最初は順調だった欧米の植民地の占領や
中国への侵攻も上手くいっていた
しかしそれも長くは続かない
連合国軍は植民地を次々と奪還していき
中華民国との戦争も泥沼化していった
イタリアも引き裂かれ最後は降伏
ナチスも総統が自殺し崩れて
残る枢軸国は俺一人になった
全世界を敵に回したような状況で
唯一敵対していない国は
不可侵条約を結んでいる
ソ連だけと言っても 過言ではない
圧倒的に劣勢な状況で
条約を破られるのは時間の問題だ
そして私は今ソ連の国境付近に来ている
何やら怪しい動きがあると満州から
報告が来たので様子を見に来ているところだ
見た所確かに所々雪が汚れていたり
何かの痕跡はあるが
人の気配は全くと言っていいほど感じない
日帝
(何か嫌な予感がする )
そう思いつつしばらく辺りを観察してると
後ろから足音が近付いてくる
振り返るとソ連がいた
ソ連
「久しぶりだな大日本帝国
国境付近までご苦労さま」
ソビエト社会主義共和国連邦
通称”ソ連”
ソ連
「何の用だまさか一人で様子を見に来たとか
言わねぇよな」
日帝
「貴様こそ一人で満州に何のようだ 」
ソ連
「少し心配でねそんな事より…
満州に言われたんだろ
こっちが怪しい動きをしてるって」
図星を突かれた
こちらの話がバレている
誤魔化しは効かないだろう
しかし今の状況で
素直に認めてしまうのは
確実にこの場での条約破棄になってしまう
ならばいっそ賭けで挑発をしてみる
日帝
「率直に聞こう条約を破るつもりか」
ソ連はナチスがいない今条約を破っても
特に不利にはならないだろう
むしろきっとあの米国のことだ
手は回してあるはずだ
ソ連が口を開く
ソ連
「あぁ、その予定だ」
やはり、持っていた刀に手をかける
するとソ連がニヤリと笑う
ソ連
「だから先手を打たないとなぁ?」
そう発言した瞬間
銃弾が日帝の右肩を撃ち抜く
咄嗟に音のした方向を見ると
ソ連兵が数人そのうちの一人が
ライフルを構えているのが見えた
日帝
(クソっ、気を取られていて気づかなかった)
打たれた反動で刀は宙を舞い地面に刺さる
ソ連は刀を地面から抜くとこちらを見る
ソ連
「軽装で来たのが運の尽きだな
しかも仲間もいない諦めて降参するか?」
肩の痛みに耐えながらも体勢を立て直し
次の策を練っている
日帝
(とにかく、この場から逃げなければ)
両者ともに硬直状態で沈黙が続く中
遂にしびれを切らしたソ連が挑発する
ソ連
「ここ最近、連合のやつらに
押されてばかりなんだろう
枢軸国も残りはお前と傀儡国家だけ
もう日本の敗戦は決まったようなものだな」
その言葉にピタリと動きが止まる
ソ連を睨みつける
日帝
「そんなわけがない! 我が国はいずれッ!」
日帝が熱くなっている隙に
ソ連が日帝にバレないように指で合図を送る
日帝
「ッ…!」
日帝が激怒しソ連に気をを取られている隙にソ連兵は日帝の頭を狙い撃った
日帝
「ゲボッ…」
地面に倒れる
口から血を吐き 白い雪には血が広がる
目は焦点が合っていない
ソ連
「これくらいなら気絶で済む連れていけ」
ソ連の命令を聞いたソ連兵は
血が垂れないように様に
日帝の頭を包帯で 巻くと
遠くに止めていた車の後部座席に乗せ
エンジンを掛けた
ソ連は車に乗ると
日帝の頭を自分の膝に置いた
ソ連
「アイツに呼ばれて参戦したんだ
戦利品は貰わないとな」
そう言って勝ち誇ったような顔で
日帝の頭を撫でた。
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最後に読んでいただき
ありがとうございました。
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