プレーリードッグのピータ

夜。コテリーは寝静まっていますが、気は寝静まっていられません。夜でも敵は襲撃してくるからです。

ある夜。密かに敵がやってきました。セーブルのフェレットのような顔、真っ黒な足先と尾の先を持つ、小さな敵です。その名は、クロアシイタチ。小さいですがその小さな体を生かしてプレーリードッグの巣穴に入り、襲います。イタチは自分より大きい獲物にも果敢に襲いかかっていくのです。その夜、やってきたクロアシイタチは、アーリヤー。若いメスでこのコテリーを何度か襲撃していました。アーリヤーはそこらの巣穴に手当り次第入って襲います。クロアシイタチは世界でも欧米でしか生息しておらず、個体数はわずか400匹ほどと言われています。400匹というと多いと感じる人もいるかもしれませんが、私の学校の生徒数は600人なのでそう考えるとずいぶん少ないことがわかります。

この夜、アーリヤーの収穫は、プレーリードッグ3匹。深夜から朝方にかけて捕まえました。クロアシイタチは夜行性なので朝方、3匹目を捕まえるとくわえてもちさって行きました。

その3匹に、ピータとジルとベルは含まれていませんでした。