あぶねぇまた忘れるとこだったありがと通知!!!!((
赤視点
ないくんを抱きしめたまま、
俺は震えを抑えながらゆっくりと立ち上がった。
身体は軽いはずなのに、
腕の中のないくんは壊れものみたいで――
抱える手に自然と力が入る。
赤「ないくん、歩ける?」
桃「……うん、ちょっとだけ……」
本当は全然ちょっとじゃないんだろう。
膝がまだ震えてて、汗が冷たくて、
目の奥も赤く腫れている。
歩き出そうとしたけど、
ないくんの手が俺の袖をつかんだまま離れない。
桃「…ごめん、無理かも、」
その一言に胸がぎゅっと締め付けられた。
赤「 じゃあ…手、出せる..?」
ないくんはおそるおそる手を伸ばす。
その手を、俺の指が包む。
ぎゅっと握り返すと、
ないくんが少しだけ息を吸う音がした。
赤(手、絶対離さないようにしないと、)
そう心の中で誓って、
俺たちは廊下をゆっくり歩いた。
誰かに見られていたとしても、どうでもよかった。
桃視点
保健室に着いた瞬間、俺はベッドに倒れ込んだ。
ふわっとした布団の感触が心地よくて、
でも胸の奥はまだ苦しくて。
りうらは隣の椅子に座って、ずっと俺を見ている。
桃「……りうら、授業は、??」
赤「いい。俺はないくんのほうが大事。」
即答された。
涙がまた出そうになる。
保健の先生が来て、熱を測ったり話を聞こうとしてくれたけど、
俺はまともに言葉が出なくて――
「弟さん、今日はそばにいてあげていいですよ」
先生の言葉に、りうらはこくりと頷いた。
ベッドの横にりうらが腰を下ろして、
俺の髪をそっと撫でる。
赤「怖かったよね……」
その優しさに、
俺はまた少しだけ泣いた。
りうら視点
ないくんが眠ったあと、
俺は椅子に座ったままぼんやり天井を見ていた。
怖かった。
本当に怖かった。
倒れる瞬間のないくんの顔が、何回も頭に浮かんで、
その度に喉の奥が熱くなる。
俺、もしあと数秒気づくのが遅れてたら……
ないくん、頭打ってたかもしれないし、
もっと無理して歩いてもっと死にたくなっていたかもしれない。
赤「……はぁ…」
手のひらを見つめる。
さっき握っていた、ないくんの手の温度が残っていた。
赤(俺が守らなきゃ。 誰がどう思おうが、俺だけは絶対にないくんの味方でいる)
そんな決意が胸の奥で固まる。
ないくんが眠りながら、小さな声で言った。
桃「……りうら…」
俺はすぐにベッドの横に顔を寄せる。
赤「いるよ。ここにいる。」
ないくんの呼吸がゆっくり落ち着いていく。
俺はその顔を見ながら思った。
この人が生きて笑う姿を、俺はもっと見たい。
そのために、できること全部やってやる。
桃視点
しばらく眠って、
俺はゆっくりと目を開けた。
視界に入ったのは、
りうらの腕に枕を乗せて、机に突っ伏した姿。
そんなに俺のそばにいたのかよ……。
胸が熱くなった。
桃「……りうら?」
声をかけると、りうらはゆったりした様子で話しかけてくれた。
赤「おはよ。どう?寝れた?」
真っ先に心配の言葉が飛んでくる。
俺は首を縦に振って 手をそっと伸ばした。
りうらの手を握る。
桃「……来てくれてありがと」
りうらの目が少し潤んだ。
赤「当たり前でしょ… ないくん倒れたのに、俺が行かないわけないじゃん、」
握った手に力が入る。
その手の温度で、
あぁ俺、生きてていいんだなって思えた。
桃「りうら……」
赤「ん?」
桃「……俺、また来てもいいかな。学校」
りうらは泣きそうな顔で笑った。
赤「いつでも来なよ。 今日はこうなっちゃったけど…… ないくんは、前に進んだんだよ」
桃「……進めたかな」
赤「進んだよ。りうらが見てた。」
その言葉に、
胸の奥がじんわり熱くなった。
赤視点
帰り道、
ないくんはまだ少しふらついていたから、
俺はずっと肩を支えて歩いた。
夕日の光が横顔に当たって、
その影が長く伸びている。
桃「りうら……」
赤「なに?」
桃「今日、来てよかった……」
その小さなひと言が、
俺の全部を満たした。
赤「……じゃあさ。 明日は無理しなくていいけど、 また一緒に歩こう?」
ないくんは、こくりと頷いた。
そして、ほんの少しだけ笑った。
その笑顔が、俺の一日のご褒美だった。
――この人の笑顔を、俺だけは守り続けたい。
そう思いながら、
俺たちはゆっくり家へ向かった。
手は、途中までずっとつないだまま。
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コメント
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やばかわよ、 赤さん優しい男だわ イケメンだわ