辺りを見渡すと、何かの建物の部屋にいる。
宮本「あれ…いつの間に。そして重いな…なんだこれ?!」
俺はここにいたという記憶がない。何故だ。更に、何故か小剣も持っている。ますます、謎が深まるばかりだ。とりあえず、落ち着いてる場合じゃない。何かあるのだらうか。改めて、部屋を見渡すと、扉にD-3と書かれているのと、机と椅子、ベッド、モニター、そして本棚がある。
宮本「有機化学や無機化学、力学や電磁力…化学と物理の本が揃っているな」
そうすると、モニターが急に光った。
???「やぁ初めまして。おめでとう!集められし160人の能力者達よ。私は君達を1つに集めた首謀者です。以後お見知りおきを」
宮本「…は?能力者…?何言ってんだ?」
???「急でパニックになるかもしれないが、これから君たちには、生き残りをかけて戦ってもらう。ルールは簡単。これから3つのステージで君たちには戦ってもらう。そして3つのステージを終えて、最終人数が12名になったものが勝者となり、自由を約束しよう」
宮本「おい…どうなってんだよ…」
???「まずは、部屋のあるアルファベットと数字について説明しよう。アルファベットは全部でA,B,C,Dの4つがある。この意味は160人をそれぞれのグループに入れているからだ。つまり、各グループ40人いるということだ。次に数字。この数字は全てで1,2,3,4,5とある。40人をその数字のチームに入っている。なので各グループに8人いるということだ。ちなみに、アルファベットと数字には深い意味は無い。ただ、こちらが個人的な主観で選んで決めたTOP4が、各グループに1人ずつ紛れているから、気をつけたまえ。これからは1stステージの説明をする。1stステージは各チーム内で争いあってもらう。そして、残り3人になった時に1stステージはクリアとする。後制限時間は4日だ。4日以内に終わらなかった場合は、全員死ぬ。そして、食料や水はバックパックを渡して支給する。明日から、グループA-1から順番に初めて行く。説明は以上だ。それでは頑張りたまえ。」
宮本「……..」
俺にはさっぱり分からない。疑問ばかり出る。さっきの話が本当なら、俺は能力者達と戦わなくてはならない。しかし、能力も何も持っていない俺が戦うことが出来るのか?確か、A-1から始まるって言ってたな。俺はD-3。不幸なのか幸運なのかは分からないが、とりあえず考える時間が多いのは助かるのかもな。
宮本「俺に出来ること….これか?!」
俺は化学と物理の本を読み、何かないかとヒントを探した。おそらくだが、能力のない俺が唯一対抗出来るのがこれじゃないかと思っている。それから俺はしばらく、考えて閃き、トラップのイメージ図を作ることに成功した。2日が経過した。
宮本「…よし、トラップは2日掛けて作れたぞ。後は、この素材が、戦う場所にあるかどうかだな。そこの部分の運に、俺は頼るしかない。」
あれから俺は、考えるのを辞めた。だって、こんなに緻密で姑息でやらないと、能力者には勝てないと思っているから。
あれから約1ヶ月が経過した。トラップを考えてイメージをしたりしたが、モニターに未だに変化がない。食事は決まった時間に、扉の小窓から支給される。別の部屋にはトイレとシャワーが1つになっているところがあり、そこで身体を洗ったり、用を満たしたりしている。構造的には、安いビジネスホテルみたいな感じだが、生活の仕組みは刑務所よりも酷いかもしれない。そもそもこれはドッキリかもしれない。本当なら、もう戦っているだろう。なのになぜまだ来ない。1ヶ月も来ているのに。そう思ったら、急にモニターが光った。
???「長らく待たせてしまって申し訳ありません。次はD-3の方々です。戦いは明日なので、本日は体調管理を気をつけてください。具体的なことは明日言います。それでは!」
宮本「…やっ、やっぱり…本当だったのか…」
これは嘘やドッキリやフィクションなんかじゃない。
【現実だ】
俺は震えた。ずっと震えた。明日死ぬかもしれないという恐怖に怯えて震えた。
宮本「…..凪咲、樹。2人とも元気でな」
そう言うと俺は眠った。不思議と2人のことを考えていると、何故か落ち着いて、眠ることが出来た。そうして次の日を迎えた。目の間には謎のスイッチがあったが、そんなのは気にしなかった。
宮本「…..遂に今日か。やってやるぞ!」
俺は怯えているんじゃない。生き残って、2人にまた会うために、俺は戦う。その後、スイッチが気になり怪しいと思ったが、押してみようとしたら、スイッチはビクともしなかった。そして、モニターは光った。
???「やぁD-3の方々。これより1stステージを行います。準備が出来た方から、部屋の中にあるスイッチを押してください。そのスイッチは押せるようになっています。それでは、健闘を祈ります。能力者達よ。」
俺はスイッチを押すのを、最初はためらったが、小剣とバックパックを持ち、決意を決めた後、俺はスイッチを押した。スイッチを押した瞬間に、どこかに移動した。さっきの部屋ではなく、誰もいない無人島に移動した。
宮本「…なるほど、ここがフィールドって事か。」
無人島なら資源が沢山あるはずだ、トラップを作るなら好都合だ。
宮本「まずはトラップに必要な、縄、石、竹から探そう。」
資源は海岸沿いに多い。だから、海岸沿いを目掛けて走った。でも、内心は怖かった。だって俺以外の能力者が7人もいて、殺しにくるんだ。怖いの他ないよ。そんな状況でも、生き残ってやる。
宮本「しかし、何かおかしいぞ。今は夏が終わったばかりなのに、日差しが強すぎるぞ。」
俺が夏に過した時の温度を体感だが、余裕で越している。
???「うんうん、察しがいいね。君は見る目があるが、残念ながらここまでのようだね。」
まずい、能力者だ。トラップも作ってない状況。俺が持っているのは小剣だが、真正面で勝てるのか。いや無理だ。今は全力で逃げるしかない。そう思い、全力で逃げようてして、後ろを少し見たら見たことある顔だった。そのせいで、立ち止まってしまった。
宮本「お前…..樹なのか?」
雨宮「え…暁…来?」
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