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とある主人公の日記
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統一歴1025年8月2日
どうやら異世界に転生したらしい。
トックに轢かれる直前、あ、これから死ぬんだと思った直後、気づいたら数十人いる白いフードを被った集団のど真ん中にいた。
後でわかった事だが、こいつらは宗教団体「降臨神話」の、剣の女神を祭神としている大神殿の構成員らしい。
そこでチビってるところに、総大司教という偉い人が来ていろいろ説明してくれた。
曰く、俺は異世界からの降臨者で、この世界を救う「聖剣の勇者」であると。
最初はドッキリ企画なんかと疑っていたが、こいつらの話を聞くうちにそうではないらしい。現実味がありすぎるのだ。
そして大神殿を出たとき、そこには頓珍漢な景色が広がっていた。
レンガ造りの家と鉄筋コンクリートでできた団地、巨大な西洋風の宮殿と日本風の城。エンジンが6発もあるジェット機と大砲をもつ巨大な飛行船。
俺はクジラのような外観をした教団所有の飛行船に乗りながら、総大司教からこの世界のことを色々と聞いた。
大陸統一戦争の顛末、四十年続く仮初の平和、財閥と政治家の腐敗、そして恩に報いない無能な皇帝。
ちなみに教団のことも質問したが、世俗化していて、今は権威しかないということ。失礼なことをした。
で、それらの問題をすべて解決し、大陸を統一することが俺の、聖剣の勇者としての使命だということ。
このアイビィイ帝国の未来が俺にかかっているんだ。
で、ここからが本題だが、この世界は一夫多妻制らしい。
つまりハーレムをつくっていいってことだな!
これから始まる俺の異世界ハーレム生活が楽しみだ。
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統一歴1025年8月2日
皇帝と謁見した。
皇帝はチビだった。
たぶん身長は百六十五センチもないんじゃないかな。
衣装がダボダボだ。
異世界ということもあるかなと思っていたが、ただ皇帝なチビなだけだったな。
俺は身長百七十七センチあるが、他の男の人も俺と同じくらいの背丈だった。
皇帝からありがたーい言葉を貰った。
どうでもいい。
それと、皇帝は総大司教と、同じく謁見に来た軍人に詰められておどおどしていた。
そして、俺は皇帝にピッタリな渾名をつけてやった。
「日和見」だ。
でも、日和見の隣にいた女はすげー可愛かったな。
茶髪ロングのメイドだったか。
机に書類が山積みだったな。
きっと、日和見は政務をメイドに押し付けているのだろう。
俺が日和見から茶髪メイドちゃんを救ってあげなくちゃな!
それで、夜からは宮中晩餐会に参加した。
タコやイカの刺身を食べて総大司教に驚かれたりもした。
そんな恐ろしいものを食べれるのは日和見と茶髪メイドくらいだと。
日和見とは食と女の趣味は合うらしいな。
刺身を食べていると、かわいい金髪の女の子が倒れたので介抱してあげた。
そして金髪の女の子は俺に惚れたらしく、結婚を申し込んできた。
俺は当然、承諾した。
話を聞くと金髪の女の子は侯爵令嬢であるらしく、現代では珍しい領地持ちの大貴族であるとのこと。
こんな棚ぼたイベント、神様が俺にハーレムを望んでいるのだろう!
そして金髪侯爵令嬢をお持ち帰りしてやった!
俺のお嫁さん第一号だぜ!
総大司教司教から「二人の門が開かれましたね」とねっとり言われた。
気持ち悪い。
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統一歴1025年8月7日
街を歩いていると白髪美少女が襲われていたので助けてあげた。
俺は聖剣の勇者だ。
もちろん、聖剣を帯剣している。
それで襲っていた野郎共を警告して斬ったら、警察に通報されていた。
納得いかない。
俺は人助けをしただけなのに。
結局、白髪美少女が警官に抗議したら、もうしませんと誓約書を書かされて解放された。
周りの野次馬の話を聞く限り、あの警察は日和見が整備したものらしい。
おのれ日和見。
お前は茶髪メイドを権力で屈服させた挙句、こんな不当なことまでするのか。
許せない。
白髪美少女─どうやら聖女らしい─も、俺の意見に同意してくれた。
俺はアイビィイ帝国を救う勇者だ。
汚物は消毒しないといけない。
たとえ、それが皇帝であっても。
それはそれとして聖女を持ち帰り、侯爵令嬢と三人で川の字になって寝た。
総大司教からは「遥か高きに続く階段を登られましたね」とねっとり言われた。
きっと、正義の行いをしたから出世するということだろう。
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