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海人side


年が明けた一月某日。

もう少しで紫耀の誕生日だ。

誕生日プレゼント、どうしよう……そんなことを考えながらスマホでネット通販のサイトを開く。画面をスクロールしていってイメージを膨らませる。うーん。いいものが思いつかない。

次にGoo◯leで『誕生日プレゼント 相手が欲しいもの』と検索。

…参考になるような記事は出てこなかった。

雑貨系はクリスマスであげてしまったから……うーん。


………みんなに相談しよう!!

俺は気を取り直し、LINEで『ジン、海、廉』のグループLINEを開く。


海人『ねー紫耀の誕生日プレゼント何がいいと思う??』

勇太『それはもちろん』

廉 『あージンは黙っとって。なんて答えるかお見通しやねん。』

勇太『くっそおおおおお!!』

海人『そこまで悔しがること??』

廉 『やっぱあれやない?鞄とか。』

あ〜鞄ねぇ。

廉 『なんか軽くてそこそこ中入るやつ、ええんやない?』

勇太『廉、いいこと言うじゃないか。』

廉 『ジンがふざけすふざけすぎやねん。』

海人『うん、ふざけすぎ。』

勇太『そんなことは……!!!!』

海人『恥知らずっていうか。』

廉 『そうそう。破廉恥侍。』

勇太『言い方!!』

でも、どんなものを買えば良いか分かった。

海人『ありがとね!二人とも!』


俺はLINEから違うタブに切り替える。開いたのはバイトのシフト表。

バイト帰りに買ってあげようかな。


数日後。

俺はバイト帰りに近くのデパートに寄った。有名ブランドアパレル店に立ち寄り、紫耀がよく好みそうな鞄を探す。

ショルダーかリュックか……一緒にどこか行く時に背負いやすいものがいいなぁ。

そう思い、俺は沢山の鞄が並ぶ中、紫耀に似合う鞄を探す。

すると紫耀が好きそうな斜めがけの鞄を見つけた。ポケットがたくさんついていて、しかも革製ではないから軽い。

「これにしよ。」

俺はさっそくレジに向かった。


紫耀、喜んでくれるといいなぁ。


優太side


一月二十三日。

今日は廉の誕生日!!

ということで俺は夕方から七時である今までキッチンで料理をしていた。

もちろん、廉のために豪華な夕食を作っていたのだ。今夜はローストビーフと白米(必須)とサラダとスープ。

白米以外はガチの洋食だ。

白米信者の本人はずっとゲームしているけど。

「ねー岸さん、まだぁ?」

お昼ご飯をいつも白米三杯いくところを夕食が豪華だからと一杯で我慢した廉にとってはもうお腹ペコペコらしい。

「もうちょっと……はい、できたぁ!!」

俺は最後のローストビーフのカットを終え、お皿に盛り付ける。

そこに廉がトコトコと料理を見にきた。

「きっさんすご〜!絶対シェフになれるで!!」

廉に褒められ、俺の顔が緩む。

あ、そうだそうだ。俺は料理をテーブルに置き、隠していたプレゼントを「はい。」と廉に渡す。

「え!ええの!?ただの誕生日やで??」と驚く廉。

誕生日は年一回の重要イベントでしょー!

