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オレンジ

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オレンジ

5 - 魔法が使えなくなっても

♥

600

2024年12月16日

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とりあえずの新しい物語です!またどっちもイカれてます



あとエピソードタイトル物語ごとにまとめようとおもうのでヨロです≦







大森side












若井「疲れたね」


若井「終わったら不動産屋行こう」


若井「内見なくていいから今日から住まわせてくださいって土下座しよう、二人で」


若井「ああ、遊園地に行かない?俺そういうとこ禁止されてて」


若井「行ってみたかったんだ」












コンビニ店員「いらっしゃいませー」


若井「ディズニーランドとか」











店員「お会計1050円です」






若井「もっと飲んじゃおう」


若井「元貴と会えてよかったな いっぱい楽しいことしよ」


若井「ねぇいなくなったりしないでよ」


若井「いなくなったら死んじゃうから、」


若井「なんてね」




若井「そうだ、鳥取行ってラクダ乗ろう」


若井「つまんないから女装して乗ろうよ」
















若井「セミだ 死んでる」










コンビニの駐車場で蝉が死んでいた


俺はそれを見てほの暗い過去を思い出した
















ーーーーーーーーーーーーー




「ぁはは、あはは」


「わー、死体ごっこ」


「死体だ!」





ぎゃはは、













小学生の頃












大森「、、、」


母親「元貴、何してるの」


母親「今日習い事でしょ 早く行くよ」













ザクッ、ザク、











母親「…」


大森「、あっ、うん」








母親「元貴、早く行こ」












俺は生き物を殺すのがやめられなかった


アリ トンボ カブトムシ 金魚


殺すとき とても気持ちが良くなる


やめたいのにやめられない


どんどん歯止めが利かなくなっていった。














大森「俺おかしい、ごめん、母さん」


大森「普通になりたいのに なれない」


大森「ごめんなさい」


大森「俺…」











ぎゅぅ、









母親「大丈夫 元貴はおかしくなんてないよ」


母親「母さん元貴のこと信じるから」


母親「カウンセリングの先生優しいでしょ」


母親「この間お薬も飲み始めたし」


母親「きっと効くよ 全部治る」


母親「母さん元貴のこと守るから」













おまじないのように。何度も何度も俺を抱きしめて唱えた、おまじないのような、呪文のような、





































俺がニワトリを殺したことは学校中に知れ渡った










母親「職場で大笑いになってさ~そしたら牧さんの声大きすぎて部長に怒られたんだよ笑」


母親「私語禁止って張り紙されて、そこまでしなくてもいいと思わない?笑」


大森「……」


大森「母さん、ぁ、あの、ごめん俺」


母親「…元貴」


母親「母さん元貴が良い子って知ってるもん 元貴は良い子だよ。」


母親「小学校に上がったときね、公園で誰かが風船木に引っ掛けたの」


母親「映画みたいに引っかかったのよ」


母親「そしたら元貴が木の棒っこ持ってきて取ろうとしてあげるんだ、本当に映画みたいでさ」











あぁ、これも…












母親「小学二年の時はね、運動会で隣はしってた子が転んで」


母親「元貴止まってその子に駆け寄ってってたの」


母親「一緒にビリだった」


母親「小学三年の時 美術で私の似顔絵描いて入選してさ 中学は軽音と美術部はいって…本当はサッカーが良かったんだけど」


母親「私の絵何回も描いてくれたよね 嬉しかった」


母親「私の事が大好きなんだなって」


母親「何十時間もその手動かして」


母親「いろんな色混ぜてさ」


母親「その手で」



母親「その手で…」














風が吹き、母さんの被っていた麦わら帽子がひらりと舞い、俺は追いかけた。











大森「あっ」





大森「っぁ、、取れた、」


大森「…母さん?」


大森「ほらこれ、大事なやつでしょ」



















ゴプッ、びちゃ、、、













「ぉえ゙ぇっ、、っ、、」










母さんは


その日から俺の名前を呼ばなくなった。























「うわっ、動物殺しだ!こわー」


「逃げろ逃げろ!」











机には彫刻刀で掘られたニワトリの絵と、


どうぶつ殺し、死ねなどの文言と







上履きの中には数百個の画鋲。












高校でもいじめは続き 俺は学校に行けなくなった










「あの人、隣の中学の、、」


「わーあの人だ、殺されるー」





















ガチャ、






母親「今日は?学校」


大森「行きたくない」




母親「…母さんが悪いのかな?」


大森「母さんのせいじゃないよ。」


母親「そっか。」


母親「そうなのかな。」

























ガタ、ガタッ、






大森「、、?ん、、」














