11
その事がこともあろうか民衆の間で王妃は伝説のアスターの方舟に喜び、故郷へ帰ったのだという噂が立ってしまいました。
国中の者が当時それを信じ、恐怖したものです。
それ以後、その噂によって国中の人々が不安に声をあげ始めた時、国王のエリックは『我々は戯言に耳を傾けてはならない、目で見た物を信じよ!方舟などあるわけがない』と国民に告げました。
クルミは公の場で言いました。
『いまでも世界中のどこかにアスターの方舟があるとあなたたちは島国の逸話を信じているのでしょう! それを真っ直ぐに信じて生きなさい』
その言葉によって国のざわつきが嘘のように治まりました。
クルミはただ騒動を終結させようと
放ったのみの言葉だったのですが……。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!