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第三章 聖痕(スティグマ)の胎動
その日は、いつもと何一つ変わらないはずだった。
祭壇の影、淡い光の中でrm の膝に頭を乗せ、fuはうたた寝をしていた。 rmの長い指が髪を梳く感覚が心地よくて、fuは自分が悪魔であることさえ忘れかけていた。
「……ねえ、rm。あんた、本当に俺のこと好きだよね」
寝ぼけ眼でfuが笑うと、頭上で髪を撫でる手がピタリと止まった。
「――ああ。心から愛しているよ、fu。だからこそ、耐え難いんだ」
「……え?」
聞き慣れたはずの優しい声。なのに、その響きは氷のように冷たく、fuの背筋に鋭い悪寒が走った。
跳ね起きようとしたが、それよりも早く、
rmの大きな手がfuの喉元を――あのチョーカーごと、強く掴んだ。
「が……っ、な、に……っ!?」
首を絞めるような力ではない。だが、指先から流し込まれる圧倒的な「白」の魔力が、チョーカーを媒介にしてfuの全身を駆け抜けた。
「……あ、あああぁッ!!」
身体の芯が焼けるような、それでいて凍りつくような衝撃。
fuの黒いシャツの下で、rmに触れられた箇所から黄金色の紋章が浮かび上がり、肌をじりじりと焼き焦がしていく。
「痛いかい? 可哀想に。……でもね、fu。君の体には、まだ魔界の不浄な残り香が染み付いているんだ」
rmはゆっくりとfuを床に押し倒し、その上に覆い被さった。
広げられた純白の翼が教会の高い天井を覆い尽くし、fuの視界から逃げ道を奪う。
「嫌だ……離せ、rm! あんた、何して……っ!」
「掃除をするだけだよ。俺の聖域に、君以外の汚れはいらないから」
rmの指がfuの胸元を割り、露わになった肌に唇を寄せる。
吸い付くような口づけとともに、fuの体内に強引なまでの「浄化」が注ぎ込まれた。
「ひ、あ……あああぁぁッ!!」
fuの喉から、獣のような悲鳴が漏れる。
悪魔としての本能が「これは毒だ、逃げろ」と叫んでいるのに、脳の端では、その痛みがとろけるような熱い快感へと書き換えられていく。
rmを見上げるfuの黄緑色の瞳が、恐怖と、抗えない悦びに激しく揺れた。
「……いい子だ。これからもっと、綺麗にしてあげるからね」
微笑むrmの瞳には、もう「聖人」の面影は微塵もなかった。
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緑星ふうま