私
にとって人生とはなんだろうか。
この問いに対して、私はこう答える。
“幸せ”だと。
そう思える理由は様々だ。
まずは両親の存在が大きい。私が幼い頃に両親は離婚した。離婚後母は男を作り家を出て行った。私は母からネグレクトを受けた。父はそんな私を助けてくれたが、父もまた家庭崩壊を招いてしまった。その結果、私の家族は崩壊した。
しかし、そんな私にも支えてくれる人が出来た。それが父だった。父が私の面倒を見てくれている間、私は父の手伝いをして過ごした。それは本当に幸せな時間だった。だから、私は父との生活を守るために軍人になった。
次に私を支えているのは妹の存在だ。妹には両親が揃っていた。だが、両親は仕事で家に帰ってくることが殆どなかった。そのため、必然的に家事は全て私がすることになった。料理や洗濯など、私は家事全般が得意となった。今の仕事に就いたのも、これが理由である。
また、私の人生で一番大きな出来事と言えば、そう、あれだ。
私がこの世に生まれ落ちた瞬間である。
私はその時、母のお腹から生まれ出でた。いや、そんな生易しいものではない。文字通り母の胎を突き破ってきたのだから。母は出産後、血を流しながら死んだらしい。しかし、私にはそのような記憶はない。ただ、目が覚めた時には病院にいた。私はそこで生まれたのだと聞かされた。
あの時、私は確かに感じていた。己の魂を。そしてそれが肉体を得たことを。それはまるで天啓のように降り注いだ。
私は産まれてからしばらくの記憶がない。というのも、赤ん坊というのは一日の大半を眠って過ごすものだからだ。
だが、私は覚えている。
私はあのとき見たのだ。
真っ暗な闇の中で、ぼんやりとした光がいくつもある世界を。そこでは皆が笑顔だった。笑い合い、励ましあい、喜び合っていた。そして、そこには私もいた。私はそこの一員だった。仲間達と肩を抱き合って笑っていた。私達は一体何をしていたのか、どこに向かっていたのか、それすらもわからない。けれど、とにかく楽しかった。いつまでもここにいたいとさえ思った。きっと、私はそこに戻らなければならない。なぜならば、私はまだ何も成していないから。こんなところで立ち止まっていていいはずがないんだ。だから、お願いだ。誰か助けてくれ。私を助け出してくれ
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