞こえ…ドアが開いた。
「ぼんさん、入りますよ。具合はどうですか?」
俺の意思が届いたのか…部屋の照明をつけて、ドズルさんが俺の様子を伺いながら近づく。
「ドズさん…はぁ…はぁ…」
「…かなりキツそうですね。熱は?」
ベットの横に跪き、熱冷シートを取って、額に手をかざす…
「熱い…やっぱり上がってきましたね」
俺は額に置かれた手の冷たさに心地よさを感じる。
「…うん…はぁ…はぁ…」
額に置かれていた手が耳の下のリンパ節へ移り、何かを確かめる様に触るドズルさん。
「…ドズルさんの手…冷たくて…気持ちいぃ…」
「フフッ…じゃあぼんさん、あーんってお口を開けて下さい」
言われるまま口を開ける。
するとペンライトで口内を照らし口腔内を診察する。
「あ…前より腫れてますね…」
「…だよね…はぁはぁ…」
「んー…ぼんさん検査しましょうか?」
へ?検査?何の?
「ウイルス検査です。この麺棒を鼻に入れますから、力入れないで下さい」
長い麺棒を検査容器から取り出し、俺の鼻に突っ込み、グリグリと鼻の中を掻き回す。
…痛い(泣)…でも我慢だ…
そして麺棒が鼻から出ていき、検査容器に入れて結果を待つ…。
「はい、次は胸を診ますね」
と着ていたTシャツを捲り、聴診器で俺の胸を聞こうとした。
『ねぇ…その聴診器どうしたの?』
俺の疑問に気づいたのか…
「あ、これ?医学生時代のを引っ張り出してきました。ちゃんとぼんさんを診察する為にね!」
ドクタードズゥ…なんか楽しんでない?…ちゃんと診てくれるなら…いいけど…
聴診器を手の平で温めた後、開けた胸に聴診器を当てて診察するドズルさん。数箇所当てて肺の呼吸音等を確認する…
「はい。いいですよ」
開けたTシャツを元に戻そうとしたら…
「ぼんさん待って。そのまま服脱ぎましょう。汗びっしょりで気持ち悪いでしょ?起き上がれます?」
と聴診器を首に掛け、ベットに座りながら尋ねる。
俺は首を縦に振るが…いざ起き上がろうとすると、なかなか力が入らず…身体を起こし始める事にすら時間が係ってしまう。
そんな俺の様子に気づいたドズルさんが気怠く重い身体を気遣う様に、背中に手を当てて少しづつ起こしてくれた。
「はぁ…はぁ…ドズ…さん…キツイ…」
起き上がったものの…フラフラする身体をしっかり支えてくれる。
「今1番キツイですよね…もう少しで楽になりますから…ぼんさん頑張って」
と慣れた手つきで服を脱がせ、温めておきたタオルで身体を拭いてくれる。
はぁ…気持ちいぃ…
俺はドズルさんにもたれ掛かり、『はぁん…』と息を漏らすと、ドズルさんの身体がビクッと反応した。
多分…『襲いたい』という欲情を必死に抑えたんだろう。身体を拭いてくれて… 着替えまでしてくれた。
「はぁはぁ…ドズ…さん…あり…がと…」
「イエイエ…あ!もう検査結果が出たかな?」
と俺を優しくベットへ戻し、検査容器を確認する。
「お!インフルでもコロナでもありませんでした。ぼんさん、良かったですね。…だとしたら、この薬でいいか…」
とポケットから何やらゴソゴソと薬が出てきた。
「まず解熱の頓服、咳止めと扁桃腺の腫れを抑える抗生物質、あと胃腸薬…」
俺は黙ってドズルさんを見る。
『それ…病院から出るやつじゃない?』
身体のキツさが増す中でも疑問が湧く…
「…はぁ…ねぇ…ドズ…さん…その薬…」
「あ、これ?…都内で医者やってる友人に、ぼんさんの容体を相談して貰ってきました。検査薬も一緒に!」
あぁ…そういうことね。…それにしても熱い…
