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3件
ずっと待ってます〜🧚♀️🧚♀️
最高(*`ω´)b
ー怖かった…っ..ー
帝君の靴の音が廊下に響く。
コツ、コツ、コツ、コツ
規則正しい反響音に混じって、誰かとの会話が聞こえる。恐らく、相手は従者か使いの者だろう。
「西街是合适的。*(西通りが妥当だ。)*」
「然而…*(しかし…)*」
「没什么好担心的。他对我们已经没用了。*(なに、心配する事はない。あいつはもう用済みなのだから。)*」
「收到。*(了解しました。)*」
バンッと勢いよく客間の扉が開いて、帝君が入ってくる。口元には薄く笑みを宿している。
エクスはすぐさま異変に気付いた。
「…イブ様はどこだ」
しかしエクスはチャイナの言葉が分からず、帝君との会話は不可能。にんまりと口角を上げ、帝君は扇子を振るばかり。
エクスは帝君から何か言葉以外の情報を探し出そうとした。
…見つけた。
帝君の腰元の小瓶の中身が、明らかに無くなっている。
「チャイナでは近頃、快楽薬の密輸や取引が横行している。麻薬ではないから身体に害はないが、一時的な判断力の低迷や、脱力感を覚えるそうだ。…くれぐれも近づかないようにしなくてはならないな。」
馬車の中で、イブ様が言ってたっけ。
あぁ、イブ様。貴方を守りますなんて言っておいて結局俺は…
気づけばエクスはチャイナの皇宮を飛び出していた。
とにかくイブラヒムを探すことだけ考え、ひたすら走った。
ふと西通りの前を通りかかった時、エクスは何やら光るものを見つけた。
ターコイズの指輪が落ちている。
「イブ様の物だ…」
その指輪を握り締め、エクスは顔を怒りに歪めた。
「クソッ!!…必ず助け出します。イブ様…貴方は俺が守る。」
「…!イブ様!!」
西通り奥、薄暗い地下道に捨てられたように縮こまっていたのは、紛れもない、イブラヒムだった。
口枷をつけられ、手足を縛られている。
(なんて酷い…)
イブラヒムはエクスの声を聞いた途端、涙を流し、どうにか声を上げようとした。
「んぅっ、んっ…ぅうっ!!」
「イブ様!!よかった、本当に…」
そう言ってエクスはイブラヒムの口枷と手足の鎖を外し、イブラヒムを強く抱いた。
2人とも涙を流し、お互いの肩に顔を埋めた。
「怖かった…っ..」
若い石油王は、まだ少し震えながら言った。
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作者です!!
勉強の合間をちょっとずつ使って書いてます…更新相変わらず遅くて申し訳ないです()
それはともかくとして、もうすぐ作者の受験が終わります!!やったあああ🥹なのでもう少しだけお待ちください🙏🙏
追記:前話を投稿したところ反響がすごくてwおーおーみんなセンシティブが好きなのかぁ自分と一緒じゃんとか思ってましたwww
今後R指定じゃんじゃん書いていこうと思うので、おすすめのシチュとかあればぜひコメントしてください~📝