テラーノベル
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登場人物
(数伏 ふたは) (辻 境介)
(中水 紀瑠)
しばらく辻の運転に揺られ、車は刑務所の前で停車した。
「降ろすか」
ふたはは、車から降りて背伸びすると、そのままトランクの方に向かった
「ご開帳ー」
棒読みで、感情のこもっていない声でふたはが言うとトランクを開けた。
「珍しくノリがいいな」
境介が珍しいものを見たとからかうように言うと、ふたは肩をすくめる。
「あんたの運転中、この犯人目が覚めてたの気づいてたからね。どう?目覚めは、犯罪者」
中水 紀瑠は、暗闇から解放されたからか、自分をさらった相手だというのに助けがきたと勘違いしてギャンギャンと甲高い声で騒ぎ始めた。
「誰よあんた達、いやこの際なんでもいいわ。許さないんだからあの女。気色悪い髪のあの女…見つけたら絶対に…」
中水紀瑠は、騒いだ後は何かブツブツ言い出すので、これを見て境介は、口元をゆがめていた。
「まぁまぁ、騒がしい奴じゃないか」
辻は騒いでいる中水の髪を乱暴に掴むと、引きずり降ろした。
そのまま引きずって処刑場に向かって歩き出した。
「こんな奴を殺すにはちょうど良い日だと思わないか。ふたは、この女にぴったりな舞台を用意してやろう」
この境介の行動に中水は顔を引き攣らせて自身の髪を掴んでいる辻の手を離させようと抵抗した。
「今更遅いよ。お前が反省できる人間なら…。反省せず生きようとしたのが悪い」
ふたはは、廊下にたくさんある部屋の中から何かピチャピチャと、音のなる部屋の扉を開けた。
「私たち特別看守は、人の人生を奪ったうえで反省せずのうのうと暮らす人間を裁く特別な権利を持った組織だ。」
冷めた目でふたはが中水を見下ろしながら言う。
中水は、辻によって部屋へ投げ入れられた。
衝撃と、髪を引っ張られていた痛みで、中水は恨みがましそうに辻の事を睨みつけた。
この場所は、少し濁った水が入った大きなプールが部屋の大半を占めている場所だった。
やっと辻から解放され、慌てて逃げ出そうとしているのかバタバタと這いつくばって移動した。
「あんた達!こんな事して許されると思ってるの。暴行罪よ!誘拐よ!絶対に殺してやる」
中水は、血走った目で辻を睨みつけてくる。
この中水の視線に辻はフッと鼻で笑った。そして
「それは怖い怖い…訴えられるならここから逃がすことはできないな」
境介は、わざとらしく怖がるフリをすると、何か思い出した様子で話し出した。
「あぁ、だがそのプールを泳ぎきったら外に出てやろう。そういうルールだったのを思い出した」
境介の、あまりにもわかりやすい嘘にふたはは馬鹿にしすぎでは?と呆れた様子で横目で見た
だが、中水にとっては救いの手とも思えたのか、はたまた、この状況にまだ頭がついていけず混乱し判断力が落ちてるのか
「泳げばいいのね。それだけでいいなら早く言いなさいよこのクズ」
と悪態をつきながら、少し汚れた水の入ったプールに躊躇なく入った。
中水「見た目の割に浅いじゃない、これなら余裕ね」
コメント
5件
イラストとあいまって、この作品がより一層面白くなっていて 登場人物の感情とかがわかりやすくなってます!!ありがとうございます!! 中水はこれからどうなるんだろう🤔🤔🤔
イラストすごく上手いですね!