テラーノベル
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仁「瑠衣………」
大きな屋敷が火に飲まれる
瑠衣は…ずっとこれを計画していたのか?
それとも…ただの偶然?
分からない…でも……
杖「行くんだろ?」
仁「……あぁ」
周りには火事を見て出てきた人々
それに…瑠衣そっくりな女が居た…見れば分かる
あれが、瑠衣の母親なんだと
だか…そんなことはどうでも良い
瑠衣がいないか周りを確認するが
瑠衣の影は無かった。
嫌な想像が出てくる
まさか…まだ……中に?
そう思うと、俺は、まっすぐ火の中に飛び込んだ
おっさんが何か言っていたが…内心俺もパニックだったんだ…
目の前で…瑠衣が死ぬのは……絶対に嫌だ
中に入ると建物は木で出来ていて、いかにも燃えるものだった
あたりは火にまみれ
床は崩れ
天井は崩落していた
家の構造なんか…しらない
だから…手当たり次第瑠衣が居そうなところを探しまくった
この家は指紋も痕跡もありすぎる
瑠衣のものが埋もれてしまっているし
火事で痕跡が消えているものもある
自分が火に火傷しているなんて、知ったこっちゃ無い
ただ、ただ扉を開けて、瑠衣を探して探して…
煙を……吸いすぎたのは…そのときに気がついた。
体は鉛のように重く鈍い。
瑠衣が見つからなければ…俺は……
最後に1つの扉を開けるとそこは異様だった
地下に繋がる階段があった。
もしかしたら…という望みをもって俺はその階段を下った。
降りた先には広い部屋のようなものがあった
鉄の壁に血のあともある
この部屋は…いったい…
この部屋には火はきていなかった。
部屋に煙はなく新鮮とは言えないが酸素を吸うことが出来た。
あたりを見渡していると人影があった。
俺は、足に力を入れて人影があった方に走っていく
そこには…瑠衣が居た
床に倒れている、近くには大量の薬
瑠衣は…ここで死ぬのが目的だったのか
いや…考えるのは後だ……今は
瑠衣を救うことだけを考えろ
止まっている心臓を動かすために
俺が出来る最大限をしないといけない
…なぜ、瑠衣は火をつけた
なぜ…薬で死のうとした
なんで…お前が死なないといけなかった……
仁「起きろ…馬鹿……見つけたぞ…だから、俺の勝ちだ」
綺麗な着物を着て綺麗な髪…
どこぞの姫だと思った。
仁「なぁ…頼むから……」
心臓マッサージをするが…効いているのかも分からない。
ここで…助からないと……瑠衣は…
手が…震える
いつもそうだ……肝心な時、大事な人を守れない
ちーず
62
10
守れないなら…俺は…なんのために
視界が歪みぼやける
泣いたって意味が無いのは分かってる
でも……
瑠「ゲホッゴホッ」
仁「瑠衣!!」
瑠「じ………ん…?、ゆ…め…?」
仁「夢じゃねぇ…しっかりしろ……馬鹿」
瑠「仁……泣いてる?」
仁「うるせぇ………」
おっさんに連絡を入れる
無事であること
瑠衣を見つけたこと
安全な場所にいること
おっさんは安堵した声だった。
これは、帰ったら説教だな、と、覚悟をする
部屋のすみには俺の上着を被って座っている瑠衣がいた
息を吹き替えしたとはいえ、薬を大量に飲んでいる
救助がくるまで…耐えられるかどうか……
俺は、おっさんとの通話を切り
瑠衣の隣に座った。
仁「なんで、こんなことをした」
瑠「……家はさネストに不満があって潰す計画をしてた。
その情報をあいつらが手に入れたって喜んでてさ。俺…やっぱ……仁とおっさんのこと裏切れなくて……ネストの情報と一緒に死ぬつもりだった」
たった、17歳の子供が本来抱えて良いものでは無い
未来に希望を持てない奴がする目
俺は、瑠衣の手を握った。
瑠「なんだよ……」
仁「別に……なぁ、ならなんで、お前はオーバードーズをした」
瑠「死体が綺麗に残ると思ってさ。火に焼かれると誰だか分からなくなるじゃん?だからさ、綺麗に残る形で死にたかった。仁なら…見つけてくれると思っててさ」
あぁ…腹が立つ
