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その事がこともあろうか民衆の間で王妃は伝説のアスターの方舟に喜び、故郷へ帰ったのだという噂が立ってしまいました。

国中の者が当時それを信じ、恐怖したものです。

それ以後、その噂によって国中の人々が不安に声をあげ始めた時、国王のエリックは『我々は戯言に耳を傾けてはならない、目で見た物を信じよ!方舟などあるわけがない』と国民に告げました。

クルミは公の場で言いました。

『いまでも世界中のどこかにアスターの方舟があるとあなたたちは島国の逸話を信じているのでしょう! それを真っ直ぐに信じて生きなさい』

その言葉によって国のざわつきが嘘のように治まりました。

クルミはただ騒動を終結させようと

放ったのみの言葉だったのですが……。

ドームレンズの世界 第3章

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