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サイド ユメ
ルネという人によってあたくしたちの行動がコントロールされている。
そんな突飛な考えが浮かんだのには理由がありました。
まず、あたくしが飛び落ちた場所。
あれは振り子の要領であたくしの落ちる場所を段ボールのある場所に無理矢理変えたのでしょう。
そうでなければ「タエの計算と違うとこに落ちたらと、こっちが困るんだよね〜」なんてこと言いませんもの。
ですが、下にいた皆さんはそんなこと知らない様子でした。
そして、あの時。ルネがあたくしを落とす直前。
あたくしはルネの心が読めませんでしたわ。
いえ、正確には、読み取られたくないところを隠されたのです。
『俺がここにいたこと、内緒にしといてね?』
ルネは心の中でそう言いました。
あたくしが読み取れるのはその人の仕草や癖であって、その人の本心です。それなのに、なぜ?
あれが本心であるはずがないのに。
あたくしは、こっそりとルネの元へ近づきました。
「あなたは、一体この団で何をしようとしていますの?」
やっと見つけたあたくしの居場所ですわ。だからこそ、あたくしはここを守りたい。
たとえあたくしより先に入ったルネであろうとも、団の誰かを傷つけるために彼が動いているのなら、あたくしはそれを止めてみせますわ。
レンがあたくしを止めると言ってくれたように。
「俺?俺はみんなのために動いてるよ。ちょっとあいつらとはやり方が違うだけ」
ルネはニコニコしながら小声で答えました。
「そのやり方が知りたいのですわ」
「……それは、ユメちゃんが知らなくていいこと、だよ?」
……目が、笑っていませんですわね。これ以上聞くのは愚策ですわ。
「……わかりましたわ」
納得はしていません。ですが、引き下がるしかなさそうですわね。
そのときでした。
前を歩いていた皆さんが足を止めたのは。
「……事故、あったのかな?」
キリがそう呟きました。
視線の先には、青いぼろぼろの服を着た高校生くらいの女の人が必死に呼びかけをしていました。
……この後、これがきっかけとなってモンダイジ団がバラバラになることをあたくしは、あたくしたちは、まだ知らなかったのです。
暑い日差しが降り注ぎ、蝉の鳴き声がうるさい真夏の日の出来事を。
あの人たちの、心にしまってあった過去を。
第2章 いじめ編完!
まだまだ続くぜっ!長くてごめんよ!!
次の章でモンダイジ団全員揃う……わない!(どっちだ)
なるべく早く出す!!……よう頑張ります!(ハッキリとせい)
by作者