エッチ後
用意された布団で寝転び、向かい合って
今日の出来事を話す____
ここ、良かったね
楽しかったねと
2人、笑う____
本当に荼毘さんといると楽しい
荼毘さんはいつも私を馬鹿にしてばかりで素直じゃないけれど、本当は目をきらきらさせながら周りの景色を見ていた事、
私は知ってる。
____弔くんともし来たなら?
楽しめただろうか?
話してる最中
ふと、弔くんの事が頭によぎり
顔が曇る
「どうした?」
荼毘さんが私の頬に触れながら言う
私は____
荼毘さんの優しさに甘えてるだけだ。
何でも話せて
辛い時、一緒にいてくれて____
でもそれは____
〝凛〜!〟
〝凛、好きだよ〟
〝凛、おいで〟
〝凛、愛してるよ〟
私の頭を撫で微笑みながら
言ってくれる
弔くんの事を思い出す____
私は、なんて____
ポロポロ
大粒の涙があふれる
「……何泣いてんだ」
荼毘さんはきっと察してる
私が弔くんと重ねてしまっていること。
優しく、
涙を掬う
「……泣くなよ」
そう言って私をギューっと抱きしめ
背中を摩ってくれる
ああ、
こんな優しい人を
私はなんて残酷な言葉で突き放せばいい?
こんなにもこんなにも
荼毘さんは優しく私を愛でてくれるのに。
自分の気持ちに嘘をつけないんだろう
酷い事をされても
言われても
荼毘さんがそれ以上に優しく愛でてくれても
それ以上に
弔くんが私の名前を呼ぶ声を思い出す
微笑むのを思い出す
どうして私は弔くんの事が、好きなままなんだろう____
『荼毘さんッ…』
「ん?」
『私、ほんと馬鹿だね……』
今更こんな気持ちになるなんて。
荼毘さんは私の頭を撫で、
「……知ってる」
と。
『今更……気づくなんて』
荼毘さんは優しく、
優しく頭を撫で
「わーってる……」
そう言って切なそうに微笑んだ。
コメント
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良きかな……