廉がさっそく開けると中には金色のキラッキラのブレスレット。

クリスマスのジンとの会話で(なるほど、ブレスレットね。)とこの時から誕プレはブレスレットにしようと決めていた。

「え!ブレスレット!めっちゃ可愛いー!!岸さん、センスあるなぁ!!」と廉は大喜びし、さっそく自分の手首に付けた。

サイズもちょうど良い感じ。つけ終わった廉が「どう?」と俺に見せてくる。

「うん、似合ってる!」

「ホンマに!?ありがと、岸さん!!」

そう言って廉はニコッと笑った。


海人side


一月二十九日。

ついに紫耀の誕生日だ。

今日は二時から一緒に紫耀の家で遊ぼうと約束していた。今は一時半。もうそろそろ用意をしないと。

楽しみすぎて昨日は全然眠れなかった。鏡を見るとやっぱりクマができてる。俺はフェイスタオルをお湯で濡らし、目にあてる。

こうすると少しはクマが取れるんだよ。何回か繰り返しているうちによく見ないとわからないぐらいの薄さになった。

ついでに髪を整えて出かける用意をする。プレゼントも入れるから少し大きめのリュックにした。ゲームとスマホとプレゼント、それからお菓子を入れ、チャックをしめる。

「よし。」

紫耀の家までは歩いて五分ちょい。もうそろそろ出た方がいいかもしれない。

家には誰もいないので無言で俺は外に出て、鍵を閉める。外では細かい雪がちらついていた。

ふぅ。と深呼吸をすると真っ白い空気が口からこぼれる。

俺は紫耀の家まで歩いた。


紫耀side


その頃。

俺は自室のテレビで海人がくるのを待ちながらゲームをしていた。

カチッカチッとボタンを押す音が部屋中に響く。久しぶりに二人でこうやってゲームするなぁ。前やったの、いつだったっけ……??

えーと、俺が姫花さんと付き合う前だから……六月……か。

半年以上、一緒にゲームしてなかったんだなぁ。

最後の敵を倒し、[YOU WIN]の文字が表示される。チラリと時計を見ると一時五十分。

もうそろそろ海人が来るころだ。

なんか緊張する。何度もこうやって家によんで遊んでたんだけどなぁ。

あ、そうか。好きな人と遊ぶからだ。

ちゃんと告白した方が……いや、やめとこう。変に思われちゃうよ。

下の階に親いるし。あ、ここ大事ね。

すると下からインターホンの音とお母さんの「紫耀〜海人くんが来たよ〜」の声。

俺は「今行くー」と一言いい、バタバタと下に降りる。玄関に海人がいた。

「おーす、海人〜!」

「紫耀、お誕生日おめでと〜!」

そう言って海人は俺に袋に入ったプレゼントを渡した。

「わっ!ありがとー!!とりあえず、上おいでよ〜。」

と俺らは上の俺の自室まで行く。

「紫耀の部屋、久しぶりだぁ!」

「確かに!忙しくて来れなかったもんねー!」

こんなに和気藹々とした会話、いつぶりだろう。

「とりあえず、プレゼント開けてみていい??」

俺は気になって聞いてみた。海人は一言で了解してくれた。

「なんだろ〜」

袋を開ける斜めがけの小さめの鞄。ポッケがたくさんついていているし、軽い。しかも、これ、俺が前から欲しかったバックだ!

「これ…!前から欲しかったんだよね!!」

「え!ホント!?良かったぁ!」

とニコニコする海人。

ホントありがとうねと返し、俺たちはゲームをすることにした。


数時間後。

ゲームの休憩として俺たちはお菓子を食べることにした。

こういう時に告白とかするのかな。世の恋するお方々は。

えーでも勇気あるなぁ。

「ねー紫耀。やっぱ俺、紫耀のこと、好きだわぁ。」

ん????

「え、海人、どゆこと?」

「そのまんまの意味!こんなにプレゼント喜んでくれるの紫耀くらいだもん〜!!」

と海人はぷんぷんしている。怒ってはいないけど……どした?

多分、友情面でだな。


「そっか。ありがと!!」


海人side


休憩を終え、ゲームを再開した後。



全然気づいてくれない!!

絶対今の告白でしょ!!

え、やっぱり天然相手だから……!?

でも廉は天然(岸くん)相手に一発だったよね……?

じゃあ、何が悪いのおおお!

やっぱりはっきり『紫耀が恋愛面で好きです!付き合ってください!』って言わないとダメなの!?

それとも相手が悪い!?

逆に遠回しに遠回しを重ねて言っちゃうとか!?………………え?どうゆうことだ??


もうどうしたらいいのおおお!!


と脳内をフル回転させていた俺だったのでした。

キンプリの恋愛事情(完結済)

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