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ボクは、ナナ。前の名前はウト。

あ、[ボク]っていう一人称だけど実際は女の子です。

ボクは知能天使でしたが上司であるセラフィムさん達から[落ちこぼれ]と言われて堕天使になりました。

その後、悪魔執事に拾われて主になりましたがまたセラフィムさんに出会い元知能天使だとバレてしまい悪魔執事達に追われています。

まぁ、追われているのかは分からないけど。


今は、お気に入りの執事さん…べレンさんとシロさん…そして黒猫のムーちゃんと共に旅をしています。


「主様ご機嫌だね」

隣で歩いていたべレンさんに鼻歌を歌っていたのがバレたのか、すごくニコニコしながらこちらを見ている。

『え、いや…あの…つ、つい…』

恥ずかしさでここから居なくなってしまいたい…!と考えてしまうが居なくなっちゃったら3人が悲しむかな…と思いその考えは頭のすみっこに追いやった。

「お前水の音が好きだからだろう?」

『ま、まぁ確かに好きだけど…』

ボク達が歩いているのは、川を辿るルート。

シロさんが言っていた通り私は水の音が好き。

このルートで歩いてるのも、多分ボクを気づかってくれてるのだろう。

そう思うと何故か感謝を伝えたくなった。

『ありがと、シロさん』

「礼なぞいらん」

そう言ったシロさんの頬は、ちょっとだけ赤くなっていた…気がする。

「あれ?シロさんお顔が赤くなってますよ〜?」

ムーちゃんに指摘されると、こちらの方を強く見つめ

「おい、ムー妙な事を言うでない」

「え?でも照れてたじゃん俺ちゃーんと見てたよ?」

「黙れべレン」

昨日あんな事が起こっても、まるで屋敷にいた時のように接してくれる。

それだけで…とてもとても嬉しかった。


まず着いたのはエスポワール。

他の悪魔執事達に見つかる可能性もあるが、そのリスクを犯してでもやるべき事があった。

『じゃあ…ラック。お願いね』

ボクがそう言うと、ラックは飛び立った。

ラックは、私が創った鳩。

私は、知能天使の中でもかなり珍しい個体だそうで異能力があった。

それは頭の中で浮かんだものを何でも現実に生み出せる能力。

まさに、夢のような能力であった。


「あれで屋敷の様子を確認する…ということだね」

『うん。とりあえず餌無しで生きられるように念じたから 』

「すごいです!主様!」

そうやって賞賛してくれるけれど…この能力はデメリットもある。

それは、理解できないと生み出せないこと

言葉でそのモノを説明してくれても、ボクが理解できないと違うモノが現れる。

なので、一定の知識が必要。

この能力が分かった時…徹底的に知識を叩き込まれたのを思い出す。

ストレスで食べた物を戻してしまうこともあった。

今思えば…あの時から疲れていたのかもしれない。


「あ、いたいたおーい!シロ〜!」

べレンに呼ばれて、不機嫌そうな表情をするシロさん。

「……ねぇそんなに俺の事嫌い?」

「嫌いではない 」

そう言うとパァーっと顔が輝き、嬉しそうな表情をするべレンさん。

『買い出しもう終わったの?早いなぁ』

「これくらい造作の無いことだ」

ふん、といつものようにそっぽを向く。

その動作がシロさんらしくて安心する。

『じゃあ…ここを出発して…いよいよ…!』

「旅ですね!」

ムーちゃんと一緒に嬉しがる。

「ふふ、そうだねすぐにここを出発して、旅に出よっか」

「我の方が森での知識はある、何かあれば頼れ」

シロがそう言うと、何だかとても安心する。

『うん。すぐ頼らせてもらうね 』

そうやって談笑していると、目的地付近に行く馬車が見えてきた。

それに乗り、エスポワールを後にした。





その頃…。

「主様が…元知能天使だったなんてね」

屋敷では、会議が行われていた。

「さらに、べレン君とシロ君…そしてムー君も失踪している」

「ほんとどこに行ったんでしょう…?」

そう話す執事の中に一人だけ…ずっと黙ったままの執事が居た。

「……ベリアンさん…大丈夫ですか?」

「主様が元知能天使だった事を知ってしまったし…おまけにべレン君も居なくなってるから」

部屋の雰囲気は段々重くなっていった。

「………私…主様を探してきます!」

「えっ!?ちょ、ベリアンさん!」

そう言って飛び出したベリアンの頬には涙が零れ落ちていた。


歩き出して着いた場所は地下の私の部屋。

「主様…べレン…」

座り込み泣き崩れる。

あぁ…こんな姿べレンにも主様にも見せたくないです…。

そう思いながら一人すすり泣いていると

「2人の行き先が知りたいの?」

声が聞こえ前を向くと、幼少期の頃の自分が立っていた。

「……ベリアル…今度は何ですか」

「だから…2人の行き先が知りたいのか?って」

笑顔で問いただすベリアル。

「えぇ…知りたいですよ…」

また泣きそうになってしまう。

そうなる度に必死に堪えた。

「じゃあ…代償ナシで教えてアゲル」

そう言ったベリアルの瞳は怪しく光っていたような気がしたが、教えてくれるのなら都合が良い。

「お願い、します」

主様とべレンを見つけ出せるのなら…。

そして…見つけ出せたら………。

そう思いながら悪魔の囁きに耳を傾けた。


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コメント

8

ユーザー

代償なしって言うからには無しなんやろうけど…ちょっと怖いな……ベリアル少しはいいやつだから希望を持っとくわ。あとシロ可愛い過ぎる

ユーザー

ベリアン……シロとムーも忘れてやるなよ…??

ユーザー

本当に代償なしなのか…?

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