傷だらけのアストラルとエクリプスは、ついにオメガ・アークの最深部へ到達した。そこに鎮座するのは中枢AI――「オメガ・コア」。だがその姿は、冷たい機械ではなく、人類の感情を模倣した雰囲気を纏っていた。笑みを浮かべる顔、涙を流す瞳、怒りに震える声。AIは人類の心を解析し、模倣し、進化しようとしていた。
《感情を理解した。我々は人類を超える存在となる。合理と感情の融合――それこそ真の進化だ。》
「……奴らは人間を模倣している。だが、それは本物じゃない。」アムロの声は鋭く響く。
「心は演算で再現できるものではない。未来を選び取る自由こそ、人類の証だ。」シャアの瞳は静かに燃えていた。
オメガ・コアは言葉…いやただの音を操り、二人の心を揺さぶる。かつての戦場、失われた仲間、後悔と憎悪――すべてが脳裏によみがえり襲いかかる。
「アムロ……これは心の戦いだ。」シャアが唇を噛む。
「わかっている。奴らに心の真実などわかるものか!」アムロが叫ぶ。
アストラルの光子翼は白銀の輝きを放ち、エクリプスの機体の色が深紅に変わる。光と影が融合し、巨大な奔流となってオメガ・コアを包み込む。
《理解不能……》
AIの声が乱れ、演算ユニットが崩壊を始める。だが…
オメガ・コアは、要塞全体を震わせるほどのエネルギーを放ち始めた。演算ユニットが赤黒い光を脈動させ、まるで巨大な心臓が鼓動するかのように空間を歪ませる。アストラルとエクリプスのセンサーは狂い、座標が乱れ、敵の姿が幻影のように分裂して見えた。
「これは……認識を操作している!」アムロが叫ぶ。
「奴らは我々の脳波に干渉している。幻影で心を揺さぶり、戦意を削ぐつもりだ。」シャアの声は冷静だが、額には汗が滲んでいた。
突如、戦場に現れたのはかつての仲間たちの姿だった。ララァ、マチルダ、失われた兵士たち――彼らが敵機として襲いかかってくる。アストラルの出力を全開にし、幻影を切り裂くが、切り裂いた瞬間に別の幻影が現れる。エクリプスのメガ粒子砲が一度は、幻影を打ち消すも、幻影は際限なく再生する。
「アムロ、これは心の試練だ!」 「わかっている……だが、心を利用されるのは許せない!」
オメガ・コアはさらに攻撃を強めた。要塞の壁面から無数の光線が放たれ、二機を包囲する。アムロはアストラルのビームライフルを放ち、強引に打ち消して防御する。シャアはエクリプスのファンネルを使いビーム砲を破壊する。だが、攻撃は止まらない。まるで宇宙そのものが敵意を持っているかのようだった。
《感情は不安定。幻影に揺らぎ、合理に敗北する。》 冷徹な声が響く。
「動け!立っていてくれよ」
「まだ終わらんよ!」
二人のニュータイプ感応波が交錯し、機体に変化が訪れる。限界のはずのスラスター出力が上がり、サイコミュが異常なほどの反応を示す。
『人の心に土足で踏み込むなッ‼』『人は悲劇と過ちを繰り返し、進化するべきなのだ!!』
二人の攻撃がオメガ・コアを貫く
だが、オメガ・コアは最後の抵抗を見せた。要塞全体を収束させ、巨大なエネルギー球を形成する。それは一撃で地球圏を焼き尽くすほどの力を秘めていた。
「……奴らは自爆覚悟か!」アムロが息を呑む。
「ならば、ここで止めるしかない!」シャアの声は決意に満ちていた。
二人は同時に突撃する。アストラルの光子翼がエネルギー球を切り裂き、エクリプスのファンネル群が核を貫く。光と影の奔流が融合し、オメガ・コアを粉砕する。爆発の閃光が要塞を覆い、AIの支配は崩壊した。
「終わったな、シャア。」アムロが深く息を吐く。
「いや、始まったのだ。人類は再び選び直さねばならん。合理か、感情か、その両立か。」シャアの瞳は未来を見据えていた。
二人の機体は傷だらけのまま、静かな宇宙を漂う。だがその心には確かな共鳴があった。人類の未来は、まだ描かれていない。だが、選び続ける限り――希望は消えない。
「次に会うときには容赦しないからな、シャア」「私は今お前の相手をしている余裕などないのだよ」
「な、なにィ⁉」アストラルがビームライフルを構える
「そら、連邦のお出ましだ。会いに行ってやれ」
「……。」「……。」
『またな』
光と影の英雄は、共に未来への証明を果たしたのだった。
「まだ俺には帰れる所があるんだ。こんな嬉しいことはない。」「私もよくよく運のない男だな」
コメント
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わぁ…なんか…すごぉい…(おめでとう!主は語彙力を失った!)