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……ふと時計を見るともう午前2時。
残業がやっと終わり少しでも寝る為に家に戻る…
使い古したパソコンをゆっくり閉めて
電気を消して。
長い長い階段を降りて。
やっと外だ…。
いつもの暗いあぜみち。
アスファルトには自動販売機の光が強く染み込んでいる。
その光を払拭するように私の影が重なる。
────────────
実家暮らしの私は静かに部屋に戻ると
部屋の汚さに気づく。
脱ぎ捨てられた服、ボロボロのコスメ。
そして昔の勉強机。
壁には沢山の落書きと昔の推しのポスター。
頑張って貯めたお小遣いで買ったんだっけな…
そんな事を思い出しながらふと勉強机に目をやると
机の引き出しに何やら沢山の紙が詰まっていた。
テストとかかな…
そう思いワクワクしてその引き出しを開けてみた。
すると古いホコリの匂いと一緒に自分が昔に描いていたキャラクターや、小説の絵があったりした
…懐かしい。
昔も私はこんなことを友達と作っていたりしたな…と思い出に浸る。
ハッとしてスマホを見るともう時刻は午前3時を回っていた。
慌てて寝巻きに着替えてベッドに入る。
朝6時に起きれるようにアラームをセットしとこう…そう思いスマホを触る…
パスワードを入力…
やはり光が強すぎるのか目がチカチカする……
そう思っていると少しずつ液晶にヒビのような、
バグのようなものが表示されている事に気づいた。
まさかウィルスじゃないよね……?
寝る前なのに…と思いながら右上のバツボタンを押した。
何度押しても消えない。
それどころかバグは増えていくばかり。
それと共に機械音のようなキンキンした音が頭を割りそうなほどの爆音で鳴り響く。
もう30回は押しただろう。
それでも消えない表示に私は恐怖を感じた。
ついに画面にまでヒビが割れ始め、
その隙間から
ズ…ズズ…と音を立てながら
…黒い液体が指先に付着し始めた。
手首まで蝕まれたところで1回止まった…
助かった…??
そう思った一瞬でその液体は肩まで這い上がってきた。
恐怖を感じた私はそのままその液体を振り払おうとしたがそれも無駄でなんなら左手にまでその液体が付着し始める程だった。
いや…怖い…!!
そう呟くとスマホから謎の誰かの声が途切れながら聞こえた
葉夢……
そうやって聞こえた。
なんで私の名前を知ってるの…?
その後にスマホには謎のファイルが提示された
怖くてそれを押せずにいると
画面の上に通知が届いた。
「葉花:助けて。」
恐る恐るファイルを開くと
ノイズ音と共に何処かの世界がバグに蝕まれているような映像が映し出された。
その映像は途中で逆さになったり。
勝手にキーボードが表示されたり。
ヒビから出た黒い液体はもう気づけば顔以外の全てを覆っていた
このまま死ぬのかな…?
むしろ夢かな…?
そう思っていると、さっき途切れ途切れできこえた声の人が
「ごめん…こうするしかないの!」
そう聞こえてから私の意識は途絶えた。
⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯
「……長いこと眠っていたな…。」
風の音……。
風が私の髪を強く揺らす。
草の揺れる音も聞こえる……。
意識が戻った私は恐る目を開けた。
視界にはとびきりの光が入り込んできた。
眩しくて、でも綺麗で。
ここはどこだろう……。
周りを見ると、10cmくらいの草がゆらゆら揺さぶられていた。
それと一緒に私の髪も靡いて顔に髪がかかった。
その髪は、黄色かった
私は夢でも見ているのだろうか。
髪を染めたはずはない……。
ふと視線を落とし、自分の服を見る。
服さえも変わっている…
ズボンにはトンカチやドライバー等が入っている。
そうやって考えていると遠くから誰かの声がした
その声は妙に心地よく、綺麗な声だった。
走ってきたのか少し息切れしたような話し方。
「やっと見つけた…!!」
その姿を見た瞬間、私は息を呑んだ。
その人は昔私が描いたキャラクターと同じ瞳をしていた。
風に靡く短い白い髪。
白色の睫毛と肌。
アニメでしか見たことないような衣装と
ローズクォーツのような眼の色。
「葉夢…!遅いよ…!」
そうやって言う彼女。
私は何もわからず固まってしまっていた。
そんな私を変に思ったのか彼女は
「……私が誰だか分かる?」
そうやって聞いた。
それでも私は全くピンと来ない。
全然分からないような表情をしていると
彼女は慌てて耳ら辺を抑えながら誰かに伝達するような素振りを見せた
「…葉夢の記憶が無いかも…」
…記憶…?
思えば私はここへどうやって来たのかも
自分が誰なのかも分からなかった。
彼女は伝達を終え、
こちらを見た
「私の名前は優葉。
葉花から葉夢を見つけるように命令されてここに来たの」
彼女の名前は優葉と言うらしい。
「私は…葉夢?」
そうやって聞くと彼女は頷いてこう言った。
優葉「この世界は葉夢がいた世界とは違うの。
ここは仮想現実。葉夢が前に居た世界で作られた世界。」
「それは…何が違うの?」
優葉「そうだね…葉夢が設定した世界線…。かな
だから現実世界と違って私の見た目はこんなアニメっぽい感じだし、
何より能力が使えたりするの」
どうやらこの世界は私が全て過去に創作した世界だったらしい。
それでも私は何も思い出せなくて
彼女に謝ると彼女は気にしないで、と微笑んでくれた
優葉「……とりあえずすぐ近くに私たちの拠点があるからそこに連れてくね」
彼女は私の手を引いて森の方へ入っていった。
その森の中では日本には無いような火の塊の街灯があったり
何やら人の気配があったり。
森の中は薄暗くて、少しドロドロしてて。
私にとってはとても居心地が悪かった。
優葉「…怖いよね、ごめんね」
そう言って優葉は手から薄桃色の光を照らしてくれた
先程よりも少し明るくなって恐怖心が薄れる。
そして15分程歩くと草木が開けてきた。
そこにあったのはボロボロの喫茶店。
おそらく長いこと放置されていたのだろう。
薄汚い緑色の屋根に黄ばんだ壁。
庭の石には苔が生えていた。
優葉「あはは…ちょっと汚いんだけど…ここしかなくってさ」
彼女はそう苦笑いしながらドアを開く。
その中からは古びたホコリの匂いと少しだけ血の匂いが漂ってきた。
それを鼻から吸った私はむせ返ってしまった。
中に案内されて座った椅子は少し木が古くて刺さりそうだった。
それでも我慢して座るしかないので仕方がない。
優葉はお茶を取ってくると言って台所の方へ行ってしまった
その後ろからは何かの物音がした。
ガタン…!
ガシャン!!!
そんな音が響く。
優葉「いてて…ごめんごめん…!」
そうやって言ってお茶を私に出してくれた。
そのお茶は味がしなくて色がついてるだけだった。
しかも全然熱くない。ぬるすぎる
「このお茶ぬるくない…?」
そう言うと優葉は少し照れながら
優葉「えへへ…私猫舌だから…」
たしかに、彼女には猫の耳のような物が生えている。
そこから連想するに彼女は獣人なのだろう。
考えていると優葉はティーカップを置いて話し始めた。
優葉「この世界について詳しく話すね。」
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