コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
私には、この病気のことはよくわからないけど、それでも一つわかることがある。
それはね、これはとても悲しい物語だということだよ。
「ねぇ、お兄ちゃん?」
「ん~……あぁ……」
「起きてる?」
「うーん……起きてるよ」
「じゃあさ、これ読んでみて!」
「えぇっと……タイトルは……『翼の折れた少女』だね。うん、いいタイトルだと思うよ」
「やった! お兄ちゃんありがとう!!」
そうして命を落としていく中、ある者は奇跡的に助かり、別の者は全てを失う。
死を待つだけの運命だったはずの少女が、生への執着を捨てなかったせいで、 希望に満ちた未来へと進むはずだった少年が、絶望の底へ突き落とされる。
そして、最後に残ったのは……誰の心にも宿っている、純粋な欲望だけだった。
「この世界を終わらせたい」
「死にたくない」
「生きていたい」
「もっと幸せになりたい」
「愛していたい」
「恋をしていたい」
「家族を守りたい」
「仲間を助けたい」
「夢を見たい」
「大切な人たちのために何かを残したい」
「生きていきたい」
「守りたいものがある」
「生きた証を残したい」
「まだやりたいことがある」
「みんなを助けてあげたい」
「諦められない想いがある」
そんな言葉を残して死んだ少女がいた。
夢見る少女のように、恋をしていた少女だった。
だが、その願いは叶わなかった。
少女が残したのは……、絶望だけだった。
自分のことを、自分で好きになれるようになれば、きっと幸せになれると思うんです。
他人ではなく、自分が自分を認めれば、自信がつくはずなので。