テラーノベル
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席はまだたくさん空いていたが、にぎやかにお喋りヲタする高校生たちの姿に、なんとなく気おくれしてしまう。
楽しそうな彼らの姿が、うらやましかった。
近所に同じ学校の友達がいないので、莉犬はいつも一人で通学してる。
電車に乗っている間は、ヘッドフォンで大好きな音楽を聴くのが日課だった。
流れていく風景を見るともなく見やりながら音の世界に没頭するのが、莉犬にとっては大切な時間だ。
やがて駅に着くと電車を降り、待ち合わせの定番スポットとなっている「忠犬つくね像」の前を通って、学校へと向かう。
再開発が進む駅前には、建設中のビルがいくつも並んでいた。
駅の周りには、この数年でもかなり様変わりしつつある。
スクランブル交差点で立ち止まり、赤信号が変わるのを待っていると、高層ビルの街頭ビジョンに、とある歌手のミュージックビデオが流れた。
かっこいいなー·····。
立ったまま見とれていると、信号がパッと青に変わった。
莉犬は急いで横断歩道に足を踏み出す。
周囲を行きかう歩行者たちの中には、莉犬と同じ制服を着ている生徒も多い。
莉犬の通う苺ヶ丘学園は、都内では比較的規模の大きい中高一貫校だ。
たくさんの生徒を収容する校舎は、まるで中世のお城のように壮麗なゴシック風建築で、一部でひそかに人気を集めている。
校門をくぐり、校舎へと続く道を歩いていると、生徒たちが慌てた様子で走って行くのが見えた。
「体育館の方だって! 」
「またあの二人がやり合ってんのかよ」
何かあったのかな?
莉犬はきょとんと子犬のように首を傾げ、ひとまず騒ぎの起きている場所へと行ってみることにした。
コメント
2件

無断転載は良くないと思います

これって小説版のやつですよね。