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【第31話・共喰①】
夏の光を浴びた木々の緑が溌剌と揺れている。
風が強く青臭い植物の香りを運んできた。
空の青は広く取られていて、視界の終わりには入道雲がのっそりと存在していた。
歩道を覆う赤茶色のタイルの隙間から、名も知らない黄色い花が咲いていた。
他に咲くところはなかったのだろうか?
莉乃はその答えを知っている。
そこにこだわりがあったわけではない。たまたまそこに種が落ちて、そこでしか咲けなかったのだ。
それでも咲いた。咲くしかやることがないからだ。
皆はそれに気付けずに足早に校門を通る。
生徒の行方不明が続いた学校にはまだ平穏は訪れていない。
学校の校門前までマスコミ記者が来ることはなく******
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