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ゑゐ(えい)
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あるる
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⚠️ヴァインスタッフ×サイス、捏造たっぷり、ブローカーがサイスにクソデカ感情抱いてる
ブローカーは椅子に腰掛け、赤い電話のダイヤルを回す。指の動きは素早く正確で、数字一つ間違えない。電話番号を入力し終えると、受話器を耳に当てて応答を待つ。
十秒。三十秒、一分。どれだけ待っても相手が電話に出ることはなかった。
ブローカーは舌打ちをして乱暴に受話器を置く。がちゃんと音が鳴る。不機嫌な足取りで立ち上がって自室を出て行った。
人々を押しのけながら教会の廊下の真ん中を玄関へ向かって歩いていると、丁度帰ってきたサイスと出くわした。
「お。ブローカー。出かけんのか?」
「サイ…ボス。」
他の信者もいる手前とっさに訂正した。
「ボス、さっき電話出てくれなかったよね」
「そりゃそうだ、外出してたんだからな。」
「…ヴァインスタッフ?」
「ご名答」
軽薄な笑みを浮かべるサイスとは対照的にブローカーは口をへの字に曲げて顔をしかめる。
「で、わざわざ電話するなんて何か急用でもあったのかい?」
「…明日のミサのことで、お父様から侍者達に話があるからって。一時間後に会いに行って。」
「あぁ、なんだ。いやぁね、あたしゃてっきりあんたの個人的な用事かと思ったよ。」
「…」
ブローカーの異様な表情をサイスは汲み取った。玄関口で話し込むのは周りの人に迷惑なので、二人は場所を変えた。
西日がステンドグラス越しに青く差し込む礼拝堂にいたのは二人だけだった。長椅子の一つに並んで座る。
「どうしたんだい、そんなシケた面して。あたしがあの子とデートに行ったのがそんなに気に食わないのかい?」
「…それは良いんだよ…別に…でもさぁ、サイス」
サイスは体を傾けてブローカーの顔を覗き込んだ。
「お祈りとか、教会の事を疎かにするのは違くない…?まるでメディキットみたいじゃんか…」
うつむいたまま呟くブローカーの声は普段より低かった。いつも笑顔と愛嬌で取り繕っていた化けの皮がは剥がれている。
「…」
サイスは傾けていた体の向きを戻し、ステンドグラスを見上げる。
「…そうだねぇ。たしかにメディキットみたいだ。あいつ、教会に関してはとことん不真面目だからねぇ。」
「…改善してよ。ムカつく。」
「嫉妬してるのかい?」
「ふざけないで」
ブローカーの手がサイスの耳を引っ張る。
「いてててて悪かった悪かった!」
ひりひりする耳を抑えながらもサイスは笑っていた。
「わかったよ。改善する。本当、すまなかったね、不安にしちまって。」
ブローカーは黙っていた。サイスのほうに一瞬視線を移して、頷くだけだった。
「ねえ、ヴァインとどんなデートしてたの?」
「気になるのかい?大したことじゃないよ。談笑したり、美味いもん食ったり。」
薄暗い礼拝堂で二人は時間が来るまで会話を続けた。
書類を見る。友人に頼んで撮ってもらったデート中のサイスの写真が添付された資料。彼が見かけたとき、彼女が何をしていたかが細かく書かれた資料。笑う彼女の隣にはピンク色の角を生やした柔らかい雰囲気の女性。無意識に手に力が入り、紙に皺がつく。再びサイスに視線が戻る。素の笑顔。普段は早々お目にかかれない、貴重かつ危険な表情。彼女のこの笑顔が教会に牙をむかないことを願うばかり。
写真に写るサイスの顔を指でそっとなでる。
「大丈夫だよ。もしこの阿婆擦れが君を誑かしたら、僕がちゃんと守ってあげるからね。サイス。」
コメント
1件
おお、16話か……。このブローカー、サイスにガチでデカい感情抱いてるなってひしひし伝わってきたわ。嫉妬と心配が入り混じったあの「改善してよ」のセリフ、めっちゃ刺さる。ヴァインスタッフのこと警戒しつつ、でもサイスのことは信頼したいっていう葛藤がにじみ出てて、すごく人間らしい。こういう感情の解像度の高いやり取り、大好きだわ。