なんかの短編集

唯、死にたかっただけなのに

ある学校の屋上に、1人ぽつんと立っていた

彼女はもったいないほどの美人だった

仲良くなりたい

その一心だった

彼女の苦労を知らずに

唯、いきたかっただけなのに

ある屋上に誰かが来た

其奴は、やる気がなさそうな人だった

嗚呼、ずるい

なんも苦労を知らないんだなぁ

仲良くなんてなりたくなかった

彼の苦労を知らずに

そんなことを願ってしまう

彼奴が居なければこんなことになるはずじゃなかったのに

こっちの苦労を知らずに生きてるのが憎い

こんな世界なら手放しても良いと思える

涙が人を強くするなんて嘘なんだと

大人になりたくないのに笑顔だけが上手くなる

そしてまた、こう言う

彼奴になりたい