テラーノベル
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🎭「で飯綱が〜…」
🐦⬛「さっき聞いたよーその下り…」
かれこれあっちゃんと飲み始めて20分。ただひたすらにメガネくんの愚痴と惚気を聞かされていた。誤爆したのは知っている。あっちゃんがマジで口説き落とそうとしてるのも知ってる。応援したいけど…あっちゃん曰く、「あのガキぁ…『ついにボケたかクソジジイ』っていうにきまってらぁ…」と40秒くらい前に言っていた。まず、あっちゃんをクソジジイって呼べるの尊敬する。怖いでしょ、あっちゃん怒ったら
🐦⬛「…あっちゃんはさ、本気なの?」
🎭「んぁ…?…本気じゃなきゃなやまねーって…💤」
🐦⬛「寝ちゃった…」
あっちゃんが執着しやすい性格なのは知っている。晴明君なんかいい例だ。自分の全てを…人であることを捨ててまで勝ちに行っているのだ。多分、あっちゃんはそう簡単に諦めないだろう。ただ、あっちゃんから聞く限り、メガネくんにそんな気はない
🐦⬛「報われないねぇあっちゃん…」
🎭「ん…」
あっちゃんなりにどうにかしようとしてるのにね…多分、メガネくんの恋愛対象に、あっちゃんは入っていない。ただの上司。それ以上でもそれ以下でもないのだろう
🐦⬛「しょーがない。ここは一肌脱いであげますか!」
あっちゃんの恋が報われないと、僕まで報われない気分だ
🐦⬛「あっっっははは…」
🧣「で?お前はどのツラさげて俺の前に現れてんだ?あ???」
学校終わりに、メガネくんを見つけて、声をかけただけなのに…今僕は地面に頭を押し付けられ、しかも踏みつけられてます…。あっちゃん、孫にどんな教育したのよ…
🐦⬛「いや〜…あっちゃんのことどう思ってんのかなーってさ」
🧣「学園長?」
🐦⬛「そ。…随分とひどいことを言ってるみたいじゃない」
🧣「…」
🐦⬛「君は知らないんだっけか?僕とあっちゃんが妖になった理由」
🧣「…学園長から聞いてる」
🐦⬛「ならよかったよ」
🧣「…」
久しぶりに刀を抜いた。刀をメガネくんの首に当てがってみたけど、目からハイライトが消えただけで他は何も変わらない
🐦⬛「僕にとってね、あっちゃんは特別大事なの。それを…こんなぽっとでのかまいたちに…しかもあっちゃんをクソジジイ呼ばわりするクソガキに取られてたまるかって話なの」
🧣「どーぞお幸せに〜」
🐦⬛「わかんないかなぁ」
🧣「?」
🐦⬛「別に、あっちゃんの好意を受け取るも受け取らないも、君次第だ。だけどね。だけど、好意を踏み躙るようなら、僕は今ここで君を殺す」
🧣「…随分ですね。自分が幸せにしようとか思わないんですか?」
🐦⬛「そうだね。でも、あっちゃんは今頑張ってるの。応援したいんだよ、僕は」
やっと、あっちゃんが晴明君以外に執着できて…晴明君にがんじがらめにされなくてすむから。がんじがらめにされるあっちゃんも、見なくてすむから。みてるこっちが辛いんだよ。昨日飲んで、あっちゃんは一回も晴明君の名前を口にしなかった。ただ、嬉しかった。ようやく、自分の生き方ができてるように見えたから
🐦⬛「僕は、不器用なりに頑張ってるあっちゃんを応援したいだけだよ」
🧣「…」
🐦⬛「…とにかく、踏み躙るのだけは許さない」
🧣「…んな気ないですよ」
🐦⬛「?」
🧣「分かってますから。あの人がクソほど不器用で、コミュ力終わってるのかも、全部。それに、俺個人、人の思いを踏み躙るようなら存在にだけはならないって決めてるんで」
