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ある日バイトが休みの日に珍しくsmから連絡がきた。
『今度の日曜日、出かけるぞ。』
短文で命令口調で強制的な内容だ。
俺は即座に問い返すも、『何も聞かずに日曜日は予定空けておいてくれ』だとさ。
俺は了解とだけ送った。にしても、気になる、、、。
ーーーーー日曜日
sh「おい、、、嘘だろ、、、?」
br「やっほー!お待たせ!ほら、乗って乗って!」
他の車の邪魔になるので俺は鞄を持ち戸締りをして車に乗り込んだ。
奥の座席ではsmがムスっとした表情で座っている。その隣には案の定krがいた。
助手席にはna、俺の隣にはknがいる。しかし、、、なぜこんなことになったのだろうか。
sh「えと、、、sm、これは一体、、、?」
sm鋭い視線が俺に向けられる。ゆっくりと口を開き何があったかを話してくれる。
どうやら俺がバイト休みの日に4人組が来店してたようで、その日のカウンターはsm。4人はカウンターに座りいつものように話をしていたそうだ。
すると、naからどっか皆んなで遊びに行かね?と提案があがり、sm以外は皆んなノリノリ。smは最後まで抵抗したそうなんだが、その努力も虚しく今の状況に至っている。
sm「巻き込んですまないとは思ってるが、、、俺一人じゃどうにも出来んと思って。」
sh「珍しいなーとは思ってたけど、なるほどな。」
br「そだ!せっかく皆んなで出かけてるんだし、shkとsmは敬語無しねー!」
na「お!いい事言うじゃん!そうしようぜっ。」
sh「え!?いや、その、、、いきなり言われても、、、。」
sm「気にするなshk。コイツらにそこまでかしこまらなくていいんだよ。」
kr「相変わらず口が悪いなぁー、、、」
na「smの良いところさっそく出ちゃってるよ。」
sm「うるせー!いちいち言わなくていいんだよ!」
心なしかsmが楽しそうに見えるのは俺だけか?でも、正直戸惑ってはいるがこうして友達とどこかに出かけるなんて久々で俺も内心では喜んでいるのかもしれない。
br「もうすぐ着くよー!」
そう言われて外の景色へと目を移す。目的地はどうやら水族館のようだ。しかし、なぜ水族館?しかも男だけで??俺は難しい顔をしながら窓の外を見つめていた。
車から降りて入り口辺りまで来ると、さすが週末。家族連れやカップル、友達同士など様々な人で溢れていた。
kr「ひゃー、やっぱ混んでるねー。」
kn「前売り券買ってて良かったな。」
na「んじゃ、早速行きますか!」
俺たちはゲートへ入り水族館の中へと進む。
中も人が沢山で、油断したら皆んなとはぐれそうだなと思っていると、、、。
sh「へ?えと、、、。」
kn「人多いし迷子になったら困るから、、、ね?」
knが俺の手を握って歩き出した。
慣れない事への戸惑いと、周りが見てるという不安で歩くのもふらふらしてしまう。
kn「大丈夫だって。誰も俺らの事なんか見てないから。」
sh「でも、俺なんかと手繋いでたら、knが笑われるって、、、。」
kn「それ以上言ったら怒るからな。俺はshkが良いからこうして手繋いでんの。ほら、皆んなとはぐれちゃうよ。」
sh「あぁ、わかった、、、。」
本当に何で俺なんだろう、、、。毎回思うけど、knは俺がいいって言ってくれる。理由は聞きたいけど、怖いから聞けない。
sh「(あぁぁ!ウダウダ考えるのやめて楽しむか!)」
俺は頭を横に振り考えることを辞めた。せっかくの水族館。皆んなとこうして出かけてるのだから楽しむしかない!
そんな俺を見てknが笑っている。俺は恥ずかしくて目線を水槽に戻した。
しばらく館内を見ているとbrが誰かに話しかけられている。暗くてあまり表情は見えないが困ってるようにも見えた。
kn「ごめん、shk。ちょっとここで待ってて。」
sh「わかった。」
俺はトイレ付近のベンチに腰掛ける。きっとbrの様子を見に行くのだろう。本当にイケメンで仲間思いでマジで言うこと何もないな、、、。なんて気を抜いていたら、ポンっと肩を誰かに叩かれた。
「お兄さんじゃん!どーも。」
sh「あ、、、どうも。」
「私服初めて見ました。笑顔はさすがに見れないか、、、でも私服見れてラッキーっす。」
まさか、こんな所でお客さんに会うとは、、、。knはbrの方に、他の3人はまだ見たいゾーンがあるって言ってたからここにはいない。
「ねー、何してるの?行くよ?」
「あぁ、ちょっと知り合いいんだよ。先にあっち見てて。」
彼女なのだろうか、女の人にそう声をかけると、俺の隣に座り始める。
sh「いや、行った方が良くないっすか?彼女さんでしょ?」
「んー?いいの、いいの。今はshkさんに会えた事の方が大事なんで。」
sh「えと、、、。」
「今日は友達と来てるんすか?」
sh「まぁ、そうです。」
「いいなぁー、shkさんと友達になれて。俺が渡した連絡先受け取ってくれました?」
sh「あ、えと、、、はい。でも、あのごめんなさい。交換は、出来ないです。」
「いいですよ。正直連絡もらえるとも思って無かったんで。その変わりといっちゃ何ですが、ちょっとだけ一緒に回りません?」
sh「いや、無理です、、、。てか、手、握んないでもらえますか?」
「少しだけ、、、ね?」
sh「いや、無理だって、、、!」
俺が勢いよく手を振り払う。それがわかってたかのようにもう片方の手でまたしっかりと手を掴まれる。逃げきれない時は脅せってsmも言ってたな、、、。
sh「大声、、、出しますよ?」
「いいですよ。一瞬しか僕達の事をみないでしょうけど。」
sh「、、、きっ、、、!?」
大声でknを呼ぼうとした瞬間。手で口を塞がれる。一瞬だけの大声じゃ誰も見向きもしなかった。壁に寄せられた背中をよじりながら、何とかこの状況を抜け出そうとするが、相手の力が強くて身動きがとれない。
sh「(くそっ、、、なんで勝てないんだよ、、、また、俺は何も出来ないのかよ、、、っ)」
第8話終わり