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はいどうも莉月です!!
今回は桃青です
このお話は少しうち自身の体験もあります
不快に思われる方はここでこのお話を閉じてください🙇♀️
タヒパロではないです!!
桃青しか出てきません
年齢操作有(お互い中2)
地雷の方🔙
それではどうぞ(^ω^)_凵
パクリ❌
アンチ❌
9月1日。
夏休みが終わり、新学期が始まる朝。教室に向かう生徒の中に、中学2年生のないこの姿はなかった。
彼は自室のベッドの上に座り、スマートフォンを握りしめていた。画面には、昨夜書いたメッセージが表示されている。
── もう疲れた。ごめん。
送信ボタンに指をかけたまま、ないこはしばらく動けなかった。
彼は学校が嫌いだった。特に、二学期が始まるこの日が。
クラスでは、いつも孤立していた。些細なことでからかわれ、無視されることが増えた。先生に相談しても、「気にしすぎだよ」と笑われた。それならばと家では明るく振る舞ったが、親は気づかなかった。
この夏休み、ないこはほとんど外に出なかった。唯一の居場所は、SNSで知り合った「いふ(まろ)」とのメッセージのやりとりだった。
まろは、ないこと同い年の中学生だった。彼も学校が嫌いで、親にも悩みを話せないと言っていた。そんな共通点から、二人は自然と本音を語り合うようになった。
── 九月一日、消えちゃおうかな。
数日前、まろがそう送ってきたとき、ないこは「俺も」と返してしまった。
「一緒なら、怖くないよね」
そんな言葉に、ないこは「そうだね。」とだけ返した。でも、本当にそれでいいのか、ずっと考えていた。
スマホの画面を見る。メッセージを送るかどうか迷っていると、いふからの新しいメッセージが届いた。
── ないこ、まだ生きとる?
「……うん、まだ生きてるよ」
そう返すと、すぐに電話がかかってきた。
──なぁ、ほんまに今日、やるんか?」
まろの声はかすかに震えていた。
ないこは、しばらく沈黙した後、口を開いた。
「……まろ、まろはさ本当は生きたいの?」
──……わからへん。けど、苦しいのは嫌。
「俺も。」
その一言で、二人は黙り込んだ。スマホ越しに、互いの息遣いだけが聞こえる。
──なぁ、ないこ。もしさ……もし、今日を乗り越えたら、少しだけマシになんかな…。
「わかんない。でも……」
ないこは、ふと窓の外を見た。朝日が昇り、街はいつもと変わらないように動いていた。
「……少なくとも、今日を終えなかったら、それを知ることもできない。」
まろはしばらく黙っていたが、小さく笑った。
「……ないこ、今日、話してくれてありがとう。」
「俺も。ありがとう。」
二人は、その後少しだけ泣いた。
──あのさ、約束せいへん? 今日1日を乗り越えるって。」
「……うん。約束する。」
9月1日が終わるまで、とりあえず生きてみる。
それだけの約束だった。でも、その小さな約束が、2人をつないでいた。
電話を切った後、ないこはスマホのメッセージを削除し、少しだけ深呼吸をした。
「……行くか。」
制服に着替え、玄関を開けると、まだ夏の名残を感じる風が頬を撫でた。
一歩、一歩。
今日を生きるために。
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