…そっか、うん。これでやっとちゃんと応援できる。芯のあるいい子じゃない。この子なら、あっちゃんを任せることになっても、大丈夫だと思う
🐦⬛「そっか。ありがとね。時間とってくれて」
🧣「…」
🐦⬛「僕は気にしなくていいよ。本当に、応援できる恋なのか確かめたかっただけだから」
🧣「…保護者…」
🐦⬛「そうだよ〜。だから、ちゃんと付き合う時は挨拶来てね。挨拶持ってきて…ね?」
🧣「金…」
🎭「これとこっちやっといて頂けます?」
🧣「多くないですか?」
🎭「貴方達のおかげで私の仕事が増えたので。手伝ってもらおうかと」
🧣「…はいはい」
🎭「そうだ。それと、この前言っていた件ですが、来週こちらに伺う、とのことです」
🧣「わかりました」
☀️「うひゃ…難しい話だ…!」
🍶「飯綱くんスケジュール管理はできるんよな…」
学園長と飯綱が業務連絡に励む中、晴明と凛太郎は仲良く駄弁っていた。が、ほぼ真後ろで行われる業務連絡に気を使い、声を潜めて話していた
☀️「すごいよね…あれ、とかこれ、で通じるんだもんね…」
🍶「返答もはい、はいはい、了解、知らん、ヨロコンデーくらいやもんね…やもんね…」
外野である2人には全く意味がわからないが、あれ、これ。はい、はいはい、了解、知らん、ヨロコンデー。ほぼこれだけで会話が成り立っているのだ。もしかしたら2人は相性がいいのかもしれない、なんて飯綱の前で言おうものなら間違いなく明日の朝日は拝めないだろう
🎭「そうだ。そろそろ正式にお付き合いしましょうか」
🧣「はいはいヨロコンデー…ん?」
☀️🍶「あ」
飯綱が違和感に気づいた1秒後、晴明と凛太郎は自体を察した。飯綱は、半連想ゲームに負けたのだ
🎭「ふふ🤭いいお返事が聞けて苦労した甲斐がありましたね」
🧣「〜〜〜〜〜〜?!ふっっっっざけんな!なにが…、」
いつもなら言い返していたが、飯綱の頭には蘭丸…なんているわけもなく。ただ、以前読んだ本に『無意識に行われる行動こそが本心』と書いてあったことを思い出していた
🧣「…」
🎭「飯綱くん?」
てっきり逆上した飯綱に2、3発拳骨を落とすことになるだろうと踏んでいた学園長だったが、当てが外れた。急に黙った飯綱に、逆に不安になってきた
🧣「…じゃあ、1週間付き合ってみて楽そうだったらいいですよ」
🎭☀️🍶「基準しょうもな…」
こうして、俺と学園長の1週間お試し交際期間はスタートした
🧣「疲れた〜…」
ピンポー〜ーん
🧣「…誰だ?こんな時間に…」
現在p.m.22:42分。凛太郎なら土に埋めるし、晴明なら地面に突き刺そう。学園長はめんどくさいので適当に酒でも飲まして潰せばいいだろう
🧣「はーい」
🐦⬛「やあ、メガネくん」
🍱📕「…」
ドアを開けると、そこには大きな荷物を背負った蘭丸と、なぜお前が、みたいな顔で見てくる梵丸と天丸の姿があった。荷物…?
🍱「悪いな…邪魔して」
ばたああああああんっっっっっっっ
梵丸によって玄関前から引き剥がされた蘭丸。勢いよくドアが天丸に閉められた。??????直後
🍱「おいこのクズ上司!!!!!メガネじゃねーか!!」
🐦⬛「梵ちゃんもメガネじゃない!」
🍱「駄弁ってんな反省しろ! 」
📕「地獄で懺悔しろクソ上司」
ドゴッッッッッッ
…壁、大丈夫だよな?嫌だぞ、俺。お前らが凸ってきて喧嘩して壁に穴開けて俺が学園長に〆られるとか…
🧣「悪夢かね、これは…」
最近、ちゃんと寝れてんだけどな…
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お試しで付き合ってくれーい!