この怒りは
瑠衣の身勝手さに対して
瑠衣の両親がやってきた悪事に対して
そして、なによりも…何年も一緒にいたのに瑠衣の変化に…苦しさに気づいてやれなかった俺に対して
仁「…………それじゃあ、今回は俺の勝ちってことで、文句あるか?」
瑠「ねぇよ、さすがに今回は惨敗」
仁「そうか…なら、あれについても文句は無いな?」
瑠「あれ?」
仁「巣に帰すって言っただろ」
瑠「あ~…そういえば……って、まさか…」
仁「あぁ、瑠衣ホークアイズに帰るぞ」
ーーーー
瑠衣視点
なぜ、そこまで俺に執着をするのか…
仁とおっさんの気持ちは理解できる気がしない
裏切った奴を自分達を傷つけた奴をなんで…そこまで……
瑠「俺は……仁とおっさんを裏切った。だから…今さら俺が帰るところなんて…」
仁「ある、俺の隣はまだ空いてる」
瑠「それは……」
仁「ホークアイズの記録者はおっさんと瑠衣だけだ異論は認めない。瑠衣は俺が良いというまで俺のそばにいれば良い。それ以外で俺の隣から離れるな」
仁の荒っぽい口からは想像も出来ないほど…優しくて……暖かい言葉だった。
瑠「俺さ…分かってたんだ……駄目だって…死んでも…償いになんかならないって。でも、これしか…方法が分からなくて……どんな方法なら…納得するのかなって…もう……わかんねえ…初めは1人の方が楽だったなのに…仁とおっさんのせいで……生きるのが楽しいって思えちまって…まだ……生きたいって思っちまって……全部全部…2人のせいだから……償えよ…馬鹿……」
仁「そうだな、瑠衣にそう思わせたならその罪は償わないとな…」
仁のまっすぐな目が…とても綺麗だった。
仁「瑠衣、俺は…この人生を使って罪を償う……だから、その為には瑠衣がいないといけない。俺の一生を全部瑠衣にやる、約束だ。もう…二度とこの手を離したりはしない」
暖かくて…強くて……優しい手
瑠「俺…ホークアイズに居たい……どんなことでもするから…だから……ここに居させて…」
仁「ここまで来て断るわけ無いだろ…あぁ、ずっと…俺のそばに居ろ。瑠衣が嫌だと言っても離さないからな」
瑠「はは…厳しすぎるだろ……ば~か…」
ああ…俺にはまだ……居場所があったのか…
今まで、ずっと…人としてでは無くモノとして扱われ続けてきた。
光も未来も無い…そう……思っていたのに
2人に会って…初めて人として扱われて
まだ……生きていても良いって…思えて……
それが…本当に嬉しくて。
気がついたら目から涙が出ていた。
やっと…楽になれる……
自分が望んでいた方法では無いけど…それでも……
これは…これで…ハッピーエンドだな……
仁の目はいつもの…無愛想な目だった。
でも…その無愛想な目はいつもより強く光っていた。
ーーーー
ありがとう…あの時、俺を追いかけてきてくれて。
ありがとう…最後まで俺を信じてくれて
ありがとう…俺を見捨てないでくれて
ありがとう……巣に帰してくれて
これからも、俺は2人のそばにいるよ
それが…俺の罪滅ぼしになるのなら
きっと…離してはくれない手を俺も掴んでるからさ。
もう、間違えない。
強くなるよ。
ありがとう…仁、おっさん
必ず迎えに行く 【終了】
コメント
4件
うわわわん(泣) 神最高ー 次回も楽しみにしてます
これで、「必ず迎えに行く」は、終わりです。 お付き合いありがとうございました。 ですが、まだまだ短編集は続くので是非これからも見てって下さい
うわぁぁぁぁ第17話読み終えたよぉぉ😭💦💦もう最初から最後まで涙腺崩壊状態だよ…! 火の中飛び込んでく仁、瑠衣見つけた時の安堵と焦り、心臓マッサージしながら泣く仁…胸がギュウギュウした…。 「俺の一生を全部瑠衣にやる」「瑠衣が嫌だと言っても離さない」って仁の言葉、重すぎて尊すぎてヤバいよ…!!瑠衣がやっと「生きていても良い」って思えた瞬間、こっちも救われた気持ちになったよ…✨ ホークアイズに帰るって決まって本当に良かった…この二人の絆、ずっとずっと続いてほしいな…!!