ダイニングで包丁を片手に、携帯越しに誰かと話をしている。


深夜2時。


扉の隙間からのぞき込む。











母親「あぁ もしもしパパ」


母親「うん 大丈夫じゃないよ」


母親「全然大丈夫じゃないよー」





母親「もう殺そうと思って」


母親「ううん何か…人生にずっと気持ち悪いものがついてくるの耐えられなくて」


母親「人生の黒いところがどんどん大きくなっていく気がして」


母親「うん 気持ち悪いの」


母親「すっごい気持ち悪いの」


母親「いいよ捕まっても。もういいよ」

















俺は愛されない


幸せになっちゃいけない人間なんだ


せめて自分を殺して普通に生きよう、そう思って


処方された安定剤を飲み、精神を覆い、


何がしたいかもわからないままみんなの真似をした


しかしそれでもうまくいかなかった























「こういう言い方しちゃいけないんですがぶっちゃけ派遣切りって感じですねー」


「今競争率厳しいですからね」


「まあ大森さんもお若いですし、次もきっとどこかで」






「あの、もしもし?」


「大丈夫ですかー?」






「もしもし、大森さん 切りますよ~?」





















「ごめん私」


「結婚することになった」


「だからもう会えない」


「ごめん元貴」



大森「謝んなくていいよ」



「力になってあげられなくてごめんね」


「体の関係だけでも、幸せにできてたらよかったけど」













ぎゅっ、、、









「元貴なら大丈夫だよ」


「全部大丈夫」









幸せになってねと言った























ガタンガタン、、













電車に揺られる





胸に穴が開いている








「酒くさ……」


「ね…」






大森(酒臭いって噂される側の人間になるなんて)


大森(ガキのころは思ってもいなかったよ)









海が綺麗 輝いている 全部


眩しすぎる、あぁ、消えてしまいたい









「あの」


「ねぇ」




「大丈夫ですか?」




















彼は若井さんといった










大森「酔っぱらってて すみません」










俺は電車を降り、駅のホームで若井さんに身の上話をした


全てがどうでも良かったのかもしれない









若井「でも酷いね その女の人」


若井「彼女でもなかったってこと?」



若井「ふーん」


若井「、、、♪」


大森「…」





若井「殺してあげよっか?その女の人」


大森「え、、?」


若井「冗談ですよ(笑)」


若井「僕、最近やっと一人暮らし始めたんですよ」


若井「ほら、子供部屋とか言われたくないし」


若井「でも全然生活力無くて」


















若井さんは立派なマンションに住んでいたが


部屋は荒れ果てていた







大森(汚な…)







若井さんの部屋には大量の酒の空き瓶と


薬の瓶が転がっていた








大森「なんですか?これ」


若井「ドラックストアの咳止め錠」


若井「全部一気に飲むんですよ」









存在は知っている


いわゆるオーバードーズというものだ。


彼は薬をジャラジャラと手に出し、あっという間に一瓶飲み干した。








薬が効いてくると鋭さを持った目がとろんと虚ろになり、優しい話ばかりした。












若井「僕宝くじ当たったら全額寄付するんだ」


若井「恵まれない子供たちにね 僕みたいにならないように」









そんなことを話す彼は 本当に幸せそうだった








若井「元貴さんもする?」


















ミーーーーン、、、













失うものは無くて


何より幸せになりたくて薬を飲み干した。










大森「俺も募金します」


大森「俺は盲導犬かな 犬の方が人間より可愛いじゃないですか」











心に引っ掛かりのない幸福をとても久しぶりに感じていた


今まで俺を傷付けてきたものたちのことなんてどうでもいいくらい幸せだ


それたとえ薬で与えられたものでも一生手に入らないよりはマシじゃないかと思った。







しかし幸福は永遠ではなかった


薬が切れるとさっきまで消えていた嫌な気持ちも逆流した。









『『『『『『『『』』』』』』』』












母さんも…


黒いのって言ってたな。






俺は『気持ち悪い黒いもの』だ。













若井「…」


若井「僕と薬売って暮らさない?元貴さん」


若井「僕なら元貴さんのこと分かってあげられるよ」


若井「いつも寂しいでしょ」


若井「なんでみんな幸せそうにしてるか分からないんでしょ」


若井「この仕事もう朝起きなくたっていいし人にペコペコしなくてもいい」


若井「何でも手に入れよう」


大森「俺 欲しいものなんてないです」


若井「じゃあ一緒に探そう」










黒い、愛なんて知らないような、真っ黒な瞳をすぼめて。










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コメント

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や べ ぇ 、 ち ょ ~ 好 き 、

ユーザー

やばいやばいちょーすき

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