♢ side Watanabe Shota
Hika「皆どんな感じー?」
照に連れられ、再びダンススタジオへ戻ってきた俺。各々ダンスの練習をしていて、扉を開けると、メンバー全員の視線がこちらを向く。
Koji「照兄ぃぃ……、」
Hika「おぉ……どした康二?」
Koji「ここの動きと……ここの動きがどうしても繋がらんねん……。」
Hika「あぁなるほどね。ここはね…………、」
「……、」
照は康二へダンス指導に行ってしまった。
「(俺も遅れた分、練習しないと……。)」
ちらり、と幼馴染を見てみると……。
Saku「舘様もう出来上がってますねぇ!!」
Date「そう?笑」
メンバーに囲まれながらダンスの流れを練習していた。動きはほとんど完璧で、通しでやるには十分な仕上がりだろう。
「(……俺も頑張らないと。)」
♢
そして、数時間の練習が終わった。
Hika「っよし、じゃあ皆今日の練習は以上!次の練習は2日後だから、しっかりマッサージとかして体痛めないようにね。」
Saku「あーべちゃーん!」
Abe「ん〜?」
Saku「○○のアウトレット行こうよ!」
Abe「お!良いね、行こっか!」
……気が付けば、佐久間と阿部の糸も繋がっている。
「(俺どんだけ周り見えてなかったんだ……。)」
Rau「じゃあお疲れ様でした!」
Koji「ラウお疲れ!めめ帰ろ!」
Ren「分かった、じゃあお疲れ様でしたー。」
佐久間、阿部、ラウールに並んで康二と目黒も帰宅。それを見ていた涼太は、目黒達に「お疲れ様。」と言って手を振っていたが、少し寂しそうな目をした。多分、薄々勘づいてはいるんだろう。
Hika「じゃ、俺らも帰るか。」
Fuka「だな。舘さん、翔太お疲れ!」
Date「お疲れ様。」
「お疲れ……。」
そして再び2人きりになってしまった。ダンス練習中に涼太から声を掛けられた時は少しキツく当たってしまったし、この空間が気まずい。涼太の事は好きなハズなんだけどな。
「……っ、あ……涼太……。」
とりあえず、謝らないと。
Date「……もう、大丈夫なの?」
「え、?」
Date「……練習中、しんどそうな顔だったから。」
「……うん、大丈夫。ごめん、キツく当たっちゃって。」
Date「ううん、気にしないでいいよ。翔太が大丈夫ならそれで良かった。」
「……。」
だが、彼は俺に目を合わそうともせず、淡々と荷物整理をしている。逆に、声に元気が無いし、いつもの涼太じゃないような、そんな気がした。
「……涼太……?」
Date「……何?」
「元気、無い?」
Date「……別に?あるけど、何で?」
「……何か、元気無い気がするから。」
Date「……。」
「涼太、?」
Date「……めめは、俺に振り向いてくれないみたい。」
「!、」
Date「康二と、付き合ったんでしょ?」
「な、何で知って……、」
Date「だって、毎日の様に2人で帰ってるから。」
「……、」
Date「……失恋しちゃった、俺。」
「涼太……。」
Date「……でも、好きな人の恋は応援しないとね。」
「……っ、」
そんな、悲しい顔をさせたくなかった。
だから、アピールするまでも無く、俺はもう……。
「涼太、俺の目見て。」
Date「……?、」
「……俺、涼太の事が好き。」
Date「へ、……?」
「めめの事が好きって涼太が言った時、俺しんどくて、正直、涼太に会ったら泣いちゃうって思った。今日頑張って我慢してたんだけど、案の定……だしさ、照にバレちゃったし。」
Date「っえ、?」
「……涼太に、そんな悲しい顔させたくない。俺が涼太の事笑顔にする、幸せにする。」
Date「……でも、俺……失恋したばっかだし、気持ちも整理ついてないけど、」
「それでもいい。もし今からが無理でも、涼太の事惚れさせる。」
Date「………………ふは、笑」
「な、!わ、笑ってんじゃねぇ……!//」
Date「……今ので惚れた、笑」
「……え?」
Date「俺の事、幸せにしてくれる?」
「……する。」
Date「……宜しくね、翔太。」
「!、まじで……!?」
Date「んふ、可愛い笑」
「か、可愛くないって……!、//」
まぁ、この時は俺が彼氏面してた。けど、少し経ってからは……。
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