『黄色い水仙』
注意書きは第一話をご覧下さい。
水side
突然だが、僕は男運が悪い。
今まで見付き合った彼氏には全員浮気された。
だから僕はもう、男の人が怖くなってしまった。
だけど、最近出会った青くんは、僕の過去を受け入れてくれて、好きって言ってくれた。浮気も絶対しないって言ってくれた。
僕は信じた。その色気のある声に溺れた。
そして、いつからか、僕は本気で彼を愛していた。
彼がたくさんの愛情をくれるように、僕もたくさんの愛情を返した。
この人なら大丈夫って思えて、結婚だって考えていた。
だけど、そんな日常を彼が壊したんだ。
青「じゃあ行ってくるな」
水「行ってらっしゃい!気をつけてね!」
青「あ、せや。今日から仕事が忙しくなるから、帰り遅くなる。ご飯もいらない」
水「わかった。頑張ってね!」
バタン
この時はなんとも思ってなかった。彼の言葉を信じていた。
だけど、どんどん彼は変わっていった。
僕に対しての態度が冷たくなっていった。
流石におかしいと思った。
疑いたくないけど、疑いざるを得なかった。
僕は探偵を雇って調査してもらった。
結果は……残念だった。
探偵にもらった山ほどの写真。そこには彼と知らない女性が映っていた。
水「……ポロポロ」
僕は悲しかった。
信じてたのに。本気で愛していたのに。
裏切られた。騙された。
この時思ったんだ。この世の男は全員口だけなんだって。
もう疲れた。この瞬間、早く1人になりたかった。
ガチャ
青「ただいまー……」
時刻は深夜2時。いつもなら寝るけど今日は彼の帰りを待っていた。
水「……おかえり、青くん」
青「ぅぉっ……まだ起きてたん……?」
水「うん、話したいことがあるの」
青「話したいこと?こっちは疲れてるんやけど」
水「すぐ終わるから」
青「……はぁ……早く言って」
水「……僕たち、別れない?」
青「……は?」
水 ビクッ
青くんがドスの効いた声で返してきた。今までに感じたことの無い恐怖。
青「何言ってんの?」
水「だって……浮気、してるじゃん」
青「……チッ、バレてたんか…」
開き直ったのか、見たことの無い態度の青くん。
青「お前は騙されやすくて便利だと思ってたんやけどな」
青「バレたんならもうええわ。明日には出てけよ。じゃあ俺は寝る」
バタン
水「〜〜〜〜〜〜〜っ、ポロポロ」
次の日
青くんが仕事に行ったあと。僕はこの家を出る準備を進めた。
これから行く場所は実家。自分の家が見つかるまではお世話になろうと思う。
水「……じゃあね」コトッ
僕は別れの言葉と、黄色い水仙を置いて家を出た。
青くん、僕はね、君に
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