書き貯めがなくなってしまった()
言い忘れてたんですけど多分これすぐ終わると思います🙄
それではどうぞ!!
桃視点
家に帰った瞬間、
いつもの空気に戻った。
重くて、冷たくて、
息を吸うだけで胸が痛くなる家。
玄関の奥から、父さんの低い声が聞こえた。
「学校……行ったらしいな」
りうらの肩がびくっと揺れる。
俺は咄嗟に一歩前に出た。
桃「……うん」
「行ったのに倒れたのか?」
刺すような声。
俺は思わず目線を落とす。
桃「……ちょっと、緊張しただけだよ」
「たかが緊張で倒れるか?」
その言い方が胸に突き刺さる。
心臓がぎゅっとつかまれたように痛かった。
「りうら、お前はどう思った?」
父さんの視線がりうらに向けられる。
りうらは唇を噛んだまま黙っていた。
その沈黙が、俺には苦しくてたまらなかった。
桃(りうらは悪くない…俺が、弱いだけ…)
そう思った瞬間、
父さんが吐き捨てるように言った。
「ないこ、お前…… そんな弱いままでどうするつもりだ?」
胸の奥がズキンと痛み、
視界が揺れた。
りうらが前に出ようとした、
その直前――
俺は俯いたまま言ってしまった。
桃「……わかんないよ。 どうもしないよ。 俺のことなんか…どうでもいいんでしょ、」
空気が凍った。
りうらの目が大きく見開かれ、
父さんが一瞬だけ沈黙し、
そして大きなため息をついた。
「…もう勝手にしろ」
その言葉は、
“お前なんか知らない”
と同じだった。
胸が焼けるように痛かった。
赤視点
父さんが去ったあとも、
俺の胸の中は爆発しそうだった。
「ないくん…」
声をかけると、
ないくんはゆっくり顔を上げた。
目が赤くて、濁った光をしていて、
まるでどこにも心が戻っていないみたいだった。
桃「りうら… 俺、ほんとにっ……どうしたらいいんだろ、っ」
その声は弱々しくて、
息が少しでも乱れたら壊れそうで。
でも俺は、うまく言葉が出なかった。
父さんの声が頭の中で響く。
“そんな弱いままでどうするつもりだ?”
違う。
ないくんは弱いんじゃない。
でも、何を言ってもこの人の傷には届かない気がした。
俺は拳を握りしめて、震える声を押し出した。
赤「……ないくんは悪くない。 倒れたって、泣いたって…悪くない。りうらはそう思う」
ないくんは返事をしない。
沈黙が怖かった。
赤「聞いてる?ないくん……?」
ないくんは、小さく笑った。
乾いた、壊れた音みたいな笑いだった。
桃「…わかんない、りうら…俺、なんで生きてんのかわかんないよ、……」
その言葉に、俺の視界が一瞬真っ白になった。
折角、来て良かったって…まだ生きたいって行ってくれたのに、
胸の奥がひりひりして、
喉がつまって、
思わずないくんの腕を掴んだ。
赤「やめてよ…… そんなふうに言わないでよ……りうら の前でそんなことっ、……」
自分でもこんな弱々しい声を出すとは思わなかった。
弱いのは俺じゃないか。
ないくんはびくっと肩を震わせた。
桃「……ごめん…」
それからまた沈黙に戻ってしまった。
俺はただ、 この人の消えてしまいそうな声が耐えられなかった。
桃視点
夜になっても、胸の痛みは消えない。
部屋にこもって、電気を消して、
机の下で体育座りをしていた。
(俺、なんで生きてるの? 何のためにここにいるの? りうらに迷惑ばっかかけて……
それで俺は……)
もう頭の中はぐしゃぐしゃだった。
涙が勝手に落ちて、
呼吸が浅くなる。
「っ……はッ……」
うまく息が吸えない。 暗闇がぐるぐる回って、 胸が締め付けられて、 耳鳴りがして、
体温が下がっていくみたいで。
桃(誰も……俺なんか……)
そのとき、
ドアが勢いよく開いた。
赤「ないくん、??」
りうらの声。
顔を上げると、 顔が真っ青なりうらが 部屋に入ってきた。
「大丈夫だから、りうらがここにいるからっ息吸って、落ち着いてッ、!!」
次の瞬間、
りうらが俺を抱きしめた。
強く、痛いくらいに。
赤視点
ないくんの体は冷たかった。 泣きすぎて呼吸も乱れてて、 今にも壊れそうだった。
ないくんがくぐもった声で呟く。
桃「俺、迷惑だよね…」
赤「迷惑なんかじゃないッ”!! 俺がどんだけ心配してるか… どんだけ守りたいと思ってるか…… さっきから言ってんのになんでわかんないのッ”…!」
涙が落ちる。 ないくんの肩に、俺の涙がいくつも落ちていく。
桃「……りうら…、なんで泣いてんの…」
赤「泣くでしょッ…ポロッ ないくんが苦しいならりうらだって苦しいよ…… 兄弟だからとかじゃない、 俺は……っ、おれは、ッ」
そこまで言って、 喉がつまった。
言葉にしたら、
何かが崩れてしまいそうで。
でも言わないほうが、
もっと痛かった。
赤「りうらはっ…… ないくんがいないと無理なんだよ、…グスッ」
その瞬間、
ないくんの手がゆっくりと俺の背中を握った。
弱い力なのに、
俺の心臓は跳ねるほど強く感じた。
桃「… 俺、居なくなりたかったわけじゃない、 ただ…わかんなかっただけでっ…… 」
ないくんの声が震えていた。
俺はぎゅっと抱き寄せた。
赤「じゃあ…これからは、ひとりで沈まないで、 沈むときは俺を道連れにして、っ…」
暗い部屋で、
ふたりの呼吸だけが響いていた。
重くて、苦しくて、
でも確かにつながっている夜だった。
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コメント
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もらい泣きするてー… やみやみ🍣ちゃんもらぶ🫶🏻