なんかできちゃった話

みたことない。けど、きいたことある。そんなことってよくあるよね。ドラゴンとか、ペガサスとか、子どもの夢物語。

それを信じてたときって、大切な思い出だよね。

私、かわいくって無邪気なものって大好き。お姫様とか、私なりたいんだぁ。ひらひらのドレスにみんなでお茶会。みんな笑顔なのよ。

パパと一緒に雪だるまつくらされたのも、ママを雪だまのなかに埋めちゃったのも、ぜんぶぜーんぶ思い出。でも記憶力ないからさ、覚えてないんだよね。

だから閉じ込めておくの。雪の中に閉じ込めたのよ。いつでも思い出せる。最高じゃない？

私ね、雪の季節が一番好きなのよ。だって真っ白なんだもん。一面真っ白。だからこそいっそう紅くみえるの。

ね、すごいでしょ。私もう大人なの。こんなものだって扱えちゃうのよ。何に対して危ないのかはよくわかってるから。だからこそ楽しいんだよねぇ。

赤の他人からドレスをもらったのよ。ピンクでね、リボンがついてたの。私興奮しちゃってすぐ着たのよ。あとはねー、お茶会。そうお茶会。パパとママの人を椅子にのっけて、お茶出してあげたの。世界で一番楽しい時間だったわ。

「あら刑事さん。今御茶いれますからねぇ」