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「これからが大変だなぁ」
「そうだね」
「まずは、うちの両親に会ってくれるか?」
「あ〜そっかあ〜面接だよね〜怖〜い…」
「舞なら大丈夫だよ。」チュッ
「自信ないよ〜」
亮の首に絡みつく
頭を撫でられながら、
「大丈夫。俺が唯一認めた女だから」
「怖い」
「大丈夫!」
キスをしながら…
「う…ん、キスしながら話す話?」
「舞が抱きつくから…」
「なんだろう。今までと気持ちが違うから、素直になれて嬉しい〜私、ずっと、こうしたかったんだと思う。」
「俺もだよ、舞がずっと笑ってるから嬉しい〜」
「亮〜♡」
「ん?」
「呼んでみたかっただけ」
「ま〜い♡」
「ふふ、恋人みたい」
「みたいじゃないよ、《《恋人》》だよ」
チュッ
「う〜ん…あっ♡」
「今日は、いつもより《《覚悟》》しろよ」
「いや〜ん♡また〜?」
「まだまだ…」
「ご両親に会う話は?」
「ふふ、あとで…」
「う〜ん…」
「いつにしようか?次の土曜日は?」
「うん、お休みだから私は大丈夫だよ。」
「分かった。親父の予定聞いとくよ。
なあ、舞のご両親にもご挨拶に伺わないと…」
「うん、そうだけど…報告でイイよ。ずっと私、結婚しない!って言ってきたから、きっと驚くと思う。」
「そうなんだ。まさかの高校の先輩で、しかも、同じ会社の上司が転職して、政治家になろうとしている」
「そりゃあ驚くよね〜ふふ、でも、きっと喜ぶよ。」
「舞のお父さんは、サラリーマンだっけ?」
「うん、そうだよ。」
「緊張するなぁ〜」
「大丈夫だよ。ウチの父は、優しいし、明るいし、
でも、調子イイからちょっとそこが心配なんだけど…」
「そっか、じゃあ少し安心した。舞、妹が居るんだっけ?」
「うん、2つ下で、もう結婚して子どもも居る。」
「へーそうなんだ。」
「うん、だから、私は、もう結婚しないから、孫は、妹のとこだけだから、ごめんねって、両親に言ってたの。」
「そっかあ〜じゃあ今から頑張って、たくさん子ども作らなきゃ」
「えー?なんでよ、これから大変なのに…」
「いいじゃん、早く欲しい!」
「えー!結婚しないって言ってた人が、子どもは欲しかったの?」
「うん、舞との子どもが欲しかったんだ。」
「ふふ、そうなんだ。」
「だから、結婚したらすぐに作ろうね」
「ふふ、なんか、変に聞こえる。」
「確かに、不思議な会話をしてるよな。」
「うん、でも、嬉しい。会社に話したら、堂々としていいのよね?」
「うん。きちんと決まったら、一緒に話そう。」
「うん。」
「とりあえず、土曜日だな!」
「うん。」
土曜日、
亮のお父さんに会う日だ。
相手は、市長さん。舞の市ではないけれど…
市長さんになんて、あったことがない。
やっぱり緊張する。
「どうしよう…どうしよう」
朝からソワソワして落ち着かない。
「舞、落ち着いて!」
舞は、一人暮らしをしている。
昨夜は、亮が初めて舞の部屋に泊まった。
今までは、恋人でもないと思っていたから、
外でしか会わなかったから…
初めてウチに来て、初めて泊まった。
それだけで嬉しくて、忘れていた。
「大丈夫だから…」
抱きしめられて、ようやく止まった。
「うん」
落ち着かないから、ウチから一緒に行ってもらう為に
泊まってもらった。
亮の告白から、ごく一般的に《《恋人》》と呼ばれる
カップルと同じように、過ごしている。
「好き♡」って素直に言える嬉しさ
イチャイチャも出来る
一緒にご飯を食べて、お泊まりして、一緒にお風呂に入って、一緒に寝て…
同じ1泊でも、今までとは全然違う。
幸せ♡
でも、急に、これから会うお父様のことを思うと、
緊張でドキドキしすぎる…
「大丈夫!一緒に居るから…ずっと一緒に居るから」
「うん…」
お父様って、普段はどういう人なんだろう?
