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──────数刻前


──────ルカさん視点──────

信じられない信じられない。そんな嘘に惑わされない。

だって、だって確かにひなは…ひなは俺の妹なんだ。

そんなことを思いつつ、先程拾った純白の美しい羽がひなが人間では無いことを告げる。これが、天使のすることか。違う、ひなは天使なんかじゃない。れっきとした人間──────

そこまで言いきって気づく。人間と吸血鬼との間に生まれた子は人間になる可能性はあるのか。そもそも、よく考えたら父親の顔は思い出せるのに母親の顔は思い出せない。なんで、

なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで。

そこまで考えながらもいつの間にか自室の前まで来たことに驚く。自然と体が自身の部屋まで運んでいたらしい。そのまますっかり力が入らなくなってしまった手でドアを開く。


自身の部屋につくと直ぐに脱力してしまう。後悔と自らへの非難が押し寄せ、記憶、目を疑う。

なぜ、今まで気づかなかったのか。母親の顔を思い出せない時点で勘づくはずなのに…いや、記憶が酷く曖昧だ。いや、正確には幼少期のだ。俺の何が妹をアイし、信じ、それ以外を望まなかったのだろうか。何が自分の考えで、どこまでが俺ではない、他ならざるものに仕組まれた感情なのか。俺にはもう分からない。


ふと、視線を羽に落とす。微かに光を放つそれは俺を慰めようとほんの少しだけさらに光る。これが天からの授かりものか、なんて思ってもないことを思う。天使に地獄におとされる。なんとも皮肉な話だ。やっぱり神も、天使もいたとしても、救おうとはしないのだ。

そんな分かりきったことを何を今更信じているのか。そんなものとうの昔に捨てた考えではないか。


──────ガチャリ。

その音で扉が開いたことを認識する。そういえば鍵を閉め忘れた、なんて脳天気なことを思う。

入ってきたのはみぞれさんかめめさんあたりだろう。そう思って振り返ればそこに居たのはガンマスさんだった。少し意外だが、正直どうでもいいような気がする。

と、言うよりも今はひとりで考える時間が欲しい。気持ちの整理をしたいのだ。このどうしようもない感情を他人にぶつけたくないし、ぶつけたとしても迷惑なことくらいわかっている。


「…でてってください。」


本当ならばもう少し柔らかな表現を使いたかったがそんなことに気を配る余裕なんてなかった。しかし、ガンマスさんは聞こえていないかのように部屋から出ていこうとしない。


「嫌です。」


ガンマスさんの表情はいつもつけている謎の紙のようなもので見ることは叶わなかった。しかし、口元には微笑むをたずさえており、柔らかな印象を受ける。不思議と心地よいように感じるがそんなことは関係ないのだ。

俺はまた、言葉を繰り返す。


「でてってください。」


少し強めで言う。それでもガンマスさんは部屋から出ようとしない。ガンマスさんは今度は無言でくずり落ちたかのように座っている俺の元へとよる。今考えればこの仕草はだいぶ失礼な気がする。しかし、この姿勢の方が楽なため変えようと思わないし、帰る必要性を見いだせなかった。


「ねぇ”*ッッ*でてってください*ッッ*!!!」


今度は感情に任せて。誰も、誰も俺の気持ちを理解してくれないんだ。自身の感情を弄ばれた悔しさが今になって思い浮かぶ。全て、全て仕組まれていたんだ。どこからだ。俺の人生は誰かの興味本位で壊されるものなのだ。そんなことを知ってしまったらまともな精神状態でいられる訳が無い。


「でてけよ…*ッッ!!!*」

「…。」


ここまで無言だと怖いものがある。ただ、もうそんなことどうでも良いのだ。今、俺の感情を振り返るとどうだろう。ひなのことでいっぱいだ。裏切られたのに。俺の心を八つ裂きにしたのに。なんでなんだろう。許さない、憎い、そんな感情はひとつも湧き出てこない。むしろ、悲しみやショックの方が強い。


「…ルカさんって、ひなさんのこと、どう思ってるんですか?」


ガンマスさんはハンカチを取りだし俺の目元に当てる。そのハンカチは水分を吸い取るように濡れる。あぁ、そうか。涙がでていたのか。忘れていた。ガンマスさんは意地でもこの部屋を出ないようだ。脱力しきった体でいつでも臨戦態勢を取れる人に簡単に勝つことは出来ないだろう。

根負けした俺は話し始める。


「そりゃあ、愛してますよ。今まで唯一、信用も信頼もできる大切な大切な妹なんですから。それに人間なんですよ?脆くて、儚くて、すぐに亡くなる…。そんな残酷な種族に生まれたにもかかわらずその美しさと可愛さ、可憐さを兼ね備えた人類最高傑作。だから、守るために眷属に──────」

「眷属にしたんですか?天使を?」


俺が表情を見せないように顔を背けながら話しているとガンマスさんは変なところで話を区切る。


「?しましたよ。」

「…どんな風に?」

「え、いや──────」


そこで気づく。あれ、俺──────


「どうやって眷属にしたんだ…?」



















ここで切ります!昨日投稿しなくてすみません。最近夜更かししすぎて1日だけスマホ没収されたんですよね…。本当なら番外編でハロウィンをやろうと思ったんですけど少し過ぎてしまったし、時間もなかったので出来れば次回に書くか、スルーしようと思います。せっかくならハロウィンイラストも描きたいので。…どのキャラがいいか要望があれば教えてください。描きます。なければ私の推しを描きます。


それでは!おつはる〜!!

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