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sakkun side—–
ただ目が合うだけで
ふいに笑いかけられるだけで
どうにも愛おしくて
俺を見る目が揺れて
俺に触れる指先が
微かに震えるのに 気づいただけで
こんなにも狂おしくて
好きと自覚してしまうまで
「恋」ってやつが
こんなに自分を支配するなんて
思いもよらなかった。
お前に 見合うように
俺はちゃんと
想いを 返せるのかな。
お前にもっと
好きに なってもらえるのかな。
ねぇ、蓮。
お前は こんな拙い
俺の全てを
受け止めてくれる?
蓮から告白をされてからもう2週間が経とうとしている。
あの日の夜、蓮から告白を受けてちゃんと付き合う事になったのはいいんだけど・・・。
有難いことにお互いにめっちゃ忙しい身。あれからまったく2人では会えてない。
仕事が終われば家には帰れるけど、俺に時間ができても蓮が仕事だったりで、そりゃあもう笑っちゃうくらいタイミングが合わない。
s:・・・・・はぁ・・・。
ため息も出るってもんだ。すでにあの告白は幻だったんじゃないか・・・なんて考え始めている。
まあ、合間をみて電話とかLINEはしているけど、仕事の合間にちょっとだけって感じだから2人は付き合っている♪って言えるような甘い雰囲気じゃあない。というか、現実的になれるはずないよ!!会えてないんだから!顔も見れてないし!
モヤモヤからイライラに変わって、しまいには貧乏ゆすりになる。
用意してもらったパイプ椅子に座っているから、ギシギシと音が響いた。
f:佐久間?何怒ってんの?珍しいじゃん。
今日一緒に仕事現場に来ている深澤が俺を不思議そうな目で見る。
s:別に!
f:なんだよ!俺に当たんなよぉ。イライラはお肌に悪いぞ。
s:うっさい!
いつもの深澤の軽口にもイラっとしてしまい、眉間にシワが寄るのが自分でも分かった。
恋愛をしても公私混同は絶対しないと決めていたけれど、これは仕事にちょっと支障がでそうだ。
いかん!こんな時は蓮を思い出すんだ!
いまだにブツブツ言ってる深澤を無視して、蓮に告白された日の事を思い返すことにした。
お互いの気持ちを認識した後の蓮は、俺の知っているいつもの蓮とは全く違う予想外の行動をしていた。
s:あ、あの、あの~・・・蓮?
m:ん?何?
s:えっ・と・・・降りてもいい?
蓮は胡坐をかいた太ももの上に俺を向かい合わせに座らせた状態で、結構な時間ギュッと抱きしめたままだった。そして時折、俺の首筋に顔を埋めて頬をスリスリとしてくる。
ちょっとくすぐったい//
かつてこんなに甘えている蓮を見たことがあっただろうか・・・・。
いや、可愛いよ!めっちゃ可愛いよ!!
全然嫌じゃないし、むしろこの意外性めっちゃ萌える!!
仕事中は割とクールに振舞っているから、ここまでギャップを見せてくれるなんて恋人の特権だよななんて浮かれちゃって。
最初はその可愛さに絆されて、も~しょうがないなぁ・・・なんて思ってはいたんだけど。
さすがに時間が経ちすぎてて、蓮は明日早朝から仕事だし、そろそろ支障がでそうだなと思ってぎこちなく聞いてみた。
s:明日早いって言ってたじゃん。そろそろ寝る準備しなきゃだろ?
m:・・・・・。
俺の首筋に顔を埋めているから表情は見えないけど、蓮の眉が少し寄ったのが分かった。
俺もだけど蓮も意外と感情が顔に出やすい。
s:そろそろ・・な?
m:・・・・嫌だ。離したくない。
s:っ!!
なんだそれ!可愛いかよ!!
駄々をこねる相手に思わずオタク気質が爆発しそうになるのを必死で抑えて、ちょっと温かくなってきた広い背中をポンポンと叩いた。
s:蓮。
m:・・・・・。
s:蓮ってば・・・・。
m:・・・・・。
無言を突き通す蓮に困りながら、ふぅっと息を吐く。
s:・・・・・・。
なんでだろうねぇ、俺、蓮が今考えてる事分かっちゃうわ・・・。
やっぱり長く一緒に活動してきたからこそなのかな?
好きな人と気持ちが通じたなら嬉しいし、抱きしめたら離し難かったりするのは分かるけど。
離すまいと固く俺に巻き付いてる腕。
蓮の今の行動はそれとはちょっと違うって気づいていた。
s:・・・蓮・・・、あのさ、俺、逃げたりしないから。
m:・・・・・・。
s:心配しなくていいよ。
m:・・・佐久間くん・・・。
俺の言葉にやっと顔を上げた蓮。瞳の奥が揺れていた。
言うかどうか迷ったけど、蓮にも知ってもらわなきゃね。
俺もお前と一緒なんだよって。
長い長い片思いが、心を頑なにするって知ってる。
普通の人より複雑な状況もある。男同士だし。アイドルだし。
すぐに信じられるほど簡単じゃない。
分かってるよ。大丈夫だよ。って伝えたくて
そっと蓮の頬を両手で包んで、こっちから触れるだけのキスをした。
m:!!
s:ふはっ!さっきのお返しな。
一回解けたのに、また元通りの形。
驚いた顔の蓮はすぐに目が細くなって優しい顔になっちゃって、俺の「してやったり」はすっかり飲み込まれたけどね。
抱きしめるのは確かめたいから。
キスするのは伝えたいから。
覚えててね。
俺、お前に「恋」してるからね。
今すぐじゃなくていいから
お前と同じの俺の想いも受け止めてね。
抱きしめたお互いの身体が さらに熱をもったのを感じた・・・。
いつの間にか思い出にふけっていて、ニヤニヤが止まらない俺。
s:ふへへ///
イライラはすっかり消えて、すぐに蓮にLINEを打ち始める。
そして深澤に「キモっ!」って言われたところで、現実に戻された。
ー蓮!好きだ!!!ー
この一文が お前を焦がせばいいな。
コメント
1件
いやもう、萌えた……! つか、佐久間くんの「ふへへ//」で全部持ってかれたわ(笑)。 めっちゃ仕事できそうなイメージだったのに、会えなくてイライラしてるところとか、蓮との回想でニヤけるところとか、ギャップが尊すぎてやばい。 「抱きしめるのは確かめたいから」「キスするのは伝えたいから」って台詞、あまりにも強くない? ずっと覚えてるわこれ。 “逃げたりしないから”って言えるの、強くて優しくて、佐久間くんマジだなって思った。 続き、待ってる🔥