……………
部屋を出ていく2人に、「行ってらっしゃい…」と手を振って見送ってみれば。
「…!?」
瞬間、ゼロになる響との距離。
いつの間にか響の足の間に座ってて、後ろからウエストをギュッと抱きしめられてる…
肩に顎をのせて「琴音…」って…切なげに呼ぶ声が、耳のすぐ近くで鼓膜を揺らす…
「浴衣、すごく可愛い…」
「…!」
「髪もアップにして、うなじがキレイだ…」
言いながらチュ…っと、そこへ何度もキスが落ちてきて、耳たぶも甘く噛まれて…
響の色っぽさに、完全降伏…
初めて感じるキュンキュンする感覚。
自分の心臓がうるさいし、なんか…なんか…
「私、変かも…」
なんでかな…もっと響に触れたい…
「響…」
振り向いて、響の首に両腕を絡ませて、思い切り抱きつく。
甘えたい…くっつきたい…こんな風に思うのは、再会してはじめてかも。
「…好き」
耳元で囁くみたいな声で伝えたら、響はわかりやすくビクっとした。
私を恋に落としてみろって言ったことを思いだす。
こんなこと言ったら負け?
でもいい。響の思うつぼでいい…
今は言いたい。響に好きって伝えたい
「俺のほうが100万倍好きだから…」
だからお前の負け…って…。
どっちにしても響の勝ちなんだ…と、笑ってしまう。
「なによゆーで笑ってんの?」
私の両脇に手を入れて、座椅子に座って足を伸ばす響の膝に、跨るような格好で座らせた。
浴衣の裾が大きく捲れて…浴衣の合わせ目から、太ももが覗く体勢がちょっと恥ずかしい…
慌てて隠そうと手を体の前にやると、不意に何か、硬いものに触れた…。
もしかして…!
ヒヤリとして手を引っ込めて、動揺を隠すように響に抱きついた。
「ビックリすんなよ…」
ちょっと笑われたあと、体を離されて…熱い唇が重なった。
チュッて…リップ音がする。
何度も何度も、角度を変えて…私を啄む響。
その柔らかさと熱さに、トロン…と感じてしまう…
そのうち自然に唇が開いて、その隙間から響の舌が入ってきた。
「…琴音…」
舌を熱く絡みあわせ…それが気持ちよくて、恥ずかしいのも忘れて響に抱きつく。
なんで今日はこんなに積極的になれるんだろ…
響の素直な謝罪と、2人の前でも私への愛情をわかりやすく示してくれたから…?
「…響…ひび…き」
小さく名前を呼ばれて、響の腕がぎゅっと私を胸に閉じ込める。
「もうこのまま…2人っきりでいたい」
切なくて甘い声に、私からも抱きついた。
出かける前は、少しピリついた空気で、甘いとは言えない雰囲気の私たちだったのに…。
ほんの少しのきっかけさえあれば、こんなに甘くなるなんて、聞いてない。
重なる唇…チュッというリップ音…初めて聞く。
キスをしながら、無意識に響のことを呼んでいて、響の吐息がどんどん苦しそうに、早くなっていく…
ふいに、伸ばされた響の足が動いて、膝が立つ。
必然的に跨る私も前に移動して、さらに響との距離がなくなった。
ドキドキする…
お酒を飲んでるからかな…
目の前の響が、飽きもせず整った唇を寄せ、触れ合う直前で…「舌を出して…」と吐息まじりに囁く
言われた通り、震える舌を差し出した瞬間、熱くねっとり絡んできて…それだけで声が漏れてしまう…
「…部屋に、行く?」
問いかけながら、響の舌が首筋を這い、浴衣の合わせ目がそっと開かれる。
覗いた鎖骨の下に、口づけが移され、舐められると…
「あ…っぁん…」
…変な声が出て赤くなる。
「…可愛い反応…サイコー…」
それを響に見られれば、さらに赤く染まる頬…
「…は…かわいすぎ…」
初めて見る…余裕のない瞳。
「…んっん…!」
いつの間にか開かれた胸元から膨らみか晒され、響の唇が這うのがわかる
瞬間、チリっと痛むそれは、多分赤い華が咲いた印…
「部屋まで待てない」
畳に仰向けに倒された。
大きな手が…浴衣のなかの胸を探り当て、やわやわと揉まれてる…
「…やん…!」
指が先端をかすめて、変な声が出ちゃう。
それを合図にしたみたいに、響の手が胸から少しずつ下に伸びていく…
「…や、ダメ。だめだよ…こ、こんなとこで」
「わかってる…ちょっと触るだけ…」
伸びていく大きな手…内腿にたどり着いた時には、もう一度変な声を上げてしまう…
「ま…待って…響…」
ここは部屋じゃないんだから、いつ仲居さんが入ってくるかと…ドキドキを通り越してヒヤヒヤする…!
