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#高校生
第41話 「開幕」
2021年7月。
第103回全国高校野球選手権福岡大会。
開会式。
夏空が広がる。
柳城高校の選手たちは整列していた。
昨年。
福岡優勝。
しかし甲子園はなかった。
だからこそ。
今年への思いは強い。
行進が始まる。
「柳城高校」
アナウンスが響く。
選手たちは胸を張って歩いた。
スタンドでは舞が手を振る。
おっちゃんとおばちゃんもいた。
「今年こそやな」
おっちゃんが呟く。
おばちゃんも頷いた。
数日後。
一回戦。
柳城高校―久留米工業。
初戦特有の硬さがあった。
一回表。
いきなり失策。
ヒット。
一死一、三塁。
柳城ベンチがざわつく。
だが先発投手が踏ん張った。
三振。
セカンドゴロ。
無失点。
その裏。
柳城が反撃する。
一番打者出塁。
送りバント。
盗塁成功。
三番打者のタイムリー。
先制。
1―0。
福間監督はベンチで腕を組む。
まだ笑わない。
試合は中盤へ。
五回。
柳城打線がつながる。
連打。
スクイズ。
犠牲フライ。
着実に加点。
4―0。
スタンドも盛り上がる。
八回。
ベンチが少し慌ただしくなる。
「小早川、行くぞ」
塁だった。
一年生。
公式戦初登板。
マウンドへ向かう。
史陽がショートから近寄る。
「楽しめ」
一言だけ。
塁は笑った。
「分かっとる」
初球。
ストレート。
空振り。
スタンドがどよめく。
二球目。
見逃し。
三球目。
空振り三振。
甲子園候補と言われる柳城に、新たな力が加わった瞬間だった。
塁は一回を三者凡退。
九回。
最後の打者。
ショートゴロ。
史陽が捕る。
一塁送球。
アウト。
ゲームセット。
柳城高校 5―0 久留米工業。
初戦突破。
整列後。
福間監督は選手たちに言う。
「一つ勝っただけや」
厳しい言葉。
だが表情は少し柔らかかった。
帰りのバス。
一年生の塁と史陽は窓の外を見る。
夏の大会。
まだ始まったばかり。
そして柳城の挑戦も、ここから本格的に動き出す。
第41話 終
コメント
1件
ヒェッ……野球青春ものしんどすぎて泣く😭💦 第41話、開幕からいきなり初戦の緊張が伝わってくる…失策からのピンチを先発が踏ん張るシーンで鳥肌立ったよ! そして何より一年生・塁くんの公式戦初登板、「楽しめ」って一言かます史陽くんがカッコよすぎん?? その一声で緊張がほぐれて三振取る流れが神すぎる…✨ 福間監督の「一つ勝っただけや」も渋くて好き。まだまだこれからだよね! 続きが気になって仕方ない…天海先生マジで天才っす🥺💕