「ぼんさんの容体から診断すると…ウイルスからの感染は低いので、概ね疲れからくる風邪かと推測できます」
「…はぁはぁ…はぃ…ゴホッ…」
「今は、まず解熱剤を飲みましょう。ぼんさん、飲めますか?」
「…はぁはぁ…飲む…」
ドズルさんが解熱剤のアルミのシートを弾き、中から錠剤を取り出す。
「ぼんさん。はい、あーんして」
言われたとおりに口を開き、錠剤を口の中に入れ、水で流し込む…
「よし…次はこの3種類の薬です。本当は胃の中に何か入れていた方がいいのですが…食べれますか? 」
とドズルさんが尋ねるが、 さすがに食欲が無く顔を横に振ると…
「じゃあ、ゼリー飲料にしましょう。買ってきたので、これを胃に入れてから薬を飲みましょうか」
と目の前にゼリー飲料を見せた。
コクリと頷き、ゼリー飲料を飲んだあと残りの薬も飲んだ…
「これで少しは良くなると思いますよ。…あとはよく寝ることです」
と俺の頭を撫でながら優しく伝える。
「はぁはぁ…うん…ありがと…はぁはぁ…ゴメンね、ドズさ…ん」
「謝らないで下さい…ぼんさんがこんなになるまで管理ができなかった僕が悪いんですから…」
悲しそうな顔をして呟くドズルさん。
俺は『違うよ…』と涙目で顔を横に振って答える。
「暫くぼんさん側に居ますから…安心して下さいね。ほら…寝ましょう」
と優しく微笑みながら、頭に置いていた手を胸に置いて、優しくトントンと規則的にリズムを刻む…
『ヤバぃ……視界が…あ、これ、また落ちる…ドズさ…ん』
そのリズムが心地よくて…意識が遠のいていく俺…
ふと目を覚ますと、部屋は深い闇に覆われ、冷たい静けさが肌を刺した。
寝ぼけながら携帯を見ると、午前2時を過ぎており…真夜中の時間を示していた。
熱は下がり…喉の痛みも無くなった。
咳もだいぶ出なくなった。
『…ドクタードズゥのおかげだな…』
ふと隣を見ると…ドズルさんがベットを枕代わりにして突っ伏して寝ている姿があった。
『ドズルさん…心配でずっと側に居てくれたんだな…』
俺は寝ているドズルさんが風邪をひかないか…心配になる。
そっとベットから起きて、クローゼットの中から毛布を出して彼の背中に掛ける…
『ホントは、ちゃんとベットで寝てほしいんだけどな…』
静まり返った部屋で、彼の規則正しい寝息だけが聞こえる。そっと顔を近づけると、普段とは違い幼い表情がそこにあった。
『カワイイ寝顔…さっきまでは頼りあるお医者さんの顔してたのに…』
俺はその柔らかな頬に触れたい衝動にかられ、輪郭をそっとなぞりながらそっと小声で呟く。
「…ドズさん…ありがと…」
「…ぅんん…ムニャ…」
ドズさんの寝顔をずっと見ていたいが…大量の汗で身体中がベトベトして気持ち悪いと感じ、熱も下がった事だし…シャワーでも浴びようと浴室へ行く。
汗まみれの服を脱ぎ、浴室に入る。 浴びるシャワーは温かい雨のように一瞬で全身が濡らし、汗の匂いが石鹸の香りに塗り替えられていく…
「あー…気持ちいぃ…」
心地よいシャワーに暫く浸ってると、いきなり浴室のドアが開く…
「…ぼんさん」
完全に起きたドズさんがそこに立っていた。
ベットを見ると俺の姿が無い事に気づき、急いで探しに来たらしい…
「あ…ドズさん。汗が気持ち悪くて…もう熱も下がったから…いいかな…って思って…」
「はぁ…もう心配しましたよ」
「…ゴメン」
「汗は流せましたか?」
「…うん…」
「もう出ますか?」
「…うん、もう少しして出るよ」
「分かりました。じゃあ今の内に…僕はベットのシーツを変えておきますね」
