【第32話・共喰②】
◆◇◆
「英人ー!帰ってないのー?」
いつもなら帰宅しているはずの母親も英人もいなかった。
リビングのテーブルを見ると母親の字で、
『莉乃へ。今日は英人の学校で保護者会があるので少し遅くなります。温めて食べてください』
と書き置きがあった。
母親は莉乃の電話番号も知らないし、メールアドレスもSNSアカウントも知らない。
だから最近の普通の親子ならスマホで済む用件も葛城家では紙に書かなければならないのだ。
炊飯器にはあと一時間で炊き上がるように設定されたご飯が用意されていて、小鍋にはカブとトマトのスープ。
ラップがされた皿の上にはハンバーグと魚のフライが、冷蔵庫にはポテトサ*********
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