私の焦りも知らずに、響の手は、少しずつ内腿を開いていく。
「…濡れてる…?」
「…!」
そんな色っぽい目で聞かないで…足の力が緩んじゃう…
そう思ったとたん…響の指が敏感な場所を引っ掻いて…
「や…っ…はぁ…っ!」
こんなところ、人に触られたの、初めて…
恥ずかしくて…でもどうしようもなく、感じる…
下着のクロッチ部分から、指が滑り込んできて、縦にヌル…っと撫でられた。
…自分じゃないみたいな声が上がる。
「濡れてる…気持ちいい?」
「だ…だめっ…もう終わり…に、してぇ…」
やがて名残惜しそうに指を離した響。
なんとなく…モジモジ落ち着かない。
ドキドキは止まらなくて、指が触れていった部分がジンジンしてる気がする…
私を起こして、また自分の膝の上に跨がらせる響。
ゴリっ…
「…っ?!」
さっきと同じように、膝を立てた響の膝に座らせられると…さっきも感じてた硬いモノが、当たる…
コレって、もしかして…!?
意識した瞬間、顔に熱が集まって、赤くなっていくのがわかる。
う、上に座っていいのかな…
痛くない…?!
とっさに響に顔を向けると、蕩けた色っぽい表情は変わらず、美しい唇の口角は上がってる。
なんか…企んでるような、悪い笑顔…?
「…痛くないよ」
「え?」
「柔らかいもん。お前のココ…」
ハッと息を飲んでしまう…
下半身に意識が集中してしまって、さっき触られた感覚がよみかえる…
「動いてみな」
「…え…そんなの…」
「キモチいいとこに、擦りつければいい」
言われなくても…さっき響に触られた敏感な部分はすでに当たってて…
なんとも言えない感覚を呼び起こす…
響、見たことないほど色っぽい目で私を見て、胸元にキスを落とした。…
かすかに…下半身を揺らしてる…?
それが、敏感な部分に当たって、こっちも変な声が出ちゃう…
「あ…んっ…ひび…きっ…」
「…キモチいい?」
コクン…と頷くと、少し体勢を変えた響の指が、再び私の敏感な場所に伸びた。
こすられて、なぞられて…早いスピードで動かされれば、初めての快感に、熱が集まって弾けそうな感覚…
「あ…なんか変…ひび…きっ…」
「…かわい…っ」
そう言われた時、恐れていた仲居さんの声が、襖の向こうから聞こえてきた。
とっさに少し待ってくれるよう返事をする響。
そして…
再び動かされる指…
「…待ってっ!ダメ…あっ…ぁんん…っ」
襖の向こうに人がいる…必死に声を押し殺しているのに、響の指は止まらない…
溜まっていく快感が弾けて、ジンジンと広がる初めての感覚に…腰が震える…
はぁはぁ…と息をつく私を満足気に見つめ、意地悪く笑う響…。
「…その顔…エロ…」
そう言いながら、名残惜しそうに私を立たせ、裾を直して襟元もきっちり合わせてくれた。
そしてもう一度チュッとキスをして、座ってた座椅子に座らせてくれた。
響もちゃんと浴衣を直すよね…そう思って無意識に下半身に視線をやってしまった
その時…
黒いボクサーパンツを大きく盛り上げている部分が目に入った。
「…っっっ!!!!!」
それが何なのかわからないほど子供ではないつもり…。
だって、ついさっきまでそこにまたがって、下着越しに刺激を与えあってたんだから…
と、ここまで考えて。
あまりにアダルトが脳内を占拠してて困る…。
目の前の日本酒をぐいっと飲んで、正気に戻らなければ…!と強く思った。
「失礼いたします〜」
仲居さんが愛想よく声をかけながら襖を開けると、その後ろに真莉ちゃんと優菜ちゃんが立っていた。
…その瞬間、何故か頬が燃えるほど熱くなる…!
「終わった?…それじゃ…部屋、戻る?」
真莉ちゃん…なに「終わった」って…。
「う、うん。そうだね…ふ、2人ともお散歩できた?すごい早くなかった?」
赤い顔を隠しながらそう言ってみれば…
「40分も外歩かされたんだけど…!」
優菜ちゃんがなんとも言えない顔で、
ぷうっとむくれて見せた…。
………………
真莉ちゃんと優菜ちゃんが戻ってきたので、部屋に戻ることになった。
途中響が、私の腰を抱いて、エレベーターの中ではこめかみにキス…
「まったく…わかりやすくチュウチュウと…!」
優菜ちゃんに言われて響から離れようとしたけど、その腕から逃れることはできなかった。
そして翌朝…。
朝食バイキングの席で、真莉ちゃんがコソッと教えてくれた。
「琴音、今日帰ったら覚悟しといた方がいいぞ?」
「なにそれ…」
「響さんの寝言、全部『琴音』…!浴衣とうなじ効果は相当だったみたいだな?」
ボッと顔に火がついた…。
やめてよ寝言とか…!
昨日は結局、あれから男女に別れて寝たし、初めて…はお預けのまま。
昨日響に好きって伝えたこと…覚えてる。
もう…抱かれる覚悟はできていた。
それが自然だと思えるほど自分の気持ちもハッキリした。
すべては…優菜ちゃんが計画してくれた温泉と、さりげなく配慮してくれた真莉ちゃんのおかげ。
私がバージンって知ってから、響も関係を深めるタイミングをよく見ていてくれたと思う。
だから…この時は、ついに私と響もラブラブカップルになるんだ!なんて思っていたんだけど…。
コメント
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思っていたんだけど、が気になるんだけど、だけど、 「俺のほうが100万倍好きだから…」 「舌を出して…」 この2つの言葉、響の甘く囁く声にヤラレタ💘