TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

………Side 真莉

多分響さんって、完全なる理系の男脳で、すごくデキる人なんだと思う。


なのに、あんなイケメンで、意外に女子には疎くて。


琴音に関しては、不器用でしかないところも、結構いい。




いろいろ不穏な話は琴音に聞いたなかで、

誘われて行くことにした温泉旅行。


車に乗ってみれば感じる、大いなる違和感。


なんだこの…優菜って子は。


幼なじみだって言うけど、2人の邪魔をしたいのか?



様子を見ていれば、響さんにかまってほしそうにうろつきながら、車酔いした琴音を気遣う響さんの向こうから、心底心配そうに覗き込んだりして。


…悪い子じゃなさそうだな。


車に戻ってきたと思ったら、肩を落として響さんに怒られたとぼやく姿が子供っぽい。


「響さんのこと、好きなの?」


聞いてみれば、ポッと頬を染める姿がなかなか可愛らしい。


そのまま伝えてみれば、ますます赤くなる顔。


意外と、純情なのか…?



「あんまり…2人を邪魔しないほうがいいと思うけど。響さん怒ると怖いでしょ」



「す…好きっていうか、響は皆のものなのに、琴音だけ特別扱いされてるから…」



…好きなんじゃん。w


そこまで話したところで、2人が車に戻ってきた。



「…名字が真莉って…すごく珍しいね〜」



あからさまに話を変えるから、思わず笑ってしまう。



「内緒にしといてやるから、あんま邪魔すんな」



耳元でコソッと言って、俺は話を合わせた。



それからはちょっと態度を変えた優菜。


それでも2人が同じ部屋なのは許せないらしい。




諦めろよ。

…俺みたいに。




わかりやすい響さんの思いに当てられて、食事が終わって2人にしてやろうと思い立つ。


鈍いのかわざとなのか、気付かない優菜の手を取ってやれば、それくらいの接触で顔を赤らめる優菜にも「…お?」と思う。



「ちょっと…!外に行くんじゃないの?」


エレベーターに乗って、上の階を押す俺に、大きな目がわずかに強くなった。


「ま、いいから…ついてきて」


優菜の内心を読んで面白くなった俺は、握った手をわずかに強くして…俺と響さんの部屋の前まで連れてった。


「な、なに?」


手を繋がれてるのに、後ずさりして俺と距離を取ろうとする優菜。


…こういう反応、嫌いじゃない。




…………


「靴下はいいっ!下駄が履けなくなる!」


「この辺は冷えるんだろ?東京と違って」



そう思ったから持ってきたのに、靴下は押し返され、マフラーだけ巻いて行くという。



「まぁいいや。そんじゃ、行くか」



外の散歩に付き合わせるお嬢さまには完全な防寒をさせて、俺は優菜と2人、旅館の外へ出た。



……………


スパダリは甘くない

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

28

コメント

1

ユーザー

あらららら〜真莉ちゃん😳 これはこれは… えーっ… 新たな恋のはじまり??? 響、ライバル1人消えるかも🤭

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