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あの夜から、みいとちゃんと目を合わせられなくなった。
話しかけられても、昔みたいに軽く返せない。
別に嫌いになったわけじゃない。むしろ逆だ。
でも、言葉を選んでるうちに、声を出すタイミングを何度も逃した。
廊下ですれ違っても、気づかないふりをしたこともある。
俺だって本当は笑いかけたかった。
けど、「好きだ」って言えなかった自分が、みいの隣に立つ資格なんてない気がした。
その間に、悠真が当たり前みたいにみいの隣に立っていた。
笑ってる。あの日、花火の下で見たのと同じ笑顔で。
胸の奥が重くなるたび、俺は余計に距離を取った。
気づけば、みいは悠真と付き合っていた。
噂を聞いたとき、驚いたふりはできたけど、心臓が痛かった。
俺はその時も、ただ笑って「へぇ」って言っただけだ。