テラーノベル
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騒ぎの中心にいるのは、二人の生徒だった。
野球部のユニフォームを着た大柄な男子生徒と、眼鏡をかけた緑化委員の女子生徒だ。
「だから、オレらじゃねーっての!」
「そうやって、いつもしらばっくれて」
「はあ? いつもってなんだよ、いつもって!?」
「いつもはいつもよ!」
言い合う二人の周りには人だかりができていて、心配そうに見守る者もいれば、野次馬根性で楽しんでる者もいる。
近くには花壇があり、きれいな花が咲いていた。
「あの、どうかしました?」
莉犬が声をかけると、野球部の男子生徒が「誰だ、お前!」と大声で振り返った。
莉犬の顔に見覚えがあったのか、「·····ん。お前、一年だな」とつぶやく。
緑化委員の女子生徒にじろじろ顔を見られ、莉犬は気まずげに身体をすくめた。
すると近くにいた生徒たちが、「莉犬くんじゃない?」「莉犬くんだ!」と、ざわつき始める。
莉犬は三か月ほど前、この学校に入学するなり、生徒会役員に抜擢された。
そのため、生徒たちの間では顔を知られているのだ。
「良かった、生徒会の人が来てくれた!」と、みんな莉犬に注目する。
なんとかしなきゃ·····。
莉犬は、一歩前に進み出た。
「·····オレは、莉犬です。生徒会の」
「な、なんで生徒会が、こんなとこに?」
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