「え?いいよ。俺がするって…」
「いいですよ。ちゃちゃっと済ませますから…」
と言い残すと、浴室のドアを閉め、俺の部屋に戻って行った。
その後、少し経って 浴室から出て、身体を拭き、着替えて部屋へ戻る。
ドアを開けて中に入ると、新しいシーツに変わってた。
ゲーミングチェアに座って待っていたドズルさんが立ち上がって俺に近づく。
「身体はキツくありませんか?」
と心配そうに尋ね、俺の頬を優しく撫でなから顔色を診る。
「…うん…大丈夫…」
「良かった…一声かけてくれれば良かったのに…」
「…いや…起こすの悪いと思って…」
「心配したんですよ。起きたら貴方がが居ないから…」
「…ゴメン…ドズさん…」
俺は謝りながら俺の頬を撫でているドズルさんの手を添えて握った…
「顔色もだいぶ良くなりましたね。でもまだ完全に治った訳ではないので…しっかり休んで下さいね」
「…はい」
ドズルさんに手を繋いでもらいながら導かれ…再びベットに横になる。そして優しく掛け布団を掛けてくれる。
「ぼんさん…お休みなさい」
と言いながら俺の頭を撫でて立ち上がろうとした。でも貴方の温もりが離れていく事に不安を感じて… 俺はドズルさんの手を掴んだ。
「ん?」
「…あの…ドズさんにお願いがあるんだけど…」
「…どうしました?」
心配そうに見つめながら尋ねるドズルさん。
体調は良くなってきたのは嬉しいけど…なんだか病気のせいかな…、1人で寝るのは心細いと気弱になった。
『ドズルさん一緒に寝てくれないかな…、 でも風邪うつすといけないし…』
結局迷った末…ドズルさんにこれ以上甘えてはいけないと思って…
「…やっぱりいいです…ゴメン。気にしないで。ドズさん、お休みなさい…」
と掴んだ手を離し…顔を隠すように布団を頭まで被ってドズルさんに背を向ける俺…。
「……」
ドズルさんは何も言わず、照明のリモコンで常夜灯にし、部屋は薄暗くなった。
ベッドから離れ壁際に近づく音…そしてドアが閉まる音が部屋中に響く…
薄暗い闇という影が壁から剥がれ出し、俺に近づくような錯覚を覚え…孤独感が襲う。
『昔は病気になっても、1人で平気だったのに…今は弱くなったな…。やっぱ年かなぁ…こんな俺…迷惑だよなぁ…』
考えていく内に…涙が1筋溢れた。
「ぐすっ…」
ティッシュを取ろうとして布団から顔を出した時…布団の端が持ち上がり、その隙間からドズルさんがスッと滑り込んで、俺の背中にピタリと寄り添った。
「…?!」
「ぼんさん…一緒に寝ましょう」
「…え?自分の部屋に帰ったんじゃ…」
「貴方の考えていることは分かります。寂しいのに…甘えたいのに…遠慮して自分の気持ちに蓋したでしょ? 」
背中越しに伝わる優しい熱に…更に涙が溢れ出す…
「ぼんさん…こっち向いて…」
俺は寂しさに耐えきれずドズルさんの方へ向きを変える。
そして俺の涙をそっと拭き取ってくれる…
「今の貴方に必要な薬は温もりです」
そう言って俺の額にキスを落とす。
何でも分かってくれるドクタードズゥ…
「…ドズ…さん…」
「一緒に寝ましょう。きっと良くなりますよ」
「…うん…ありがと…」
「いいえ…これはドクタードズゥではなく…恋人としての治療ですよ…」
「…うん…大好き…ドズさん…」
「僕も愛してますよ…お休みなさい、ぼんさん…」
俺はドズルさんに腕枕をしてもらいつつ、抱き合いながら彼の腕の中で眠りにつく…
温かさに包まれながら……
コメント
6件
良い〜〜〜〜!😊✨心が温かくなりました^ ^ほわほわです(*´∀`*)✨