不安でいっぱい
そして、その時を迎える。
「やあ、待たせてすまなかったね」
そう言いながら、部屋に入って来たお父様。
「お帰り!」と亮
「はじめまして、新田 舞と申します。」
「はじめまして、藤堂健一です。亮からお話は、伺ってます。どうぞおかけください。」
「失礼します。」
「母さんは?」
「今、お茶を…」
「お待たせしました。」
お母様がお茶を淹れ、茶菓子を用意してくださった。
「ありがとうございます。」
「じゃあ、早速…」と、亮の方を見るお父様
「では…え〜っと。
舞とは高校生の頃からの付き合いで、
しばらく疎遠になっていたけど、また会社で再会し、もう3年の付き合いになる。」
「そうか…」
「で、結婚したいと思っている。」
「ということは、政治家になって、舞さんには家庭に入ってもらって、支えてもらうということか?」
「うん、そんなに簡単ではないと思っているけど、
出来るかぎり頑張ろうと思ってる。」
「そうか…舞さんは、どう思われてるのかな?」
「はい、最初はとても驚きました。
亮さんは、今、全く違うお仕事をされていますので、正直まさか!という感じでした。
でも、お話を伺って、亮さんなら周りからの信頼も熱く、昔からリーダーとして、皆んなの意見を聞き、チームをまとめるのもお上手なので、天職なのではないか?と思います。」
「そうですか、では私の目に狂いは、なかったということですね。」
「はい、私は、そう思います。」
「では、このまま亮を支えていただけますか?」
「はい、私で良ければ、出来るだけのサポートは、
させていただこうと思っています。」
「ありがとう!では、この話は、それで進めさせてもらいます。」
『これって…自分の評価は、分からないまま、亮が政治家になることと、私が支えることが決まってしまったの?』
「よろしくお願いします。」
『私なんかで良いのだろうか…』
「え?もう?」亮が言ったが…
「申し訳ない、予定がいっぱいで…また、ゆっくり来てくださいね。舞さん。じゃあ!」
「ありがとうございました。」
3人で玄関まで送り、お父様は秘書の方と、出かけて行かれた。
お母様が…「さあさあ、ゆっくりして行って…」
と、また、和室へ促された
『私…結婚が決まったの?亮の妻になるの?』
モヤモヤした気持ちのまま、和室へ
「舞さん。ごめんなさいね。驚いたわよね。」
「あ、いえ…」
キョトンとしたままだったから、お母様には、
伝わっていたんだと思った。
「舞ごめんな、オヤジ、あんな風に忙しくて…」
「ううん」
「でも、大丈夫よ。あの人が文句ひとつ言わずに、
この話を進める!と言うことは、2人の結婚を認めたということだから…」
「え?そうなんですね。」
「うん、分かりづらいよなあ」と亮
「いつも、あーいう口調だから、伝わらないわよね」
「あ、いえ…私なんかで良いのかなあ?と思いました。」
「そりゃあ、そう思ってしまうわよね。政治家になってからは、あんな口調なのよ。でも、舞さんのこと、気に入ったのよ、あんなに笑顔だったもの。
亮のこと、よろしくお願いしますね。」
「あ、はい、こちらこそよろしくお願いします。」
「さあ、どうぞ、お茶菓子良かったら…」
「いただきます。」
「舞、これから、大変かもしれないけど、よろしくな!」
「はい。でも、何をどうすればいいのか?全く分からないので…」
「そうよね。私もね、突然『政治家になる!』って、主人に言われた時は、何がなんだか?だったわ。
でもね、ドッシリ構えてればいいの。変わらず、家庭を守る、それだけ!サラリーマンの妻だった頃と変わらないわよ。ただ、お客様が時々、有名な方になるわ、ふふ」
お母様は、とても優しくて、穏やかな人。
だから、お父様は安心して家庭を任せられるんだろうなと思った。
「舞なら大丈夫だよ。」
う〜ん…不安ながら、頑張らないと!と思った。
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