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高校生パロディです。
jnt目線です。
夏の生ぬるい空気、耳障りな蝉の鳴き声、青い葉が生い茂る木々。頬を伝う汗をそのままに、窓の外をただぼんやりと見つめていた。
夏休みまで、1週間を切った。
教室内は進路のことだとか、夏休みの予定がどうとか。そんなことを浮かれて話し合う人がほとんどの中、
教室の隅で窓越しに景色を見つめている生徒が一人_吉田仁人が居た。
(みんな何がそんなに楽しみなんだか。)
高校三年生。
進路に向かってそろそろ頑張らないといけない時期だというのに、勉強そっちのけで夏休みをどう楽しむかについての議論だけはどんどんと進んでいくこの空気が、どうにも理解できなかった。
他人事のように眺めながらも、少しの羨ましさと、少しの嫌悪を感じていた。
そんなことを考えていたら、ふとこんな会話が耳に入ってきた。
最後だし、みんなで花火見に行かない?
誰かがそんなことを大声で口に出した。
たちまち教室は賛成の声で溢れかえり、否定する者は誰一人見受けられなかった。
…というか。
“みんな”?
それは、俺も入ってる?
いやいや、クラスの人とほとんど会話を交わさなかった自分が入ってるわけ…
『だってさ、仁人もどう?楽しそうじゃない?』
「……え?」
名前を呼ばれて顔を上げる。
そこにいたのは、クラスの中心にいるような人物だった。
太陽みたいに明るくて、誰とでも自然に話せるような、いわゆる陽キャ。
_佐野勇斗。
しっかりとこちらを見る瞳も、屈託なく笑う顔も、昔と何も変わっていない。
…なんで俺?
いつも話しかけてこないくせに。
それに、
関わりなんて、もうとっくの前に消えたはずなのに。